断腸亭料理日記2013

人形町・もつ焼き・カミヤ

6月11日(火)夜

5時半すぎ、半蔵門で仕事終了。

雨、で、ある。

蒸し暑い。

毎年、6月第一週の鳥越祭が終わると、
梅雨入り、なのだが、今年は梅雨入り宣言が
随分早かったが、空梅雨で、今週になり梅雨らしくなってきた。
結局、平年通りであった、と、いうことなのか。

さて。

どうしようか。

この界隈、半蔵門、あるいは麹町から帰るのは、
一本では帰れない。

このあたりで一杯、という選択肢は、まあなかろう。
ちょいと寄れるようなところも知らないし、
そう多くもなかろう。

半蔵門線で人形町までいこうか。

人形町はちょっと久しぶり。、
選択肢は、そこそこある。

梅雨らしい天気は水不足や田畑のためにはよいのだが、
やはりべたべたした蒸し暑さには閉口ではある。

人形町だが、なにがよかろう。

小春軒のような洋食やもよいが、やはり昼飯である。

もつ焼き、焼きとん。
カミヤにしようか。

カミヤはちょっと久しぶりかもしれない。

この人形町の店は後から知った。
おそらく暖簾分けなのであろうが、上野にある
カミヤへ先に行っていた。

水天宮前で半蔵門線を降りて、人形町通りを
人形町交差点まで歩く。

カミヤは人形町交差点を渡って少し左へ
行ったところ。

小さな店だがビルになっている。

6時前に着いた。
こういうところはやはり、早く入らなければ
だめである。

入るとすぐに奥に向かってカウンター。
もう既にカウンターは半分は埋まっている。

一人といって、カウンターの奥から三つ目の席に座る。

レモンサワー。

ここは、上野の店もそうだが、お通しには
小皿に大根やキュウリの糠漬けが出てくる。


これがまた、ばかうま。

もつ焼きは、ここは5本単位で頼まればならぬので
一人の場合は、盛り合わせがよい。

ここのもつ焼きは、やはり塩。


軟骨やら、レバやら、いろいろだが、
実によい具合に焼けている。

焼きとんやは、他にいくらもあるが、
この焼き具合は、随一ではなかろうか。

また、こういうものは、大きければよい、と、
いうものでもない。

小さ目に切られているのもまた、よい。

正直のところ、ここのもつ焼きがあまりにうまいので
自宅で焼いてみようと思ったのだが、
なかなかこういかない。

やはり、熟練の技、なのであろう。

カウンターに今日、初めて座って分かったのだが
焼いているのは、女性。
(それも比較的、若い。)

たいしたもの、で、ある。

ここの創業はどのくらいなのであろうか。

一説では昭和21年という。
よくわからぬが、昭和21年といえば、戦後すぐ。

人形町という街は、明治以降、基本花街であった。
花街自体は戦後にはすたれてしまったが
戦争でこの界隈、焼け残ったこともあり、
今でも、すき焼きの今半、日山、喜鮨、その他、
敷居のそうとうに高い老舗も数多いし、震災後の日本建築も
まだちらほらと残っている。

そんな街にもつ焼きというのは、いささか
下世話かもしれないが、戦後すぐにできたといえば、
うなづけるのかもしれない。

レモンサワーをもう一杯。

それから、つくねも。
これは、タレで。
お新香もうまいので、お通しとは別にもらう。


つくねは、3本がセット。


いや、うまかった。
十分に腹も一杯。

お勘定。

これで、2000円ちょい。

人形町カミヤ、ただ安いだけではなく、東京でも一級のもつ焼きや、
で、あろう。

ご馳走様でした。





中央区日本橋人形町3-7-14
03-3661-9873





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