断腸亭料理日記2013

煮穴子

9月7日(土)午後

落語の稽古から帰ってきて、いきなりのようだが、
今日は、冷凍庫で発見した穴子を煮る。

煮穴子というのは、江戸前にぎり鮨の中では
今もって人気も高く、定番中の定番といってよろしかろう。

甘いので私なども子供の頃から好きなねたであった。

穴子というと、古今亭志ん生師を思い出す。

志ん生師の娘さんである美濃部美津子さんが書いた
『志ん生の食卓』という本がある。



志ん生師の好物はいろいろあるが、中に、煮穴子とまぐろの
中トロを半々にのせたちらしというのがあった。

これは、私もよくわかる。

中トロと、煮穴子をたっぷり食べられたら、
なんて幸せであろうか、と。

大トロでなく、中トロ。

まさしく、これぞ江戸っ子らしい好物といってよかろう。

ただ、実際にこれやってみると、考えているほど
うまくはなかったのである。

煮穴子は甘辛で、たれもかける。
中トロはやはりわさびじょうゆである。

ちょっと、喧嘩とまではいえないが、
相性はさほどよくはない。

この場合は、一緒にはのせないで、やはり
別々に食べた方がうまい。

ともあれ。

柔らかく甘辛に煮た穴子というのは、うまいもんである。

今日の穴子は、冷凍もの。

少し前にアメ横で買ってきたのだが、量が大量にあって
食べきれないので、凍らせておいたのである。

解凍してみると三本分ほどが切ってあった。

開けてみると、ちょっと生ぐさくなっている。
(穴子というのは、割にすぐ生ぐさくなる。
やはり、鮮度は大事である。)

煮る前に湯通しをし洗った方がよいだろう。

流水で解凍。

やかんにたっぷりの熱湯を沸かす。

湯通しといっても、熱湯をかけてから、
優しく洗う方法。

ざる二つに分けて重ならぬように穴子を並べる。

やかんが沸騰したら、ざっと一通り熱湯をかける。
すぐにひっくり返し、裏面にも十分かける。

熱湯をかけた穴子は水に放し、水を替えながら
きれいに洗う。

冷蔵庫から、瓶に詰めて保管してある煮詰めた
たれを取り出し、レンジ加熱し、ゆるめる。

これを鍋にあけ、水で伸ばす。

トロトロのたれなのでそうとうに煮詰まっている。
伸ばす割合は、十倍以上。

濃いままだと、柔らかくなる前に
穴子に濃い色と味がついてしまう。

今日はできるだけ柔らかく煮よう。

穴子を入れ、加熱。

沸騰したらアルミホイルで落としぶたをし、
弱火で煮込む。

10分ほどして、開けてみる。


皮から脂が浮いてきた。

まだ柔らかさが足りないが、
大分色がついてきてしまった。

随分と薄めたつもりであったが、
まだ足らなかったか。

もう遅いかもしれぬが、水を足して、さらに煮込む。

7〜8分。

このあたりが限界であろうか。

あげる。


温かいうちにつまんでしまおう。

ビール、ビール!。


冷凍してあったので、まあ、このくらいでよしとしなければ
いけないか。

また、柔らかさももうひとつであった。

煮汁は毎度のことだが、もう一度火にかけ、
煮詰めてたれにもどす。


時間がかかるので強火。
本当は浮いてくる灰汁を取りながら弱火でじっくり。
(効果はより風味が残るのだと思われる。)

が、強火なら、10分もかからない。

煮詰まった。


再びガラス瓶にもどし、冷めたらまた
冷蔵庫へ。

いか下足なんぞにたらして、飯にのっけても
そうとうに、うまい。




 




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