断腸亭料理日記2011

八丁堀から、

洋食・銀座みかわや その2

5月2日(月)夜

引き続いて、八丁堀から銀座まで。

首都高の京橋ジャンクション、の、
脇を抜けて、右に曲がると、昭和通り。

現代の住居表示では、この京橋ジャンクションを
すぎれば、もう銀座、で、ある。

銀座一丁目の西の端っこ。

昭和通りに出て、新京橋の信号で向こう側に渡る。

おそらく、この路地の左側が三十間掘。


より大きな地図で 断腸亭料理日記・三ツ橋 を表示



左に、小さな路地があって、その次の左の路地で
三十間掘は直角に左に曲がっていたと思われる。

しかし、よくよく考えると、不思議である。

三十間掘はこうして京橋川に直接注がずに、クランクし、
楓川に直接つながっていたのであろうか。

とても、妙ではないか。

なにか、わけがありそうではあるが、
今日は深追いはやめよう。

ともかく。

ここまでくれば、三越裏の、みかわやは、もう
目と鼻の先。

10分ほど時間があるので、脇にあったコーヒー店に入り、
一服。

一服して、みかわやまで。

この、銀座のみかわやは、銀座三越の裏で、長らく
一軒やの洋食やを出していた。

明治の頃に開業し、その頃は、食料品店で、
洋食屋としての創業は、戦後という。

蔦が生い茂っていたいた記憶があるが、
歴史を感じさせる建物だった。

私も、社会人になってから、友人だったり、
内儀(かみ)さんだったりと、なん度か足を運んだ
記憶がある。

数年前、この三越裏の再開発で一度この店は閉じ、
別の場所で営業していたが、三越の別館とともに
昨年、再開店していた。

三越の別館と建物は同じだが、玄関は別、という
一軒やであったという、こだわり、というのか、
気概というのか、を、見せている。

店に入り、名前をいう。

さすがに、真新しい。

お二階へ、というので、螺旋の階段をあがると、
内儀さんは、もう先にきていた。

座って、ビールをもらう。

オーダーと一つは、ポーク・カツレツ、というのは、
決まっていた。

なぜかといえば、むろん、池波御用達メニューだから。

あとは、二人前のボールのサラダ(店のメニュー名は“サラド”)と、
内儀さんには、カニクリームコロッケ。

ビールがきて、ちょいとつまむ、チーズを持ってきてくれた。


ボールのサラダは、きれいな二皿に、取り分けてくれた。


そして、ポーク・カツレツ。


池波先生が、銀座日記で

「終わって[みかわや]へ行く。ポーク・カツレツ、御飯、
サラダ。前から考えていたのだが、この店のポーク・カツレツは、
ロースの脂(あぶら)がたっぷりついていて、
むかしの洋食屋のそれを略(ほぼ)再現している。」

(『池波正太郎の銀座日記』[全]新潮文庫)

と、書かれている。

ナイフを入れてみると、なるほど、
脂がしっかりと、存在感をもって、ついている。

だが、細かいパン粉で、揚げあがりも香ばしく、
これは紛(まぎ)れもなく、とんかつ、ではなく、
ポーク・カツレツであることを、主張している。

添えられているのは、味付けは軽めだが、
デミグラスソースである。
これも、うまい。

ご飯も食べて、ご馳走様でした。

店が新しくなり、なんとはなしに、不安を抱きつつきたが、
十二分に、うまい洋食。
ひと安心。

さてさて。

2クール目に入った『講座』、
次回は、どんなことになるやら、で、ある。




みかわや

中央区銀座4-7-12
03-3561-2006




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