断腸亭料理日記2012

吾妻橋・うなぎ・鰻禅

3月18日(日)夜

引き続き、日曜日。

夜、なにを食べようか、内儀(かみ)さんと
相談をするが、なかなか決まらぬ。

まあ、日曜日というのは、大方の店は、
休み、なのである。

パラパラとグルメ本(老舗のB社のもの)を見ていると、
迂闊(うかつ)と、いうべきか、ご近所なのに、
行ったことのない店を見つけた。

うなぎや、なのだが、本所吾妻橋の鰻禅、と、いう。

こちら浅草からだと、吾妻橋を渡って、
左手にアサヒのビルをみて、前の道を真っ直ぐ、
浅草通りというのか、清澄通りに出る前の左手。

このあたりは、むろん以前からちょろちょろしており、
この並びには吾妻橋藪蕎麦、も、あり、よくきていた。

というわけで、ここに、うなぎやがあるのは、
知ってはいた、のである。

どんなものか、行ってみねば。

うなぎはちょっと久しぶりかもしれぬ。

やはり、寒い時期は頭に登らないもの、
かもしれぬ。

本によれば、注文が入ってからうなぎを割く、という。

6時前、TELを入れてみると、大丈夫ですよ、
と、いうので、内儀さんとともに、タクシーで向かう。

ほんの小さな店。

暖簾を分けて入ると、カウンターに二人、
テーブルに3人と2人。
奥の小上がりに2人。

我々が入って、満席、ということか。

割くところから始めるので、時間が掛かるのであろう、
皆、お新香などで、呑んでいる、という状態。

奥の小上がりに座る。

これは気長に待つことにしよう。

南千住の尾花。

このうなぎが焼けるまでの待つ時間がよい、
ということを書いたことがある。

落語などにも出てくるが、本来はうなぎやといえば、
待つものであった。

明神下神田川の押入れには碁盤と将棋盤が置いてあった。

その時間、お新香で呑んで待っている。
これも落語に出てくるが、ある種のうなぎやでの
スタイルであった。

私などは、他のつまみを頼んでしまうが、
池波先生などは、お新香“のみ”で呑まなければ
いけない、と、書かれていた。

肝吸い付きのうな重を頼み、上新香をもらって
ビールを呑み始める。


お。

焼鳥もあるようだ。

教えには反するが、頼もう。

しかしまあ、尾花、などでもそうだが、
うなぎがくる前に、おおかた、出来上がってしまう。

2人でビール2本。
いい具合、で、ある。

と、サービス。


尻尾のねぎ巻、という。

ん!。

これ、ばかうま。

鰭(ひれ)焼きというのはよくあるが、
その中にねぎを入れて焼いてある。

乙なもんである。

焼鳥も登場。


これも、うまい。

そして、待ってました、
真打登場。


うな重。

山椒をふって、食べる。

焼鳥もそうであったが、しょうゆの立った
味付け、で、ある。

こんがり。

飯も、うまい。
ハフハフと、掻っ込む。


待ったかいがあったというものである。

ご馳走様でした。



私なんぞ、ご近所。
今度はウイークデーにこようか。




03-3624-0475
墨田区吾妻橋1-19-12





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