断腸亭料理日記2014

穴子のにぎり鮨

4月20日(日)夜

さて、引き続き穴子。

煮て、にぎり鮨にする。

パック入りのものは半解凍状態だったので
流水で解凍する。

冷蔵庫に瓶に入れて保管してある、煮汁を煮詰めたもの
(ツメ)を出してレンジで温めてゆるめ、鍋にあける。

むろんこのままここへ穴子を入れては濃すぎるので
水と酒を加えて、薄める。

ここへ解凍した穴子を、一本を半分に切って入れる。

点火。

一度煮立てて、弱火。

あくをすくう。

色を見ると、まだ濃いようである。

水を足しもう一度煮立てて、弱火。

同時進行で飯も炊き始める。

いつも通りホーローの鍋。

吹いたところで、杓文字でかき混ぜて、ガス台の最も弱火になる
五徳に移し替え、ふたの上に水500cc(g)の重石を載せておく。

穴子は比較的長め、柔らかくすることをターゲットに煮る。

長く煮るので、煮汁が濃すぎると、穴子も色も味とも
濃くなってしまうので、適当な濃さにしておかなければいけないと
いうことである。
私の場合、毎回、濃いめになってしまうので、注意。

飯が炊きあがるまで15分弱、蒸らしが10分弱。

穴子の煮え加減を見ながら。

だいぶいい具合になってきた。

火を止め、味見を兼ねて皿に取ってみる。


安いだけあって、随分と細い。

多少においがあるが、冷凍もののこと、まあ、
ある程度しょうがないか。
霜降りをしておけば多少違ったかもしれないか。

飯は水分がなくなったのを確認し、火を止め蒸らしに。

鮨酢の用意。

一合分、70ccに気持ち、しょうゆ。

時間を計って鍋のふたを開け、ご飯をボールに取る。

鮨酢を回し入れ、杓文字で切るように全体にまわるように
混ぜる。

あ〜、若干、蒸らしが足らなかったのか、
火を止めるタイミングが早かったか。
水分が多い。

だが、ここであわててはいけない。

酢飯は基本、ご飯自身の温度で、水分を飛ばし、
適当な水分量にする。

熱いうちはよいのだが、冷め始めたら水分は飛ばないので
この時点で混ぜると、飯粒がつぶれ、粘りが広がってしまう。

適当にやめて一度、数10秒レンジをかけてみる。

もう一度、熱を加えて、水分を飛ばす助けにする
のである。

軽く混ぜながら、水分を飛ばす。

よし。なんとかリカバーか。

水分が飛んで、酢飯らしい表面になってきた。

このまま置いて、落ち着かせる。

やはり10分程度。
酢飯にはこの時間も大切。

穴子をにぎりの大きさに切って、スタンバイ。

にぎる。

まあ、毎度のことだが、にぎるのはちっとも上手くはならない。

特に今日は穴子が細いので、ちっちゃなにぎりにするので
これもむずかしい。

一応、にぎれた。

あ!。

食べようとして気が付いた。
タレがない。

煮汁を煮詰めなくてはいけない。

全部を煮詰めるのにはそうとうに時間がかかるので
少量取って、フライパンで加熱し、煮詰める。

OK。

穴子に塗る。


やっとそれらしいものにはなった。

やはり、煮穴子というのは、不思議なもので、
そのまま、酢飯と煮穴子を別々に食べるよりも、酢飯とにぎって、かつ、
このたれをかけて最もうまくなる。

他のねたも同様である。
ここがにぎり鮨の、不思議なところであり、肝(きも)なのである。
魚介類をただ一緒に食べやすく握っているだけではない。

従って、ねたばかり大きく酢飯はほんのわずか、というにぎりが
あるが、あれはまったくにぎり鮨の体をなしていない。

食べ終わり、残った煮汁は、全量をフライパンに移し替え、
あくを取りながら煮詰め、たれに戻しておく。

 


 

 


 


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