断腸亭料理日記2011

根岸・豆富料理・笹乃雪

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NHK文化センター、断腸亭の『池波正太郎と下町歩き』

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NHK文化センター

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3月6日(日)夜

どうも『講座』から、話題が離れないのだが、
もう、次回、3月の話。

1年やってきた最終回になるのだが、
今回は、根岸から、上野。

今日は、その下見で、上野の山から鶯谷方面に
自転車で降りてきた。

上野の山から、鶯谷へ降りる道は、二つ。
一つは、言問通り。
もう一つは、寛永寺の墓地から、JRをまたいで
渡されている凌雲橋という陸橋を降り、言問通りに出る。
今日は、この道。

この、陸橋の上野の山側に鴬谷駅の南口があるのだが、
その南口の隣、山側に一軒の蕎麦やがある。
前にも入ったことがあるのだが、公望荘、という。

看板には、洒落であろうが、
御手打天下御免、などと書かれている。

駅前なのだが、隣は寛永寺の墓地で向かいは
忍ヶ岡中学校で他にはなにもない。
ぽつんとあるのだが、よい蕎麦やである。

半端な時間なので、もりを一枚。


しゃっきりとした、うまい蕎麦。

と、これから、もう一回り、下見。

今日は、この後、内儀(かみ)さんと待ち合わせて、
根岸の豆富料理屋、笹乃雪へ行くことにしていた。

6時のつもりだったが、5時半前には終わったので、
早めに内儀さんを呼び出す。
(内儀さんは御徒町で買い物をしていたので
JRできた。)

店で待ち合わせ。

場所は、ちょっと、言葉で説明しようとすると、
むずかしい。

尾竹橋通りと尾久橋通りの交差点角。
これ、わかる人はわかるが、わからない人には、まるで
わからないか。

鴬谷北口から出て、真っ直ぐ。
言問通りをくぐって、さらに真っ直ぐ。
T字路の左角。

笹乃雪。
創業は1691年(元禄4年)。京都の宮様について、
江戸へ下り、ここに店を開いた。
絹ごし豆腐の元祖、ともいう。

実は、私はここの店にくるのは、初めてなのだが、
ここの豆富自体は、牛込神楽坂のスーパーに置いてあったので
よく買って、食べていた。(今は置いていない。)

濃厚で、うまい。

大きな店なので、コースで個室、宴会、というのもあるが、
予約はなしで、入れ込み座敷、というのも
ここはあり。

予約なしで、二人で入る。
下足のお爺さんがいて、札をもらって上がる。

緑と水が見える広い座敷。

数組の先客もある。

ビールをもらって、ばらばらと注文をする。
焼鳥、刺身、などもあるが、基本は豆富づくし。
一通り、頼んでみる。

あんかけと、白和え、右上が飛竜頭。


あんかけは、小さなお椀で二つ一組で出すのが、
この店の仕来たり。
なんでも、上野の宮様(寛永寺のトップであり、天台宗のトップ。
輪王寺の宮)がおいしいので、おかわりは面倒なので、
次からは、二つずつ出すようにお言葉を賜った、と、いう。

溶きからしが落としてある。
味は?

これは、完全に私の好み、なのだが、
ちょいと、甘い。
出汁は、うまい。

黒いお盆が、白和え。
お盆の上で、混ぜてください、という趣向。
真ん中が、和える素の豆富。
まわりにあるのは、生麩、やら、青海苔など。

飛竜頭は、がんもどきのことだが、
これはもう、がんもどきとはいえないくらい、
ふわふわで、味も染みて、うまい。
やはり、元の豆富、豆乳が濃いのであろう。

かけ豆腐。


しょうゆだけをかけたもの、という。
椎茸と鶏肉入り。
やはり、豆腐がうまいので、うまい。

さらに、ばらばら頼んで、
ごま豆腐。



そして、冷奴。


(お銚子が、店の名前入り、だが、ちょいと、乙。)

やっぱり、色々するのもよいが、
ここの豆腐は、奴が一番うまい、か。

しょうゆだけで、十二分。

うまかった。

帰りに、いつも買っていたパック入りの豆富と
卯の花を買う。

店の前に、今でも地下からくみ上げて豆富作りに使っている
という、井戸水が流れている。

呉竹の里と呼ばれた、風流地、根岸も、今は昔。
だが、ここだけ、ほんの少し、昔の面影が
しのばれる。



蕣(あさがお)に朝商ひす笹の雪 子規

蕣の入谷豆腐の根岸哉 子規


(笹乃雪は、子規庵からも、目と鼻の先、である。)


公望荘
台東区上野桜木1-16-68
03-3822-2288


笹乃雪
台東区根岸2-15-10
TEL:03-3873-1145







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