断腸亭料理日記2014

浅草・ピザ・サングスト

3月16日(日)夜

さて、日曜版。

今日は、ピザを食いにいくことにした。

ピザというのも、時として無性に食べたくなるのだが、
私の場合、スーパーでチルドのものを買ってきて、
セラミック板が入ったピザ焼器で焼くくらい。

だが、このピザ’焼器の威力はなかなかなもので、
かなりよい具合にカリッと焼きあがる。

ただやはり、市販の生地では知れているのも事実。
薄い生地でパリッとした焼きあがりがよいのだが、
これは、自分で生地から作らねばならなかろう。
まあ、そこまでの情熱はないし、
また、あえて外に食べにいく、ということも
あまりない。

で、今日は先週の「チューボーですよ!」でやっていたし、
たまにはよいか、と、決めたのであった。

最近は、本格的なピザ焼釜があって、 ナポリで修行をした職人が、
生地を作り、焼くというところも 増えている。

少し前に開店したのは知っていた、 地元浅草の[サングスト]という店。
国際通り沿い、ROXの筋向かい。(東MAX氏のもんじゃやの並び。)

特に予約もいるまい、と、 6時すぎ、内義(かみ)さんと
元浅草の拙亭を出る。

今日は徒歩。

今日の東京の最高気温は17℃と、
だいぶ暖かくなった。
今年は3月に入っても、真冬のような日が続いていたが、
やっと、と、いうところか。

なんにしても花咲く春が 待ち遠しい。

元浅草から真っ直ぐ東へいって国際通りをそのまま北上。

緑の「SAN GUSTO」という電飾が掲げられている。
店に入るとすぐ目の前に焼き釜。
かたわらには薪の束も置かれている。

二人、というと二階に案内される。

階下には狭いが、カウンター席もあるよう。

二階はテーブル席で、先客は若めのカップルが一組で、
やはり、日曜夜の浅草はそう混むことはない。

どちらでもどうぞ、というので、 窓に近い席に座る。

イタリアビールをもらい、 前菜もあるようなので、
バーニャカウダを頼む。


銘柄はメッシーナでシシリアのもの。
イタリアのビールは他のヨーロッパのものと比べて、
呑みやすいラガータイプが多くのではなかろうか。

さて、ピザ。

サイズは大小あり、「チューボーですよ!」でやっていた、
ビスマルク、と、おすすめとの中から、桜海老で、
これも店員のお兄ちゃんのおすすめに従って、トマトなしで
頼んでみる。


バーニャカウダ。

こういうものであろうか。
ソース、多少なまぐさいか。

バーニャカウダは先月、雷門そばの[カリッシマ]
というイタリアンでも食べたがそんなことはなかった。

アンチョビがベースなのであろうが、 イタリアへいっても
意外にこんなものかも知れない。

日本人の魚を扱う技術というのは、やはり、世界一なのであろう。
先年、シシリアへいったが、やはり、我々の舌には、なまぐさい、
と感じる料理もあった。

ビールから白ワインにかえる。

さて、ピザ。


ビスマルク。

半熟玉子と生ハムがのったもの。

食べるのは初めてである。

ドイツ統一の首相、ビスマルクが好きだったから、ということ
らしいが、まあ、玉子と生ハム、そのままの味。

ピザの味に合うのかどうかといえば、どちらでもない、
かもしれない。

ただ、さすがにパリッと焼かれたピザ生地、
焦げ目なども入り、香ばしく、うまい。

桜海老。


トマトソースなし。

キャベツものっている。

春らしい演出、で、あろう。

味の強いトマトが入らない方が桜海老にはよい、という意図であろう。
ただ、それならば桜海老の存在感がもっとあってもよいような気もする。

足らないので、もう一枚。

モッツァレラとトマト(+バジル)のみの、ベーシックなマルガリータを
頼む。


この店もナポリ風を謳っているが、薄い生地をカリッと焼いた
マルガリータがナポリピザの看板なのであろう。
これが一番うまいかもしれない。

しかし、ピザというもの考えてみると、不思議なメニューである。
この食い物が世界的に広まったのはひとえにアメリカ人のおかげ
ではなかろうか。

イタリアでたくさん食べられているかといえば、
例えばシシリアではあまり見かけなかったし、地方によっては
あまり食べられていないところもあると思われる。

アメリカではファストフードの定番だし、イタリアよりも量としては多く、
まず間違いなく世界一ピザを食べているのはアメリカ人であろう。

上にのせる具は、なくてもよいし、好きなものなんでもよい。
サンドイッチやおにぎりと同じ、と考えればよいか。

ともあれ。

たまには、パリパリで香ばしいナポリ風ピザ
うまいもの、で、ある。




サンガスト



 


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