断腸亭料理日記2013

浅草・むぎとろ

11月20日(火)夜

富山出張から6時半、羽田に戻ってきた。

さて。

なにを食べようか。

疲れたので、真っ直ぐ家に帰ろうか、とも思ったのだが、
昨夜は大阪駅で買った駅弁であったし、今夜は少し
うまい物を食べたい。

羽田から帰宅するには、モノレール経由、浜松町、
御徒町。御徒町から徒歩か、大江戸線というのが
いつものルート。

もう一つは京急から浅草線、蔵前で降りて徒歩。
京急経由は一本なのだが、こちらの方が時間がかかる。

ん!。

浅草まで行って[むぎとろ]で、麦とろをたべようか。

麦とろ、というのは、麦飯ととろろ汁であるが、
時として、食べたくなるものである。

浅草線の浅草駅は、東武の浅草駅よりも南にあり、
出口は蔵前通り(江戸通り)沿い。

出て、蔵前通りを少し南に下がればすぐに
駒形橋、西詰、駒形堂隣の[浅草麦とろ]。

麦とろというもの独断めずらしいものではないが、
うまいのものである。

全国的に有名なのは、私は食べたことはないが、
東海道鞠子宿のとろろ汁。

東京で食べようと思えば、どんな店があるか。

牛タンやがすぐに思い浮かぶが、
なぜ牛タンと麦とろが一緒にあるのであろうか。

仙台系の牛タンやには必ずあるように思うが、
そこからであろうか。

だが、どうせ食べるのであれば、専門店がよいであろう。

この[浅草むぎとろ]は昭和初期の創業。
当時は麦とろを出す一膳飯屋であったそうな。

今は麦とろを看板にした老舗割烹といってもよろしかろう。

自動ドアを開けて入り、一人、という。

ここに一人でくるというのは、まあ、あまりなかろう。

席を用意するというので、しばし待ち、エレベーターで
二階へ案内される。

お客のいない、テーブル4卓ほどの窓のない部屋。
他のお客はなし。

ここに一人はちょっと、寂しいような気もするが、
個室貸切と思えばよいか。

他の部屋から宴会でもやっているのか、
にぎやかな声が聞こえる。

座って、品書きを見る。

ビールになにか一品と、むぎとろ。

とろとろをかけた豚角煮を頼もうかと思ったのだが
時間がかかるとのことで、揚げたとろろを頼む。


奥が揚げたとろろ、下二つがお通しのようで
左が、とろろを蒸したものか、まんじゅうのあんかけ。

温かく上品な味付け。温かいのがうれしい。

右はまぐろであろうか、魚の甘辛い佃煮のようなもの。

上が揚げたとろろ。
つゆがかけられた揚げ出しというのか。
柔らかく揚げられていて、うまい。

ビールを呑み終わる頃、麦とろがきた。


麦飯、とろろ汁、味噌汁、お新香。

お新香にはとろろ芋の梅酢漬けがあって、
これがうまい。


蒸篭に盛られた麦飯を取り、とろろ汁をかけて、
青海苔を散らす。

これをかき混ぜて、ツルツルと、流し込む。

麦飯にとろろ汁、と、いうのは、どうして
こんなにうまいのであろうか。

また、ここのとろろ汁は、大和芋なのであろうが、
味付けがまたよい。

うまい、うまいでいくらでも入る。

ここはお代わり自由であるが、そうそう
食べすぎてはいけない。

せいろ一盛分を食べ終わる。

焙じ茶と山芋で作った、口直しのかりんとう。

お勘定は階下で。

ここはサービスも上々。

ご馳走様でした。
うまかった。





浅草むぎとろ





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