断腸亭料理日記2013

断腸亭パリへいく。 その10

5月1日(水)

さて。

「断腸亭パリへいく。」珍道中。色々あったが、最終日となった。

5/1、メーデー。

今日は夜、二つ星レストランを予約している。
昼間はどこへいこうか。

凱旋門、エッフェル塔など、
超お上りさん的スポットは見た。

ルーブルは、半分は自分の責任だが、散々であった。

パリにある美術館というとメジャーどころでは
あと二つ。

オルセーとオランジェリー。

が!。

そう。今日はメーデーで、お休み。(嗚呼)

白状をすると、子供の頃から、日本画、洋画問わず、絵、というものに
私はほとんど興味がなかった。

が、まあ、大人になってから、いや、もっと最近であろう、
江戸というものを本気で調べ始めてから、
浮世絵をはじめ、江戸期の絵は、観るようになった。
そして、こちらの方は、興味もおぼえるようになりまた、
酒井抱一など江戸琳派などは好きになった。

しかし、そこまでで、洋画まで手が回らぬ。
依然として、印象派もなにも、わからないまま。

そんなことなので、オルセーもオランジェリーも
今訪問中のプライオリティーは低かったのではあった。
(ついでに白状をすると、オペラはおろか、クラシック音楽も
ほとんど無知である。嗚呼)

街としてはでまだ見ていないのは、サンジェルマン、
モンマルトル、あたり。

特段、私自身はどちらでもよいので、
内儀(かみ)さんのいうまま、今日はモンマルトルと、
決めた。


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また、サン・ラザール駅


からメトロ12号線に乗って5つめ、Abbesses駅で降りる。

モンマルトルの丘。

また、モンマルトルは芸術家が住んでいた街で、
パリにいくつかある丘のうちの一つ。
まあ、この程度の知識しかなかった。


Abbesses駅というのはモンマルトルの丘の中腹あたりのよう。

丘だからといって、メトロは登っていなかったようで
やたらと深い。

おもてに出るために狭くて急な階段を息を切らせて
上がってきた。

上がると教会のある小さな広場。

一先ずは、モンマルトルの丘の頂上にある
Basilique du Sacre-Coeur(サクレ・クール聖堂)を
目指す。

急な階段を上がと段々に眺めがよくなる。


サクレ・クール聖堂。


できたのは1914年で古いものではないよう。

聖堂からの眺め。



(角度の関係でエッフェル塔は見えない。)

見えた。



聖堂や聖堂付近の広場には観光客と観光客向けの
みやげものや、あるいは、芸術家の街だからということか
似顔絵描きがいる。
例によって、中国人が多く、また、みやげものやも、
たいしておもしろくもない。

さて。

一応、ここ以外にも、観るポイントはあるようなので、
丘を下りながらみてみようか。


坂を降りていると、風車のようなものがあった。

これはムーラン・ド ゥ・ギャレットという
今はレストラン。

ムーランは、風車のこと。
見た通り羽があるがこれが風車。

昔、この丘は風が強く、粉を挽く風車小屋が数多くあったという。
そして、この街がゴッホだのルノワールだの、印象派の画家達などの
住処であった頃、ダンスホールとしてにぎわっていた、とのこと。

それで彼らの絵の題材にもなっているよう。

さらに坂を降りてくる。


またまた商店街があった。魚や。


愛想のよい、お兄ちゃん。

ゴッホが住んでいたという、アパルトマン。


(特段ファンでもないので、だからなんだ、という気もするが。)

坂を降り切ると、Blanche(ブランシュ)というメトロの駅のある
ところに出た。

そこにあったのが、ムーラン・ルージュ。


ムーラン・ルージュは、見た通り、赤い風車という意味。

パリを代表するキャバレー。

フレンチカンカンやら、歌、ダンスをみせる。
著名歌手も出演する。

この角にあったQuickというハンバーガーのファストフード店へ
入って一休み。


すずらんの花をおまけでもらった。

これ、実はメーデーにちなんだもの。

昨日から街頭や駅で売っている人がいたので調べてみたら、
フランスではメーデーには、親しい人にすずらん(muguet)を贈る
のだそうだ。
この習慣はなんでもルネサンスの頃(16世紀)にさかのぼるものらしい。
贈られた人には幸運が訪れるという。まあ、縁起物のようなものか。

ファストフード店からの眺め。


パリの街というのは、どこをとっても絵になるものである。

ただし。

行かれた方はご存知だろうが、この界隈、いわゆる
風俗街のよう。

夜には一人で歩かないように、などとガイドブックには
書かれている。

ファストフード店を出て、隣のPigalle駅まで歩いてみると、
実際、ストリップのようなものなのであろうか、
その種の看板を出した店が軒を連ねている。

真っ昼間、内儀さんと歩いているのに
遣り手婆さんのような客引きのおばさんに声を掛けられた。
なかなか凄いもんである。




つづく。



 

 

 


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