断腸亭料理日記2011

鯛の兜煮

6月26日(日)夜

昨日もそうであったが、今日も、
次回の『講座』の資料作り。

第3土曜なので、まだ時間はあるが、
やはり“イッテイノメド”、を、付けておかないと、
不安、で、ある。

昨日の深夜に鶏なんぞを焼いて食べたので
朝からあまり腹が減らない。

資料を作りながら、なにを食べようか、
あれこれ考えていたら、どうしたわけか、
煮玉子が食べたくなった。

煮玉子とは、しょうゆで煮た、
茹で玉子。

玉子は内儀(かみ)さんに茹でさせて、
皮むきまでしておく。

ただしょうゆで煮ただけでは、おもしろくないので、
鶏の手羽先とでも煮よう。

手羽先はないので、買に出る。
ハナマサは量が多く、手羽先ばかりが大量にあっても
あまり使い道がないので、三筋のヤマザキヘ。

手羽先を買って、魚売り場にくると、
鯛の頭に目がとまった。

それも、頭、だけではなく、
玉子もある。

ふむ、ふむ。

これは、兜煮、に、しようか。
玉子も同じように、甘辛に煮れば、
うまそう、で、ある。

帰宅。

煮玉子の方は、午前中に煮ておく。
が、まだ、腹が減らないので、食べずに、
そのまま、資料作り。

3時すぎ。

ようやく、腹が減ってきた。
資料の方も“イッテイノメド”はついた。

兜煮に、かかろうか。

少しレシピを調べてみる。
おお、そうだ。

兜煮はごぼうが必須。
今度はハナマサまで買い足しに出る。

帰宅し、調理にかかる。

まずは、頭の下処理、で、ある。
今回調べてみて、この下処理で、よい方法に
出くわした。

鯛なので、頭にも鱗(うろこ)があるので、
今までは、鱗取りを先にしていたが、
熱湯をかけて、いわゆる霜降りをするのと
同時に、鱗も取ってしまう、という方法。

これは、簡単そう。

薬缶に湯を沸かし、かける。

表面の身は縮み、皮も縮む。

縮みながら、はがれたりもするが、
縮むことによって、軽くこすれば、
鱗は簡単に取れる。

これは、よい。

鱗を、鱗取りで、取るのは、なかなかの手間、
であるし、キッチン中に、鱗が飛び散ってしまう。

湯をかけて、血合いなどもきれいに取る。

ごぼう。
こちらは、たわしで洗い、5cm程度の
長さに切り、太い部分は半分にし、水に放しておく。

さて。

ここから、煮る、わけであるが、
圧力鍋で煮る、というのが、レシピには
あった。

これも、よさそう。

やってみようか。

圧力鍋に、水、酒、砂糖、しょうゆを入れ、
先にごぼうを入れ、煮立てる。

煮立ったら、頭も入れる。

玉子は、一緒に煮ると、粉々になるであろう、
別にし、鍋で煮ることにする。

頭を入れたら、ふたをし、加圧。
圧が上がったら、弱火にし、10分。

あとは、圧が下がるのを、待つ。

玉子の方は、ちょっと甘めにし、
軽く煮詰めておく。

圧力鍋を使わないと、トータルで
30分、という。

圧が下がるまでは、15〜20分。

下がったところで、開けてみる。

ひょっとして、鯛の頭が破壊されてはいまいか、
と、思ったが、不思議と形は保っている。

ごぼうの方は、そうとうに柔らかくなっている。
ちょっと、柔らかすぎ、かもしれない。
圧力鍋というのは、圧をかけて加熱するので、
いわゆるレトルト食品と、同じようなものである。

ちょっと、時間が長いと“いかにも”な食感に
なってしまう。

気持ち、加熱時間が短くとも
よかったかもしれない。

味をみると、砂糖が足らないか。
少し加え、つゆ自体を濃くするために
5〜6分煮詰める。

OK。
盛り付け。
見た目には、頭は形をとどめているが、
実際には、かなり柔らかくなっていた。

ヘラで、そ〜っと、皿に移す。
ごぼう、別に煮た、玉子も添える。


うまい、のではあるが、
ちょっと、しょうゆが強すぎた。

本来のレシピは、酒としょうゆとみりんであった。
みりんが切れていたので、砂糖にしたわけだが、
どうしたわけか、足らなかった。

また、圧をかけた時間が、長かった。
つゆが濃くとも、染み込んでいなければ、
なんら問題はなかった。
レシピにあった、加圧10分。
これが、5〜6分でもよかったかもしれない。

私としたことが、か。

レシピなど信用せずに、自分の経験と、
感で決めればよかった。

本来煮魚は、長くとも、8分というのが、
最近の傾向であった。
(ただし、これだけだと、ごぼうは煮えない。
別に煮る必要があるだろう。)

この、30分、というのは、
味をしっかり含ませる古い和食煮方かもしれない。

ごぼうは別にし、頭は普通の鍋で、普通の煮魚同様
10分弱。
おそらくこれが正解ではなかろうか。

ちょいと、反省、で、ある。






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