断腸亭料理日記2011

上野・藪蕎麦

7月10日(日)午後

さて。

日曜日。

来週に迫った『講座』の資料の仕上げを行ない、
午後、上野のキンコーズへコピーに出る。

梅雨が昨日開けた、のだが、本格的に、暑い。
日差しが刺すようである。

短パンにポロシャツ、雪駄履き、
自転車で、出る。

上野のキンコース、というのは、上野駅の駅前。
駅前、という書き方もへんだが、昭和通りと、
浅草通りの交差点、北東の角にある。

コピーを終えて、また、灼熱の街に出る。

先月も、このキンコーズでのコピーの後、
行ったのだが、上野藪

寄ろうか。

上野界隈で、蕎麦、といえば、上野藪と、
池の端藪、であろうと、思われる。

池の端藪は、店のたたずまい、接客、あるいは、
三藪といわれるように、元祖藪蕎麦に近いというところ、
などなど、考え合わせ、格というのか、ポジションとすれば、
どうしても、上野藪よりは、上、に考えてしまう。

じゃあ、なぜ、上野藪へ行こうと思ったのか。
池の端藪の方が、格が高い分、敷居が高い、ということもあるが、
実際のところは、そこまで考えたことではなく、
このキンコーズのある上野の東側からは、西側の
池の端へ行くよりも、近い、から。

上野の駅だったり、アメ横を突っ切るよりは、
丸井の裏にある、上野藪の方が、行きやすい。
ちょいと、行けるから、ということである。

店の脇に自転車を止めて、店に入る。

2時を少しすぎた頃。
先月よりは、少し混んでいる。

お二階へ〜、

と、いうので、二階に上がる。

ほぼ埋まっているが、あいた席もあり、
座る。

座ったら、やっぱり、ビールしか
あるまい。


ヱビス。
キューッと、一杯。

まったくもって、こう暑いと、この一杯が
実にどうも、、、、、うまい。

さて。

蕎麦は?。

先月は、サラダ蕎麦、なるものを食べた。

蕎麦グルメを自称されるような方には、
まったくもって、邪道、と、怒られるのであろうが、
どうしてどうして、あれはあれで、うまい、
のである。

また、それでもよかったのだが、
サラダ蕎麦ばかり食べているのも、
芸がなかろう。

今日は、まとも、な、蕎麦に、と、とろろ、をもらう。


池の端では、とろろ蕎麦はよく食べていたが、
ここでは、初めて、かもしれない。

つゆは別になっているので、全部入れ、よく混ぜて、
食べる。

ん!。

これは、これは。

なにが、というのは、表現しずらいのだが、
これ、そうとうに、うまい。

とろろ、そのものが、うまいのかもしれぬ。

さすが、と、いうべきであろう。

先に、格としては、などと書いたが、
実際には、上野藪も創業は明治で、決して、
池の端藪に、負ける店ではない、はずである。

店の外見や、中の雰囲気で、そう見えてしまう。
あるいは、客への対応の仕方、なども、あるかもしれない。

なんとなく、損をしているのかも。

東京の蕎麦やというもの、長い伝統があり、
特に、下町では、比較対象も多く、雰囲気も含めて
味の内、でもある。

個人的には、ちょっと、上野藪を見直している
今日この頃、で、ある。



台東区上野6-9-16
tel.03-3831-4728



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