断腸亭料理日記2011

浅草・手打ち蕎麦・おざわ

2月13日(日)第二食

さて、日曜日。

今日は、この前の佐賀ラーメンに続いているようだが、
ラーメン。

やはり、ちょいと話題になっているという
東武の浅草駅裏(北側)のラーメンや、で、ある。

日曜日にもやっているという情報だった。

が、1時すぎに、自転車できてみると
店は閉まっている。

あれま。

勘違いであったろうか。

ともあれ、仕方がない。

しかし、どうしたものか。
ラーメン、という頭で、出てきてしまったが。

蕎麦、に、でもしようか。

日曜なので、並木藪は行列であろう。
久しぶりに、おざわ、へ、いってみようか。

寒いことは寒いが、昨日、一昨日から、
打って変わって、今日は、天気がいい。

浅草も、ずいぶんな人出、で、ある。

くるときは、国際通りから、六区、
伝法院通りと、仲見世を突っ切ってきた。

今度は、雷門通りに迂回し、雷門、
旧仁丹塔前のT字路を右、ロックスの前で
国際通りを渡り、合羽橋本通り、どぜう、の、
飯田屋の前を左に入って、おざわ、で、ある。

緑色の暖簾が出ている。
こちらは、やっている。

戸を開けて、入る。

昼時もすぎており、大きなテーブルに
一人客が、ちらほら。

今日は、きれいな女将さん(?)の顔が見えない。

別の女性から、手前の、
テーブルをすすめられる。

ここへくると、昼間でも、
一杯、ということになるのだが、
今日は、どうも体調がすぐれないので、
やめておこう。

いや、体調がすぐれない、といっても、
大きな病気ではなく、アレルギーなのである。

主として、鼻炎なのだが、今は薬を飲んで
とまっているが、今日は、朝からくしゃみ鼻水が、
特にひどく、人心地がしない、と、いうのか、
頭がボンヤリ。

そこで、温かい蕎麦。

ここで、温かい蕎麦は、ひょっとして、
初めて、では、なかろうか。

ここはメニューを見てみても、
冷たい蕎麦よりも、温かいものは
数が少ない、かもしれない。

山かけ、にする。


別に出てきたが、一気に上に
全部かけてしまう。

温かく、うまい。

つゆもすべて、飲み干す。

温まった。

勘定をし、女性とご主人の
ありがとうございま〜す、の声に送られて、
出る。

やはり、この声は、重要である。

最近、趣味そば、の、ことを
あまり書いていなかったが、そのこと。

趣味そば、と、いっているのは、
藪や、砂場などの、老舗系でもなく、
いわゆる、町の普通のそばや、でもなく、
主人が脱サラだったり、ある程度修行をして、
店を開いたところ。

店の内装なども、新和風というのか、小洒落たもの。
ワインを置いたり、和洋折衷のようなメニューを
出したり、、。
東京にも数多く、ある。
皆さんも、1〜2軒はご存知、で、あろう。

また、その初代の趣味そばで修行をして、
さらに店を開いているところも今は、あったりする。

いろんな店があり、よい店もあるのだが、
大方、私の肌には合わない。
だが、このおざわは、いくつかあるうちの
の例外の一つ。

なんでも、ご主人はもとは和食の料理人であったらしいが、
蕎麦一本で店を始めた、という。
だいたいにおいて、こういう人は、間違いがない。

結局、蕎麦のうまい、まずい、だけではなく、
店の居心地のわるさ、なのである。

これは客商売、それも和食の店の客への対応の仕方、
こういものができていない、ということ。

和食の修業をきちんとした人であれば、料理人でも、
料理だけではなく、客への対応仕方を、
むろんのこと、自然と身に付けているのだろう。

京都、などは、そうとうに丁寧だが、
東京でも、ご大層に、慇懃にするというのではなく、
無口な人でも、軽く声をかける、ということをする。
よく考えてみると、そば、鮨、割烹、その他、
やはり、和食系は皆、ある程度、共通した空気感を
持っているのではなかろうか。

趣味そば、の人には、これがない。
それが、妙な居心地のわるさ、に、
つながっているのではなかろうか。

飲食業というのは、むろんのこと料理だけ
独立して存在はしていない。

和食ならばなおさらのこと、長い間に培われてきた、
客への対応の仕方というものが出来上がっている。
やはり、お客とすれば、そうしてほしい、と、
感じるのである。

西浅草おざわ。
よい蕎麦や、で、ある。



手打そば・おざわ
住所:東京都台東区西浅草2-25-15
電話:03-3841-6450







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