断腸亭料理日記2012

上野・中国東北地方料理・故郷味

4月5日(木)夜

排骨、と、いうのをご存知であろうか。
パイコウ、または、パーコー。

中華のパーコー麺、パーコー飯、といえば、お分かりになろう。

先週の、水餃子、つながり。

つながり、と、いっても、まあ、
さほどのつながりでもない。

水餃子は中国の黒酢、香醋で食べた。

あの時に書いたが、その鎮江香醋。
鎮江というのは、上海の北隣の江蘇省。

このあたりを調べていて、無錫排骨という料理が出てきた。

無錫というのは、やはり、江蘇省の都市だが、上海からもほど近い。
無錫旅情なんという演歌もあった。
そこの名物である、という。

そもそも、排骨とはなにか。
豚の骨付きばら肉。
スペアリブのこと。

日本では、パーコー麺というと豚ロースの
こともあるがこれも本来は、骨付きばら肉が
正しい、ということ。

無錫排骨という料理は、排骨を揚げて、さらに
煮込んだものという。味はしょうゆ味。

この無錫排骨という料理を意識して
食べた思えはないのだが、数年前に香港で
煮込んだ排骨を飲茶の店で食べて、
うまかった記憶がある。

これを思い出して、食べたくなった、のである。

しかし、ピンポイントでこれを食べたい、
といって、そうそう人気のあるメニューでも
ないのだろう、なかなか、見付からない。

また、どうもやはり、排骨の料理は、点心というのか、
そう高級な料理ではなさそうである。

捜していて見つかったのが、近所、上野の

故郷味(ふるさとあじ)、という中華料理店。

さほど古い店ではないと思うが、
中華串焼きの店として、最近有名のよう。
存在は知っていたが入ったことはなかった。

先日、羊の串焼き、満州風を焼いたが、あれが看板のよう。

この店に、無錫排骨ではないと思われるが、
排骨そのものの料理はありそうなので、
帰りに寄ってみることにしたのである。

場所は御徒町駅から春日通りを渡り、
上野に向かって右側、線路から二本目の通りを
北上し、ちょい歩いて右。

入ると、なかなか、にぎわっている。
一階は一杯で、二階へ。

座って、ビール。

と、すぐ、お通しのような三皿が出された。


皿数が多いのは、ちょっと韓国料理屋のよう。

ちょっと辛目の千切り大根の甘酢漬け、
めかぶ。これも唐辛子がまぶされている。
それから、ピーナッツ。

メニューを見る。

と、案の定、と、いうべきか、やはり、
それらしいものはない。
排骨は、ここお得意の串焼き。

じゃあ、これと。

それから、かわりに、背骨なにやら、というやはり、骨?
セボネ、で、あろうか、これも頼んでみようか。

そして、お得意の羊肉串。

羊肉串、は、すぐにきた。


味付けは、クミンだけではなく、
カレー粉の味もする。
うまい、うまい。

背骨。


文字通り、背骨、で、ある。
それも、山盛り。

やはり、手づかみで、しゃぶる、のであろう、
ビニールの手袋もついている。

味付けは、薄いしょうゆ味。
かぶりついて、骨のまわりについた肉を食べる。

最後に、排骨の串。


かぶりついてみると、唐辛子味噌。
朝鮮半島のコチュジャン、の、ようである。

なるほど。
ここは、中国料理は中国料理だが、朝鮮族の中国料理。

ばら肉なので脂もあり、うまい。

串ものと、背骨。

見た目には、ちょっと引いてしまうが、
こういうものが、うまい。

ご馳走様でした。

この店、なるほど、なかなかうまい。
串メニューもまだまだあるし、他の料理も、
うまそうである。

また来よう。

さて。

それにしても、無錫排骨、
どこで食える、のであろうか。





台東区上野6-2-7 キングビル

故郷味







断腸亭料理日記トップ | 2004リスト1 | 2004リスト2 | 2004リスト3 | 2004リスト4 |2004 リスト5 |

2004 リスト6 |2004 リスト7 | 2004 リスト8 | 2004 リスト9 |2004 リスト10 |

2004 リスト11 | 2004 リスト12 |2005 リスト13 |2005 リスト14 | 2005 リスト15

2005 リスト16 | 2005 リスト17 |2005 リスト18 | 2005 リスト19 | 2005 リスト20 |

2005 リスト21 | 2006 1月 | 2006 2月| 2006 3月 | 2006 4月| 2006 5月| 2006 6月

2006 7月 | 2006 8月 | 2006 9月 | 2006 10月 | 2006 11月 | 2006 12月

2007 1月 | 2007 2月 | 2007 3月 | 2007 4月 | 2007 5月 | 2007 6月 | 2007 7月

2007 8月 | 2007 9月 | 2007 10月 | 2007 11月 | 2007 12月 | 2008 1月 | 2008 2月

2008 3月 | 2008 4月 | 2008 5月 | 2008 6月 | 2008 7月 | 2008 8月 | 2008 9月

2008 10月 | 2008 11月 | 2008 12月 | 2009 1月 | 2009 2月 | 2009 3月 | 2009 4月

2009 5月 | 2009 6月 | 2009 7月 | 2009 8月 | 2009 9月 | 2009 10月 | 2009 11月 |

2009 12月 | 2010 1月 | 2010 2月 | 2010 3月 | 2010 4月 | 2010 5月 | 2010 6月 |

2010 7月 | 2010 8月 | 2010 9月 | 2010 10月 | 2010 11月 | 2010 12月 |2011 1月 |

2011 2月 | 2011 3月 | 2011 4月 | 2011 5月 | 2011 6月 | 2011 7月 | 2011 8月

2011 9月 | 2011 10月 | 2011 11月 | 2011 12月 | 2012 1月 | 2012 2月 | 2012 3月 |

2012 4月 |


BACK | NEXT |

(C)DANCHOUTEI 2012