断腸亭料理日記2011

浅草・どぜう・飯田屋

5月15日(日)

今日は、次の土曜に迫った『講座』の最終の
下見、その他に出る。

前に書いたように、今回は、八丁堀。

午前中は、資料の最終チェックをし
13時すぎ出て、日比谷線、仲御徒町から乗る。

岩本町、小伝馬町、人形町、茅場町、八丁堀、
で、ある。

こう書いてくると、日比谷線は、いかにも
江戸らしいところを通っている。

コースを、ゆっくりと見て歩く。

天気がよい。

風があるので、爽やかだが、
日なたでは、日差しが強い。

今回のコースでは、隅田川まで出るが、
川沿いのテラスは、気持ちがよい。

一回りして、再び、八丁堀駅に戻ってくる。

再び日比谷線に乗って、上野。
上野で、ちょいと用足しをして、今度は銀座線に乗って、
田原町まで。

やはり『講座』の準備ではあるが、
雪駄の踵直し。いつもの、ひさご通りの、履物や
まつもとへ。

履く機会は、ほぼ、この『講座』だけであるが、
二回ほど履くと、もう張替えが必要になる。

若主人に直していただき、出る。
一応、やろうと思ったことは片付けた。

なにか、ちょいと、食べたい。

16時頃と、ちょっと半端。

なにに、しようか。
ここからだと、蕎麦やの、おざわ
あるいは、この季節になってくると、どぜうもいいか。
どぜうは、このところ、駒形、が、多かったが、
このあたりなら、飯田屋もある。

国際通りを渡って、合羽橋本通りに入って、
左に曲がって、おざわ、を見てみると、
暖簾が出ていない。

確か、日曜もやっていたはずだが、
半端な時間はやっていない、か。

と、なれば、飯田屋、で、ある。

ここへ、一人で入るのは、初めてかもしれない。

こういうところは、半端な時間もやっているのが
よい。

開けて入ると、下足のおじさんがいて、
煙草吸いますか?じゃあ、二階へ。

木札を渡され、二階へ。

二階も入れ込みの、藤(とう)の簾を敷いた座敷。

席は適当に、埋まっている。

ここは、創業は明治。
現主人で、四代目、という。
また、飯田屋といえば、元祖断腸亭、荷風先生が
出かけた、とも、いう。

座って、ビール。
エビスの大瓶。

注文は、やっぱりここでも、どぜうの丸鍋。
下町のどぜうやでは、もうこれ以外あり得なかろう。


と。

うなとろ。

これ、なにかといえば、うなぎと、とろろ。
文字通り、うなぎの蒲焼に、とろろのかかっているもの。
精の付くもの二種の取り合わせといったところであろう。

私自身は、食べた記憶はなく、
今は、あまり見かけない料理だが、
以前は、東京では、一般的なものだった、と、
思われる。

先日いった、駒形のむぎとろでも、
メニューにあって、ちょっと気になっていた、
のである。

この飯田屋は、どぜう、が、看板であるが、
駒形どぜう、なんぞもそうだが、どぜうやも、
基本は、川魚料理やで、うなぎも置いている。

そういえば、逆に、うなぎやには、置いていない。
よく考えると、ちょっと、不思議ではある。
なぜであろうか。

ともあれ。
頼んでみよう。

丸鍋は、すぐに、くる。


ねぎをしこたま入れて、煮る。


煮えたそばから、食べる。

ん?

駒形よりも、気持ち、骨が硬い感じ、ではあるが、
十分に、うまい。

ねぎを足しつつ、食べる。

うなとろ、も、きた。


とろろの上には、わさび。
とろろの下には、一口にきざんだ、うなぎの蒲焼。

しょうゆをかけて、軽く混ぜて、食べる。

とろろは、なかなか、よいもののようで、
腰が強い。

とろろにしても、うなぎの蒲焼にしても
とても馴染み深いもの。

それを合わせだけ、といえば、それっきりだが、
なかなか、うまいもの、ではある。

まんぞく、まんぞく。

階下へ降りて勘定。

ご馳走様でした。





台東区西浅草3−3−2
03-3843-0881



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