断腸亭料理日記2017

浅草・洋食・ぱいち

2月24(金)夜

金曜日。
プレミアムフライデー、で、ある。

最終金曜は15時で退社という。
政府と財界主導で提唱しているが、今月から。

たまたまであるが、今日は家の用があって
私は休みを取っていた。

夕方、腹が減って出掛ける。

自転車、で、ある。

方向は浅草。

風邪っぽい。
休むと風邪、というのは、いやな感じ、で、ある。

天気はよい。
今日は多少暖かいようである。

ビーフシチューが食べたい、と、考えた
のである。

ビーフシチューは洋食界では大立者、
といってよろしかろう。
値段も張るが、すべての洋食やにはあるメニュー
であろう。
売りにしている老舗も多い。

決めたのは[ぱいち]。

ラストオーダーが20時であったか、
早いのでなかなかこれない。

[ぱいち]もビーフシチューを看板にしている。

[ぱいち]の創業は戦前の昭和11年。
老舗洋食やの多い浅草でも古い方であろう。

場所は雷門に向かって左側の飲食店が
集まっている一角。


ただ、私、この界隈、どうも苦手、なのである。

苦手というのは、長年浅草近くに住んでいて
毎週のように歩いているが、大きな通り沿いはよいのだが、
細い通りになるとどこになにがあったか
どうも覚えられない、のである。

範囲とすれば雷門の左(西)側。
仲見世、浅草寺の本坊・伝法院南の伝法院通り
すしや通り〜六区の通り(ブロードウェイ)、
雷門通りで囲まれた範囲。

この中のそれぞれ真ん中を通るのがオレンジ通りと新仲見世。

これをX軸とY軸としよう。

[ヨシカミ]やROX・3Gなどのある左上の第二象限はよい。
ここは、通りが斜めになっていたりしており、かえってそれが
憶えやすくしている。

しかし、これ以外。

浅草公会堂、うなぎの[小柳]、[餃子の王様]
などのある右上の第一象限。
そばの[長浦]、今日の洋食[ぱいち]などのある左下、
第三象限。
右下の第四象限はイタリアンの[carissima]に行くが、まあ、
この範囲はよいか。

なるほど。いつも引っかかるのは、第一象限と
第三象限なのである。
具体的には[小柳]と[ぱいち]だ。
この二軒に行くとなると、どうも探してしまう。

基本この界隈、碁盤の目なのだが、どの通りも

植え込みや鉢植えの緑のある昭和の雰囲気の小さな飲食店が軒を連ね
雰囲気がほぼ同じ。目印のようなものがないのである。

[ぱいち]は雷門通りの一本北側。
すしや通りからは「食通街」という看板が出ている。
ただ、東のオレンジ通り側。

六時すぎ、入る。

なかなかにぎわっている。

入って、一人、といってカウンターへ。

カウンターの向こう側の厨房には、三人。
右側に、メインで料理をしているご主人らしい初老の方。
その奥、左が30代ぐらいでろうか、ちょっと若い真面目そうな
お兄さん。顔がよく似ているので、この方が三代目か。

ビールをもらって、予定通り、ビーフシチュー。
ご飯はなし。

スーパードライと柿ピーがくる。

ウイークデーらしく近所らしい
家族連れのお客さんなどどんどん入ってくる。
カウンターも埋まってくる。

やはり、ビーフシチューを頼む人が多いか。

きた。

ここのビーフシチューは鉄鍋をガスに直にかけて
作っている。
熱々。

デミグラス、であるが、味は、意外にさっぱり。
苦味なども少ない。
店の雰囲気も居酒屋のようだが、
和風というのか、ご飯に合うということか。
私はこのぐらいが食べやすくて好みかもしれぬ。

肉は細めに切ってあり、むろん柔らかく、うまい。

箸袋に書いてある通りの名前に目が留まった。
「平和通り」?。

今まで気が付かなかったし、聞いたこともない。
この店は角にあるが南北か東西か
どちらの通りであろうか。

ともあれ、うまかった。

ご馳走様でした。

勘定をして、出る。

「平和通り」、後で調べると南北の通りの名前のよう。
名前はわかったが、由来まではわからない。
なんであろうか“平和”とは。
宿題にしよう。





台東区浅草1-15-1
電話 03-3844-1363



 

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