断腸亭料理日記2012

上野・とんかつ・ぽん多本家

10月14日(日)夜

さて。

日曜日。

今日は、内儀(かみ)さんがカキフライが
食いたいという。

前にも書いたが、フライものであれば、
浅草観音裏のグリルグランド、なのだが、日曜は休み。

どこがよかろうか。

うん!。上野のぽん多

ここはとんかつや、だが、いかフライだったり、
魚介系のものも看板である。
カキフライは食べたことはないが、
うまいに違いない。

昼すぎ、髪を切りに仲御徒町へ出る。

今日はちょっと前向きに、徒歩。
素足に下駄を突っかけて、久しぶりに落語を
さらいながら歩く。

ねたは、大工調べ。

一度覚えたのだが、人前でやれるほどにはならず
それっきりであった。

私には荷が勝っているが、もう一度稽古をし直して
演ってみようかしら、、。

ともあれ、久しぶりにさらってみると、たのしいもの、
で、ある。

仲御徒町のQBで髪を切って、
近くなので、ぽん多までまわってみる。

4時から営業、と、札に書いて出してある。
OK。

松坂屋で買い物をして、帰宅。

さて。

5時頃、ぽん多へTELを入れてみると、
「二名様の予約は受けていないんですよ。
入れますからどうぞ、とのこと。」

5時半、出ようとすると、雨。

やはり、歩いて行こうと思ったのだが、
急遽、タクシー。

春日通りを真っ直ぐにいって、中央通りを左に曲がって、
松坂屋の先。
まあワンメーター。

入ると、お二階へ〜。

席は6〜7割埋まっているが、電話の通り、座れた。

ビールをもらって、
メニューを見る。

カキフライ、カキフライ、

カキフライ?。

ないぞ?!。

ホワイトボードやら、張り紙やら、まわりを見渡しても、
そういうものは、ない。

まさか。

内儀(かみ)さんがネットで調べて、
確かに書いてあったという。

注文を取りにきたお姐さんに聞いてみると、
今年は温かくて、まだ牡蠣が小さくて使えないんですよ、
という。

この前、10/1、浅草六区のヨシカミ
でもなかったが、やはり、そういうことであったか。

それじゃあ、いつもの、いかフライと、カツレツ。
これでよいだろう。

ビールとお通し。


ここのお通しは、いつも違うのだが、
蛤のフライだったり、ちょいと気が利いている。

今日のは赤貝の酢の物。

いかフライ。


塩で食べる。

薄い色でふっくらと揚げられた、肉厚で
柔らかいもんごういか。

これは、いつきても変わらず、うまい。

カツレツ。


創業が明治38年。
とんかつ発祥の街といわれる、上野界隈の
老舗の一つ。

洋食やのカツレツが独立し、とんかつとなった。

つまり、もともとは、とんかつやは洋食や。
とんかつ、ではなく、カツレツ、とメニューに書いているのも
その名残といってよかろう。

カツレツも薄い色。

ぶ厚いロース肉。むろん、きちんと火は通っているが、
ふっくらと柔らかく、うまい。

この皿の、一番右の上にあるのが、ポテトフライ。
じゃがいもをそのまま衣を付けてフライにしたもの。
下町では肉屋などでも売っていたお馴染みのもの。

そう。

池波先生はこれが大好きで、
子供の頃には、ポテトの正ちゃんで、
ポテ正、と仇名されていたという。

むろん、ここもとんかつ大好物の池波先生の
行き付け、池波レシピ。

先生はとんかつも、溶き辛子(からし)に塩で
食べていた。

ご飯と赤だし、お新香。

赤だしも、うまい。

腹一杯。

ご馳走様でした。

勘定は階下で。

今いうとんかつや、ともまた違う、
独特の世界を持っている店であろう。

店を出ると、雨はもうやんでいる。

帰りは錦糸町行きのバスで、元浅草三丁目まで。




台東区上野3-23-3
03-3831-2351



 



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