断腸亭料理日記2012

鯵の干物と、とろろ汁

10月23日(火)夜

さて。

今夜は、鯵の干物。

鯵の干物ごときで、ことさらにここに書くほども
ないのであるが、これは自分で干して作ったもの。

日曜日、例のアメ横の魚やで大きな鯵が、5匹で
毎度お馴染み、500円。

これを買ってきたのであった。

二匹を刺身に。

一匹を、叩いて味噌とねぎを混ぜ込み、なめろうに。

そして、さらに二匹あまった。

夏であれば、白焼きにして、煮びたし、というのもうまい
のだが、もうそんな季節でもないか。

そこで、思い付いたのは、干物。
ご存知、鯵の開き。

随分以前に、やはり鯵をたくさん買って、
あまったものを干物にしたことがあったが、
最近はご無沙汰、で、あった。

たまにTVなどで、伊豆などの干物産地で
小母さん達が、驚くべき速さで、開いているのを
視たりする。

ともあれ、まずは、出刃包丁の刃を入れやすい腹に刃を入れ開き、
はらわたを出し、軽く洗う。
次に、刃を腹から、尻尾に向かって、
中骨の上に刃をあてて動かす。

これで尻尾側半分は開いた形。

今度は、包丁を逆手に持って、腹骨を中骨から切りながら
頭側へ開く。

最後に頭の骨を二つ割りに包丁を入れ、開きの完成。

一応これで開けることは開けるのだが、
プロはどうしているのであろうか。おそらく、もっと手際のよい方法が
ありそうであるが、私の場合はこんな感じがやりやすい。

鯵の開きは、この後、塩水につけて、干す。

身の方に塩をふって、パッドに水を張ったところに入れ、
少し漬けて、あげてみた。


もう一匹。

このままベランダに干しておき、
翌、月曜の朝、取り込んで、軽くラップをして、冷蔵庫に
入れてあった。

そこから丸一日半、経っている。

で、オフィスからの帰り道、
鯵の干物だけではなんなので、もう一品、なにか、
と、考えた。

白和えは面倒だし、大根おろしか胡麻和えのような、軽いもの。

そうだ。大根おろしといえば、池波レシピだが、練り梅を和えた、
その名も“浦里”という乙な名前がついているものがある。
(これは、かの吉原縁のもの。)
このところ作っていなかったのだが、どうだろうか。

100円コンビニをのぞくと、今、大根も安い。
1本100円だ。

が、一本買ってももてあます。
お!。そうだ、とろろ、なんかどうだろう。

とろろ汁。

とろろ、というのも、たまに食べたくなるもの。
鯵の干物にとろろ汁、なんというのは、ちょいと乙ではないか。

ハナマサで長芋を買って帰宅する。

とろろ汁には、だし汁を使うが、これは、先日のカレーうどんに
使ったものがまだ、残っており、冷蔵庫に入れていた。

従って、とろろをおろすだけ。

おろしがねで、ひたすらおろす。

おろしたものは、あたり鉢に入れ、だし汁、全卵、
酒、しょうゆを合わせ、味見。

OK。

さて。

鯵の開き。


冷蔵庫から出したところは、こんな感じ。

見た目には、よさそうであるが、どんなものか。

ガスのグリルで、焼く。

二枚で仕上がりに違いが出ていた。
焼いてみると、一枚は水の出方がちょっと少なく、生っぽいが、
もう一枚は、まあまあ。


この写真はよい方。

ビールをあけて、食べる。

脂もなかなかあって、うまい鯵の開きになった。

とろろ汁。


縮尺がわかりずらいかもしれぬが、あたり鉢一杯で、
けっこうな量がある。

味は、もうなん度も作っているので、いつもの味。
他になにもなくとも、とろろ汁だけで呑むのも、私は好き、で、ある。

鯵の干物。わざわざ自作することもないが、
鯵の場合、生を塩焼きにするよりも、うまい、かもしれない。





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