断腸亭料理日記2011

鶏丼

5月15日(日)朝

さて。

日曜日。

実は、昨日から、米の飯、ご飯が食べたかった。

こういういい方は、いささか、妙ではあるが、
拙亭では、まあ、ご飯というものは、一週間に
一回も、炊かない。

家には子供はないし、ウイークデーは内儀(かみ)さんも私も、
外にしても、内にしても、それぞれ勝手なものを食べている。
家でなにか食べる場合も、呑む方が主なので、飯は
食べない。

土日も、二人とも、あまり、飯に執着しないせいか、
昨日の夜なども、炊かなかった。

だが、昨夜、遅くなって、米の飯が、食べたくなった、
のである。

深夜、米の飯を食べるのも、身体には、あまり
よくなかろうし、浸水だけして、置いておいた。

朝起きて、ご飯を炊くのはよいのだが、
おかずは、なににしようか、考えた。

昨日の朝、カレーうどんを作ろうと思った時に
冷凍庫から、凍っていた鶏肉を解凍してしまって
いた。

これで、なにかしようか。

甘辛の鶏の丼はどうであろうか。

ふむ、ふむ。

鶏肉と書いたが、もも肉のから揚げ用に切ったものと、
もう一つあり、こちらは、鶏皮、で、あった。

焼鳥丼のようなものにしてもよいか。

焼鳥のたれ。

これは、冷蔵庫に、自家製のものが
ストックしてある。

これは、鶏皮なぞの煮た後のつゆを、煮詰めて
とろとろにしたもの。

鮨やでは、煮穴子の煮汁を煮詰めた甘いたれを
ツメ、などといっている。穴子だったり、煮はまだったりに
塗って出す、あれ、で、ある。

これも作ってあるが、その鶏版、で、ある。

せっかく、皮があるので、このたれを、少し増やそうか。
あまり使わないでおくと、わるくなる。

ジャムの空き瓶に入れてあり、冷蔵庫から出すと、
ゼリー状に固まっているので、レンジで軽く温め、
緩め、鍋に入れる。

この状態でも、トロトロ、なので、水と酒を加えて
多少、うすめる。

ここに、一口に切った、鶏皮を入れ、煮る。
煮出して、鶏皮は、鶏皮で、食べよう。

とは思ったが、つゆは薄めてはいるが、
そうとうに濃いので、すぐに色が付いてくる。

適当にあげる。

あげてはみたが、鶏皮はまだ、脂が落ちそうなので、
皿に移し、レンジ加熱、1分。
脂を落とし、出てきた脂は、鍋に戻す。

ふむ。

このたれ。

先のもも肉を焼き鳥にしてもよいのだが、
このつゆで、そのまま、軽く煮てしまったら
簡単である。

そうしようか。

やはり、味が濃いので、鶏肉に火が通ればよいだろう。
同時に、ここで、ご飯を炊き始める。
これは、電気釜ではなく、いつも書いている、
ホーローの鍋で、ガスで炊く方法。
(もとは、京都吉兆のレシピから、で、ある。)

浸水さえしてあれば、15分で炊きあがる。

先に、鶏肉の方ができたので、火だけを止めて、
置いておく。

15分後、軽く、焦げくさいにおいがしてきたら、
炊きあがり。火を止めて、蒸らしを6〜7分。

OK。

丼に飯を盛って、たれで煮た鶏肉に、
先に煮出した、皮も少しのせ、さらに
たれを上から、かける。

京都の柴漬けと、同じくちりめん山椒も出す。


こんなものだが、いや、こんなものだから、
うまい。

もちろん、ポイントは、たれ。

たれが濃く、煮詰まったものになっていれば、
うまい焼き鳥にもなろうし、こうして、丼にしても、
うまい、のである。

ばくばくと、掻っ込む。

うまかった。

さて。

さっきの煮汁、というのか、たれ。

再度、トロトロの状態に戻しておかなければ
ならない。

これはどうするかといえば、ひたすら、
煮詰める。

灰汁(あく)が出てくるので、すくう。

焦げ付いたらダイナシなので、これだけは
気を付けなければいけない。

トロトロまで煮詰めて、再び、瓶に戻す。







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