断腸亭料理日記2011

熊野のさんま丸干し

2月18日(金)夜

今日は昨日の続き。

日本橋高島屋。

特別食堂から降りて、まだ時間が早いので、
地下の食品売り場を覗く。

階段を降りると、前に、秋刀魚。

これは?

紀州熊野のさんまの丸干し。
先日、NHKでやっていたもの、で、ある。

熊野、紀伊半島では秋刀魚が名物。
これは、ご存知の方は、ご存知。
(あたり前だ。)

私も、随分前にかの地へいって、駅弁の
秋刀魚の押し寿司など、随分うまいものである、
と、記憶した。

(その後、自分で秋刀魚の押し寿司
なん度も作っている。)

我々、東日本の人間は、秋刀魚といえば、銚子、
あるいは、三陸、さらに、最近は釧路沖。
親潮に乗って、初夏から南下し、秋には関東の
庶民の食卓をにぎわすもの、という。
まあ、落語、目黒の秋刀魚、で、ある。

しかし、銚子から、秋刀魚はさらに西へ行き、
脂が程よく落ちて、紀伊半島沖でもよく獲れる。

ちょいと、話が横道にそれる。
よく考えると、これ、先日の話
ではないが、正(まさ)しく、「日本人が海洋民族である」
証(あか)し、であると思う。

一種類の魚が、北から南へ移動し、
各地で、それぞれに伝統的に料理され、親しまれ、
食べられてきた。

東京湾だけではない。
我々日本人は、北から南まで、古くから魚を獲って食べ、
それが和食の中心になってきた。
正(まさ)しく、魚は日本人の食文化の主役であった。
いや、過去形ではない、いまでもそう。

世界中から、金にあかせて魚を買い漁(あさ)っている。

しかし、もはや、そんな時代でもないのではなかろうか。
いい加減に、セーブすることを考えようではないか。

そして、大切な食糧であり、食文化の主役である魚介類を
先祖代々獲ってきた、前浜、前の海、そして、近海に
もっと関心を持つべきであろう。
(そして、行動をしなくてはいけない、のか。)

筆が滑った。
熊野の、さんま丸干しであった。

そんなことで、紀州熊野地方では、伝統的に秋刀魚を
押し寿司にしたり、このような丸干しを作り、
名物になっている。

ポイントは、押し寿司にしても、丸干しにしても、
こちら、東日本で獲れる、脂たっぷりのものでは、
今一つ、ということなのである。
なぜかといえば、生ぐさくなってしまう。

で、それが、出張販売をしていたのである。

普段、私は、こうした地方の出張販売ものは、
あまり買わないのだが、今日は、買い。
(三本で、750円)

帰宅し、その日は食べないつもりだったのだが、
内儀(かみ)さんが、10時半帰宅。

なにか食べる、というので、焼いてみた。


なるほど、脂は落ちている。
まるっきりなくはないが、ジュウジュウ
焼いているときに、脂が落ちるほどではない。

塩をして、干してあるので、

そう。

鰯の丸干し。

あれに近い。

秋刀魚の味、ではあるが、滋味、というのか、
旨みが増えている感じである。

はらわたも食べる。

(さんまの丸干し、うまいものだが、正直のところ、
大騒ぎをするほどのことはないかもしれない。)

さて。

もう一つ、高島屋で買ってきたもの。
明日の『講座』のねた、で、ある。

なにかというと、塩瀬の、まんじゅう。

この塩瀬総本家の本店は、築地の隣の明石町にあり、
今回のコースに入っているのである。
それで、高島屋に入っていたので、ついでなので、
事前に買って、食べておこう、ということであった。

塩瀬総本家は、饅頭が日本に渡来をした
室町の頃に歴史をさかのぼれる、由緒正しき店。

小ぶりなまんじゅう。


甘さはおさえてあり、上品。


そんなことで、
明日は、『講座』の2月、で、ある。





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