断腸亭料理日記2013

ISHIGAKI4.GIF - 14,031BYTES断腸亭の夏休み・

沖縄石垣島その4


さて。

引き続き、断腸亭の夏休み、沖縄石垣島。

初めての水中写真を続ける。


いきなり、現れて、ちょっとびっくり。
一本目で出てきた、ウミヘビ。


穴子やウツボのようにも見えるが、これは歴とした
爬虫類のヘビ。
縞模様がちょっと気持ちわるいような、、、。
こうしてうねりながら泳ぐが、動きは速い。

時折、息継ぎをしに水面に上がっていくのでヘビであることが
わかる。
かまれると毒があるので注意が必要であるが、
だいたいの場合は、向こうから逃げて行ってくれる。

このあたりにはいろいろなものが出る。

よく見かけるが、小魚の群れ。


なんだかは、わからない。


ちょっと斜めからだが、一応魚には見えるか。
名前はわからないが、ベラの仲間であろうか。
模様がお洒落である。

ブダイの仲間。

ちいさな海老なのだが、触角だけ出していて
これもなんだかわからないか。

さて。

ここからはサンゴ。

四種類程度のサンゴとエメラルドブルーの小魚が
写っている。

サンゴは白いものと紫のような二種の枝状のもの。
黄緑のモコモコしたもの、それから右側、薄いせんべえのような
同じく黄緑色のもの。

どれもサンゴ、だと思われる。

ここだけ小さくかたまっているが、これはちょっと淋しい。

時々TVなどでも取り上げられるのでご存知の方もあるやに思うが、
八重山に限らず、日本の沖縄、南西諸島一体は世界でも
有数のサンゴが群生する海であったのだが、近年急激に
その数が減ってしまっている。

書いている通り20数年前に私はこの隣の、西表の海に潜ったが
その当時、その種類と密度に驚嘆した。
色とりどり、ほんのわずかな隙間もなく無数の種類のサンゴで
海底は埋め尽くされていた。

それでも今の西表はこちら石垣よりもまだ残っていると聞くが、
こちらは、正直のところ、無残、という言葉があてはまってしまう。

このように生きているサンゴは、探さないといけないほどになってしまっている
のである。

サンゴがあれば、魚も多い。
探して撮ってみた。

口のとんがったこいつは、オオフエヤッコ。

上は皆、サンゴの死骸といってよいのであろう。

枝状のサンゴ。枝サンゴにもいろいろなものがある。

ちょっと大きな群落。

丸っこいのは、アケボノチョウチョウウオ。
やはりサンゴのあるところに魚が寄っているのがわかるであろう。

サンゴが急激に減った理由には二つのことが挙げられている。

一つは、海水の富栄養化によるオニヒトデの大量発生。
もう一つは海水温の上昇による、白化現象。

保護の動きもむろん活発でダイビングサービスの方々はシーズンオフには
オニヒトデの駆除を毎年続けていると仰っていた。
(以前は捕獲して処分していたそうだが、費用も手間もそうとうな負担で
今は、酢(酢酸)を注射しているという。)

また、環境省などによる継続した状況の把握
WWWFジャパンなど各種NPO団体による保護活動もある。

実際にサンゴ礁に潜り、見て楽しませてもらっている一(いち)ダイバーとして
見事なサンゴ礁がなくなってしまうのは悲しいことであると思う。
また、むろん、それだけでなく、世界でも稀有な自然遺産を持つ
国の国民として、現状の保護保全はもちろん、在りし日の高密度で
豊かなサンゴ礁に戻さねばならないと、切に思う。

潜る者は、サンゴには触れない。
これは絶対に守らねばならない。
私を含め、ヘボダイバーは、つい足を引っ掛けたり、
つかまったりしてしまうのである。

折れた枝サンゴが同じ状態を取り戻すのにはどのくらいの時間がかかるか。

欧米などに比べ、やはりアジア人はこのあたりに鈍感である。
フィリピン、セブのガイドなどはそこにいたオオムガイ(アンモナイトの
生き残りといわれる貝殻のあるイカ?)を獲って刺身で食べさせてくれた
ものである。
海で育った人は子供の頃からそうしていただけなのであろう。

だが、観光でいく我々は、別である。
自然に楽しませてもらうのであるから、そこへはなにも持ち込まない、
痕跡すら残さない、を原則としなければいけなかろう。

ニューカレドニアであったか、オーストラリア人(白人)のガイドは
徹底していた。私などが、寝ているウミガメに触ろうとしたら
こっぴどく叱られた。

バランスの問題はあるが、基本、なにも残してはいけない、
ということは自戒も含め、日本人ダイバーも強く肝に銘ずべきである。

さて。

一本目が終わって、川平湾に戻る。
と、黒い雲からは雨が落ちてきた。

湾の入江の定位置にボートを舫って、ランチ。


雨など降ると、気温30度を越えていても濡れた身体はさすがに体温を奪う。
むしろ、海に入っていた方が暖かいので、入江でシュノーケリング。

こんな岸近くの入江でもヒョイヒョイと、サンゴもあれば魚もいる。



イソギンチャクと共生する有名なクマノミ(ニモである)。
真上からではやはり、なんだかわからない。

左がイッテンチョウチョウウオで、右が先ほどのオオフエヤッコ。

 

明日につづく。

 





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