断腸亭料理日記2013

牛ばら肉かけご飯

10月26日(土)

さて。

かぼちゃで、二つ書いてしまったが、
これも土曜日。

金曜日、ハナマサで牛ばら肉の塊が、安くなっていたので、
つい衝動買いしてしまった。

牛ばら肉というと、普通はご存知の、焼肉でいうカルビで、
霜降りの和牛ならば、高級な部位。

だが、安い輸入牛だと脂身はあるが、ほとんどは赤身。

これでなにを作るのかというと、牛ばら肉かけご飯。

もうなん年も私の定番として作っている。

(今年も作っていた。)

元々は、この前も寄った有楽町の広東料理[慶楽]
で好きだった料理。

だが、これ、なにも[慶楽]のオリジナルではなく、
中華では定番メニューなのであろう。

簡単にいえば、牛ばら肉の八角風味のしょうゆ味の煮込み。

やったこともあるが、霜降りの和牛で、これを作れば
そうとうにうまいものが出来上がるのだが、肉の値段は
目が飛び出るほどになる。

だいたいにおいて、和牛のカルビ塊など、スーパーでは
売っていない。
百貨店に入っている牛肉専門店だったり、
そこそこ大きな精肉店でもいって、切ってもらわねばならない。

ともあれ。

作り始めたのは、かぼちゃのポタージュが完成したあと。

概略は、下味をつけて唐揚げ。
これをつゆに入れて柔らかくなるまで蒸す。
工程とすれば、長い。

塊は一口に切る。

下味はしょうゆ、紹興酒。
本当は八角だが、八角はやめて今日は五香粉をパラパラと振る。

五香粉というのは、八角(スターアニス)、桂皮(シナモン)、
花椒(中国山椒)、丁香(クローブ)などが入った、中華の
合わせ香辛料。

ちなみに、どうでもよいが、、八角というのはご存知であろうか。
かの、インフルエンザの治療薬、タミフルの原料である。
(正確には八角抽出物が元になっている化学物質か。)

30分ほど置く。

これを揚げる。

揚げ鍋に油を用意し、加熱。

油温は高めがよいのだろう。
あとで煮込むので、高温で表面を固めるという意図だと
思われる。

高温にして、二回程度で揚げ終る。

煮汁の準備。

鍋に、油を敷いて、つぶしたにんにく、しょうがスライス
長ねぎの青いところを入れ、炒める。
辛くしたければ、豆板醤を入れてもよいのだが、今日はなし。

香りが出たら、スープ。

本当は、鶏ガラスープでも取ればよいのだが、この上は面倒なので
「味覇」(ウェイパー)と水。

先ほどの漬け込んだつゆと味付けは同じ。
紹興酒、しょうゆ、五香粉をパラパラ。

煮立てて、揚げた牛バラ肉を入れる。

さて、これを蒸すのだが、蒸し鍋に入る大きさの容器。
家では二人用の土鍋がちょうどよい。

つゆと牛ばら肉ともに、土鍋に移し替え、蒸し鍋に入れる。
(圧力をかけるわけではないが、使うのは圧力鍋。)

水を下の方だけ張ってそのまま土鍋を入れる。

煮立てて蒸気を出す。
むろん、ふたはするが、密封しない。

蒸し時間とすれば40分。

圧力鍋は気密性も高いし、保温効果も高いのでごく弱火。
途中、干上がってくるので、水を足す。

40分で火を止めて、冷めるまで放置。

見た通り、土鍋の大きさが蒸し鍋の大きさより
ほんの少し小さいだけなので、冷めないと取り出せない、のである。

まあ、ふたをして放置しておけば、予熱調理効果も期待できよう。

取り出せるくらい冷めたら、再びすべてを最初の鍋に移す。

あんかけにするので、とろみ付け。

水溶き片栗粉を用意。

煮立て、お玉で混ぜながら水溶き片栗粉を入れ、
とろみがついたら、完成。

冷飯を温めて、盛り付け。


肉はやはり、霜降り牛肉であればまるっきり違うのであろうが、
これだけ煮込んでも、そこそこ堅い。

ただ、あんかけにしたつゆの方は、なかなかのもの。

日本人の舌であれば、八角が強いとなかなか馴染めないが
今日は五香粉パラパラにしたので、ほんの少し香るくらい。

また、五香粉にはシナモンも入っており、これも強いと
いけなかろうが、ほんのり、くらいであれば、さわやかな
食味で、全体として、飯に合うこと夥(おびただ)しい。

うまかった。

 

 

 




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