断腸亭料理日記2016

かんぴょう巻・さび入り その1

11月5日(土)第一食

なぜであろうか。

理由はよくわからない。
急に海苔巻が食べたくなった。

海苔巻というのは、むろんのこと、
かんぴょう巻である。

かっぱや、鉄火も、あるいは太巻も、
皆、海苔巻であるが、やはり海苔巻といえば、
かんぴょう巻にとどめを刺す。
いや、そもそも海苔巻とは、かんぴょう巻のこと
ではなかろうか。

鉄火もかっぱも意外に新しい。
元々は海苔巻といえば、かんぴょうしか
なかったのではないかと思っている。
きちんと調べてないので、あまり断定的なことはいえないが、
鉄火は明治に入ってから、かっぱは戦後すぐ、材料のない頃に
できたということを聞いたことがある。

今でもちゃんとした東京の鮨やで、ただ海苔巻、といえば
かんぴょうを出すところが多いはずである。

海苔巻というのは、特にかんぴょうなどの場合、
海苔がうまいかどうか、これに尽きる。

海苔はよいのを使いたい。
それから、やはりわさび。
酒呑みのためにかんぴょう巻にわさびを入れる習慣ができた、と
思うのだが、わさび、むろん本わさびだが、を
入れたものが、うまい。

まずは、米を研いで浸水しておく。

かんぴょうとわさびを買い出し、
なのだが、先にかんぴょうをハナマサで買ってくる。

煮ておくためである。

買ってきたら、中国産であった。

軽く洗って、塩もみ。

もう一度洗って、茹でる。

10分ほど。

かんぴょうを茹でたことはあったと思うのだが、
驚くほど、膨張するものである。

洗って水を切る。

煮る。

しょうゆ、酒、砂糖。

煮立てて弱火。
アルミホイルで落としぶたをしておく。

ここまでやって、わさびを買いに出る。
行く先は、御徒町の吉池。

ん!。その前に、海苔もまだ以前に買った山本山の
一番いいのが二枚ほどあったが、買っておこう。

松坂屋の地下へ行ってみるが、少し前の改装のときであろう、
山本山の売り場がなくなっていた。

吉池の地下に戻る。
さすがにこちらは、海苔も豊富に置いている。
よさそうなものを一袋。

それから、生わさび。

あ、、。
さっさと帰ってくるつもりであったので、かんぴょうは
火をつけたままであったのを思い出した。
火を止めてもらうように家にTELをする。
(気が付いて既に消していたよう。)

帰宅。

だいぶ煮詰まっていた。もう少しで焦げるところであったか。
ともあれ。中国産のせいか、かんぴょうの厚みにむらがあって、
味の染み具合もむらができている。

米の方、浸水も十分。
米を炊く。

土鍋。

沸騰させて。

しゃ文字で下から返し、極弱火に。

水分が飛んだら火を止め、タイマーで計って7分、蒸らす。

開ける。
気持ち、水分の飛びがあまい。
酢飯の場合、これは重要であろう。
修正せねば。
もう一度ふたをして、火をつける。

パチパチという焦げ始める音を聞いて、すぐにとめ、再度蒸らす。

今度は3〜4分。

今度はよさそうである。

酢は25cc。塩としょうゆを1〜2滴。

飯台に一合分取り、
酢をかけ回し、しゃ文字で切る。

十分に全体に酢がまわったら、そのまま置く。

毎度書いているが、私の場合は特にあおがない。

置く時間は10分弱。

買ってきた、わさび。

高いもんである。

洗って、おろし金の細かい方でおろす。

よいにおい、で、ある。

 

つづく

 

 




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