断腸亭料理日記2013

鮨・新ばし・しみづ

11月3日(土)夜

さて。

久しぶりに、鮨。

内儀(かみ)さんの希望、で、ある。

どこにしようかと考えて、しばらくご無沙汰の

新橋の[しみづ]

有名店は、土日休みが多いと思われるが、
ここはやっている。

昼、内儀さんに予約を入れさせ、6時半に行くことに。

今日は、着物を着ていこう。

やっと、袷(あわせ)を着ても暑くない気候になってきた。

いつもの錆茶のお召。羽織も同じく深緑のもの。

白足袋を履いて、今は降っていないようだが、下駄。

地面が濡れているとやはり、雪駄はやめた方がよいだろう。

雪駄というのは薄いものなので足袋が濡れるし、
雪駄自体も皮なので濡らさない方がよい。

6時すぎに出て、銀座線、稲荷町から新橋まで。

先頭から降りて、地上に上がり、SL広場を左に見て
烏森神社の路地に入り、神社のところを左に曲がり、
その先を右。

格子を開けて入る。

若い衆が出迎える。

カウンターの向こう、つけ場には親方のお馴染みの
坊主頭。

カウンター奥に先客一組。
その隣に、座る。

まずはビール。

ここはサッポロの黒ラベル。

ストレートでなんの装飾もない、薄口のガラスのコップ
なのだが、大ぶりにできていて、普通のコップの
1.5倍は入るのではなかろうか。

このなんの変哲もないストレートなコップ
というのは私も好きである。
「ビールはやっぱり、やっぱりガブッと呑みたいでしょ」
だから大ぶり。

お通しはなめこおろし。

少しおまかせでつまみを切ってもらう。

最初は、たこと鯛。

毎度書いているが、江戸前の仕事をちゃんとしてあるたこは
ただ茹でただけのものとは、香り、食感、味ともに
まるで違う。

にぎってもよりが、つまむのがやはりよい。

ちょっと厚めに切った鯛も脂がのっている。

次は、青柳、蛤、子持ちの蝦蛄。

青柳は生だが、蛤は煮ハマ、蝦蛄も薄めなのだが、
甘辛で煮てある。

乙な酒の肴、で、ある。

さらに、鰹。

これはうまい。
時期的には"もどり"なのであろうが、
やはり今年は遅れているのだろう、さっぱりした
まだ、夏頃の味である。

つまみはここまでで、ここからにぎり。

まずは、きす。

どうであろう。
ここの最初は、おまかせの場合だが、きすに決まっているように
思うのだが合っていようか。

なぜであろうか。
今度聞いてみようかしら。

鮨を食べる順番というのを、昔からいろいろという。

さっぱりした、白身やいかを最初にし、次に〆た光物。
そして、トロなどの脂の多い物。甘い穴子などは
最後、で、あろうか。

ともあれ。以下、順不同、というのか、例によって、酔っぱらって、
順番をはっきり覚えていない。

いか。

すみか。この時期だからか、選び方がよいのか、
厚くもなく、薄くもなくまさに絶好の、すみいか。

おぼろをはさんだ小肌。

おぼろをはさんだのは、うちの内儀さんが、
きた早々から、おぼろが食べたいと、騒いでいたので
はさんでくれた。
親方によれば、〆方が強い場合おぼろはさむのが
合っているとのこと。

ここの〆ものはキツメなので、合ってはいるが、
もっと強い方がよりよいのかも。

まぐろ赤身。

中トロ。
これは、絶品。

見た目は中トロだが、脂の入り具合は大トロ。

海老。
これは頼んで、入れてもらった。
毎度書いていると思うが、茹で立てでにぎってくれる。
茹でて出回っているのは、江戸前ではない。
海老がこんなにうまかったのか、というのが、
実感できる。

〆鯖。
ここにしては比較的、浅目であったか。
脂がのって、ばかうま。

小柱。
プリプリ。
汐の香りと、海苔の味、香りがよい。

海苔巻。
干瓢とおぼろ巻。

まだあったろうか。

よく覚えていないのだが、腹一杯。

二人でビール二本に、冷酒(ひやざけ)一合。

今日もおいしかった。

ご馳走様でした。





新ばし・しみづ
03-3591-5763
港区新橋2-15-10






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