断腸亭料理日記2010

玉子炒飯

3月14日(日)第一食

さて。

日曜日。

朝起きて、なにを食べようか。

冷蔵庫を開けてみると冷飯がある。

炒飯でも作ろうか。

炒飯はよく、プロはご飯をパラパラにして、鍋を煽り
空中で飯粒を舞わせて、炒めるなどというが、
これが難しい。そうとうに、難しい。

私のように、いつも鉄製のフライパンや、中華鍋に
くっつけてしまう者にとっては、特に難しい。

中華といえば、強火が基本である。

しかし、強火で炒めると、くっつきやすい上に
一度くっついたら、強火ではリカバーがきかず、
焦げてしまう。
このため、以前は、くっつき始めたら、途中で
火を止めていた。くっついたものは、火を止めると、取れる。
これは、まあ、皆さんご経験がおありであろう。

くっつかぬように、中華の基本、強火とは
反対のことをしていたわけである。

別のいい方をすると、強火でくっつかぬようにする、
というのが、どうすればよいのか、皆目(かいもく)
わからなかった、のである。

増して、最近の炒飯には、黄金炒飯などというものがある。

従前の炒飯であれば、先に玉子を炒めてから、飯を入れ、
炒める、というものであった。
むろんこれは、くっつきにくい。

これに対して、黄金炒飯は、飯を先に入れ、軽く炒め、
ここに、直に玉子を入れて一緒に炒める、のである。
イメージとすれば、玉子ご飯を、炒める、と、いうもの。

これは、もっとたいへん。
くっつく上に、ベチョベチョの団子のような
状態になってしまうのである。

そこで、発想を転換
途中で止めたりぜずに中華の基本に戻って、
あくまで強火を通してみようと、考えてみたわけである。

どうなることか、やってみたら、途中で、
油を足したりはしているのだが、多少くっついても
かまわず強火で炒めているうちに、ベチョベチョのものが、
玉子が固まるにつれて、ほぐれてくる。
きれいな黄金炒飯、とまでいかないが、ある程度
パラパラのものができたのであった。

結局、くっつくのを恐れず、強火で炒め続けること。
どうも、これが成功への道であった。
そして、もう一つは、やはりある程度油の量は
必要である、と、いうこと。

さて、準備。

中華鍋を煙が出るまで熱する。
この間に冷蔵庫か冷飯を出し、事前によくほぐしておく。
一週間前のご飯なので、かなり、よい感じに
ポロポロになっている。
素人の場合、この炒める前にほぐしておくのも、
ポイントであろう。
中華鍋に入れてからぐずぐず、ほぐしていると、
これだけで、くっつく要因にはなる。

葱も切る。
それから、玉子二個を割ほぐしておく。
炒飯の場合は、完全に腰は切らない。

全部準備をして、調理開始。

熱した中華鍋に一度油を回し、捨てる。
(これは、ストックの天ぷら油。)

強火で点火。
新たに、炒め用の油を多めに入れる。

ここに、ほぐしたご飯。
軽く炒め、玉子を投入。

むろん、強火は継続。

この時点では、ベチョベチョ。
かまわず、炒める。

やっぱり、多少くっつく。
上から、少し、油をかける。

かけて、炒め続ける。

強火で、炒め続け、くっついたところは、
お玉で、取ったり。

と、やっぱり、段々にほぐれてくる。
よい感じ、で、ある。

炒める。

そこそこ、中華鍋の上で、飯粒が舞うようになったぞ。

ここで、塩胡椒。
XO醤も、入れる。

仕上げに、ねぎを入れ、炒め、
最後は、しょうゆを鍋肌から入れる。
これは香り付け。

味見、OK。

完成、で、ある。

気は心、即席のスープも作る。
XO醤、鶏ガラスープの素(味の素)、しょうゆ、に、
お湯を入れ、ねぎを散らし、でき上がり。


味はまあ、普通の炒飯。
普通にうまい。

本来黄金炒飯というのは、玉子も細かい粉のように
パラパラになり、ご飯の表面にも玉子がコーティングされているような
状態。
むろん、そこまではいかない。

が、考えてみれば、本来日本人は、ネバネバの
ご飯を食べ慣れているので、炒飯としては、別段、
パラパラになっていなくとも、うまく食べられる。
(チキンライスなども、パラパラではないが、
問題なくうまい。)

しかし、ちゃんとした、中華の炒め方で作れるように
なれば、手早くできる、そういうメリットはあるかもしれない。

しかし、依然として、むずかしいもの、ではある。




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