断腸亭料理日記2016
2月20日(土)第一食
さて、土曜日。
午前中から家で仕事。
昼すぎ、片付けて食べに出る。
断腸亭のとんかつ放浪記、先日からの課題、上野たぬき小路の
とんかつや[とん八亭]を思い出した。
ちょうどよい、行ってみようか。
先日は定休の月曜に行ってしまった。
営業時間を確認。
土曜日は、昼だけ。
3時までのようである。
今は2時。
急ごう。
朝は降っていなかったと思ったが、
比較的強めに降っている。
天気予報では荒れ模様といっていた。
自転車なので、フードのあるダッフルを着て、出る。
私などもあまりほめられた自転車運転手ではないが、
傘を差しての片手運転はやめよう。
春日通り、御徒町の駅をすぎて、たぬき小路の入口の歩道に
自転車をとめる。
こんな天気でも外国人の観光客はずいぶんと歩いている。
たぬき小路というのは、中央通りから御徒町駅寄り、一本めの
中央通りと並行した文字通り細い路地。
春日通り側の入り口は、片方が[文久堂]という“マムシや”で、
片方がラーメンや。
“マムシや”というのは、なんであろうか。
以前は浅草にも上野にも、この手のゲテモノというのか、
精力系というのか、料理やがいくつもあったものであった。
この[文久堂]の脇のたぬき小路にはマムシが入っている、いた(?)
かごのような容器が、置かれているが、これがこの路地を暗く、
多少入りにくくしている。
[とん八亭]は少し奥の方、右側。
間口は一間ほど。
ほんの小さな店。
店の前に「ランチ、カツライス800円」などと書いてある。
これは安い。
暖簾を分けて入る。
中も、広くはない。
カウンターとテーブルが二つほど。
カウンターの向こうは調理場で、40代くらいであろうか、
物静かな感じのご主人と奥さんらしき女将さんの二人。
カウンターに30代とみえる男性二人組、テーブルに年配の男女二人。
天気のせいか、こんなところ。
カウンターの奥に座る。
瓶ビールをもらって、ランチのカツライスではなく、
ここはやっぱりノーマルなロースかつ定食、1,700円也を
頼むことにする。
ビールとお新香が先にくる。
お新香は気を使って作っている様子がわかる。
店の奥にはTVがあって、NHKが映っている。
ここはラードと聞いてきたが、あまりそれらしい匂いはしない。
ここは昭和22年創業という。
戦後すぐ。
まだこのあたりも、闇市が盛んであった頃といってよろしかろう。
現ご主人で三代目とのこと。
ややあって、きた。
揚げあがりの色は薄めであろう。
切り口はほんのりピンク。
ここも塩が置かれている。
最初は、なにも付けずに食べてみる。
柔らかい。
うまみもじゅうぶん。
やはりラードらしいにおいはしない。
新鮮なものなのかもしれぬ。
次の一切れは塩で。
残りはソースをかけて食べる。
脂身もうまい。
ただ、全体として、多少、油っぽく、
油切れがわるい方かもしれぬ。
揚げ色が薄いご近所の[ぽん多本家]などと同じ系統で、
低温で揚げているのであろう。
やはり、この方向であれば、油切れになりがちなのか。
まあ、それでも、油がよいというのもあろうが、
私には十分に許容範囲である。
また、衣。
例の金網をここも使っていない。
やっぱり、キャベツに触れている下側が、蒸れて一つはがれた。
それから、ご飯。
ちょっ柔らかめ。
まあ、例のとんかつ会議風に、細かく評価してみると、
こんな感じ。
この値段でこのクオリティーは十分に御の字であろう。
とても上質で心のこもったとんかつを食べたという印象。
少なくとも、私には。
ご馳走様でした。
おいしかったです。
再び雨の上野の街に出る。
ミシュラン掲載店と思って、構えてきてしまったが、
[井泉][ぽん多本家]のような老舗然、名店然とはしていない。
気取らない、肩の張らない上野裏路地の佳店。
そんな店であろう。
今日は雨で少な目であったが、普段は列でもできるのであろうか。
ふらっと寄りたい店なのだが。
03-3831-4209
台東区上野4-3-4
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