断腸亭料理日記2012

小島町・路麺・アズマ

3月12日(月)朝

さて。

月曜日、朝。

一週間のスタートは、拙亭ご近所の路麺、アズマ

路麺。

以前からこのページを呼んでいただいている方には、
毎度お馴染みであろうが、最近の方(?)のために、
書いておきたいもの。

路麺とは、まあ、早く言えば、立ち喰いそばや、のこと。

ブランドショップなどの路面店からの
造語ではある。(作者は私ではない。)

道路に面した、そばやで、路麺、で、ある。

私自身がさらに加えて、定義に入れているのは、
立ち喰いそばやは立ち喰いそばやでも、チェーン店ではなく、
個人営業のところ。
(あとは、東京の、というのが、入るかもしれない。)

立ち喰いそば、といえば、駅蕎麦、なんという言葉もあるくらいで
駅ナカ、というのが最もポピュラーかもしれない。

首都圏でもJR、私鉄を問わず多くの駅にあるだろう。
(そういえば、地下鉄には、なぜかない。)

また、駅以外で、都心部で考えてみると、多くは、チェーン。
Fそば、だの、Kそば、だの、お馴染みであろう。
いたるところにある。

チェーンではなく、個人営業の立ち喰いそば、などあるのか?
見たことないぞ、と、思われる方も、少なくないのでは、
なかろうか。

いや、それが、そう多くはないが、確かに、ある、のである。

私の住む、浅草や上野。
それから、神田、日本橋、新橋といったあたり。
古い下町というのか、昭和30年代あたりまでに、
すでにオフィス街だったところ、という定義が適切なような
気もするが、そんなところの路地に、点々と、ある。

起源はやはり、戦後の焼け跡までさかのぼるのかも
しれない。
簡易に立って喰わせる、そばや。

それこそ、落語、時そば、ではないが、昔の
荷売りの蕎麦やが姿を変えたもの、という言い方も
できるのかもしれない。

そう多くはない路麺、なのだが、いたってレベルは高い。

生そば茹で立て、は、いうに及ばず、自家製麺の店もあり、また、
立ち喰いをばには付き物の、天ぷらも種類が豊富、
なんと、注文が入ってから揚げるという、完全揚げたての店、
まである。

むろん、凸凹はある。
しかし、どこも同じ内容のチェーンとは違い、
個性があり、どうにかしてお客にまた来てもらおうと、
心を込めて、一杯のそばを出している店がほとんど。
チェーンではあり得ないことが、個人営業だから、
行われている。

そんな、愛すべき東京の路麺をまとめたページ。

路麺

(人形町そば好、神楽坂梅田は現在はなくなっているのを
少し前に確認。この1年以内に足を運んでいるのは、アズマ以外では
浅草千束ねぎどん、田端かしやま、あたり。
それ以外はこのところご無沙汰のため、
営業しているかどうかは未確認ではある。)

路麺というのは、土日休みがほとんど。
また、路麺の基本は、朝飯、なので、営業は夕方まで。


先に書いたように、私の住む近所、
浅草、上野、秋葉原、浅草橋で囲まれた、
四角形の区域には、路麺は特に多いように思う。
以前はもっとあったのかもしれない。

個人営業だからか、立地を考えてできてもいないのであろう。
大きな交差点の角はまだいいのだが、
半端な路地裏に、いきなりあったりする。

そうそう、この四角形の地域には、生麺、茹で麺などを作っている
製麺所も、なん軒かある。東京のラーメンフリークの方なら
ご存知かも知れないが、中華麺では名代の浅草開花楼は、
元浅草、拙亭ご近所にある。

その中で、最も拙亭に近い路麺が、アズマ、という店。

大江戸線新徒町駅至近。
清洲橋通りと春日通りの交差点、南東角にある。

ここには、毎日ということはさすがにないが、
週に2回以上は、まず間違いなく、朝、寄ってから
大江戸線に乗る。

路麺というのは、ほんとに立ち喰いで、5〜6人も立てば
一杯、というところもあれば、カウンターだが、一応
スツールはある、というところもある。

アズマは、そういう意味では少し大きい方かもしれない。
20席以上はあろうか、椅子がある。
働いてる、おいちゃん達は、4人ほど。

特徴は、というと、、、う〜ん、意外に、ない。

天ぷらは揚げ冷まし。
そばは茹で麺。

つゆが(しょうゆで)濃い、くらいが特徴、か。
(この界隈、下町ののそばやは、すべからく皆、濃いが。
まあ、平均値の路麺、ということになるか。)

今日は、春菊天そば。



370円也。

例によって、衣が柔らかくなり、つゆに溶け出したものを
そばとともに、すする。

濃いつゆとともに、朝の腹に染み渡る。


ご馳走様〜。






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