断腸亭料理日記2013

飯を炊いて根深汁

1月13日(日)朝

連休。

今日は、国立劇場に芝居を観にいくことにした。

朝飯。

飯を炊こう炊くことにした。
昨日の夜、炊こうと思い、米を研いで、
浸水をしておいたのだが、炊かずに寝てしまった。

おかずは、煮豚と煮玉子。

これは、書いていないのだが、正月、
ラーメンを作ったものの残り。

11月に鶏がらでラーメンを作った。

これは、まあ、そこそこラーメンらしいもの
に、なった。

今度は、とんこつを、作ってみようかと
思ったのである。

が、これは見事に失敗。

豚の骨を買ってきて、煮出してみたのだが、
まったくとんこつスープらしいものに
ならなかった。

原因はよくわからないのだが、
とんこつスープというのは、大量の豚の骨から
たいした量のスープは取れないという。

煮出しと煮詰めの時間が足らなかったのかもしれない。

その時に、煮豚と煮玉子も作っていた、その
残り、で、ある。

これがおかず。

飯はいつもの通り、鍋で炊く。

水加減は最初に電気釜で目盛りに合わせて量って
ホーローの鍋に移す。

私は堅めの炊き上がりが好みなので、すし飯の目盛りから
さらに最近は少なめにしている。

強火にかける。

味噌汁も作ろう。

冷蔵庫を見ると、たいした野菜もないので、
ねぎのみの、根深汁、にしようか。

池波作品『剣客商売』の大治郎が一人暮らしの頃
よくこのねぎのみの、根深汁、と飯と香の物
という飯を食べていた。

鍋に水を入れ、五分に切ったねぎを入れて煮立てる。
五分切り、などというが、五分は一寸の半分で、
1cm5mmほど。

ご飯の鍋が煮立ってきた。
一度火を止めて、杓(しゃ)文字で底から
かき混ぜる。
これは火の通りを均一にするため。

ここからは、ガス台のもっとも弱火の五徳で
もっとも弱火にかける。

ねぎの方は、煮立ってきたら、金網に鰹削り節を
詰め込んで、鍋にそのまま入れる。弱火。

金網は、どの家庭にもあるだろう。
お茶を淹れる急須の中に入っている、篭状のあれ。
出汁を取るのと、味噌汁の実を煮るのが
同時にできるので便利。

飯の鍋の方は、吹いてきて、水気がなくなれば
火を止める。

原則はそうなのだが、その前に焦げくさくなる。
焦げくさくなってきたな、と、思ったら
火を止める。

弱火にしてから15分程度。

あとは、そのまま蒸らす。

味噌汁の方は、ねぎが煮えて、出汁が出たら
火を止めて、味噌を溶く。

味噌は普通の信州味噌。

味噌汁、というのは、味噌のうまみ、アミノ酸が
飛んでしまうので、今は沸騰させないというのが
常識で、私も普段はそうしている。

だが、やはり、『剣客商売』の大治郎の根深汁も
舌が火傷をするほどの熱いもの、と、書かれている。

うちの親父もそうさせていたが、味噌汁を熱くする、
というのは、東京下町の習慣だったのかもしれない。

寒いし、やはり根深汁は熱い方がうまい。
今日は、軽く沸騰するまで加熱する。
OK。


香の物は、京都の柴漬け。

飯も堅めにちょうどよく炊き上がった。

根深汁、ねぎだけの味噌汁なぞ、あまり見向きも
されないかもしれぬが、十分にうまい。
やはり、ちょっと熱いのが、よい。






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