断腸亭料理日記2017

塩鮭?

6月17日(土)深夜

ちょっと戻る格好になるが、
土曜日、昼すぎ、天気もよいので、自転車で上野方面に出る。

動物園のパンダが子供を産んだので、
地元の上野は盛り上がっているとの報道があるが
それほどでもなかろう。

黒門口から上野公園に入って、動物園の正門入口まできてみる。
人は多いが、大混雑というほどではない。
いつもの土日程度であろう。
それはそうだ。子供が見られるわけのものではない。
ともあれ。前回のようなことがなく、無事に育ってくれることを
祈りたい。

さて。

山を降りてきて、いつものアメ横の魚やのぞいてみよう。

アメ横もいつも通りの人出。

鰹、一本。

時期のものだが、鰹一本ではひどい目にあっている。
やめた方がよかろう。
目利きできる目がない私のような者には、
ハードルが高い。

ん!。

珍しいものがある。

小さいが塩鮭?、あるいは鱒?。

一本だが4〜50cmのもの、¥300円也。

ここで鮭を見たのは私は初めてではなかろうか。

おもしろいので、買ってみよう。

小父さんに、鮭、といってみる。

否定はしないので、鮭、で合っているのか。

買って、帰宅。

この後、昨日のハンバーガーを買いに行っているので
鮭をさばいたのは、深夜。

こんな感じ。

生の鮭ではなく、塩鮭。
小さいだけでなく、傷もある。

果たして食えるものなのか。

生の鮭に塩をぶっかけただけ、なんというもの?
ということは、さすがになく、腹は出して、
塩をしてある。

それも、ちょっと触っただけでもわかるほどの、
強い塩。

ん!。

おろそうと思ったら、出刃がイマイチ。

先に砥がねば。

砥ぐとなれば、家中の包丁は砥いでしまう。
別段、すべてがナマクラなわけではないので、
まあ、そうは時間はかからない。

気を取り直し、鮭。

洗って、頭を落とし、二枚にしてみる。

うわぁ〜〜、ハラスの部分などかなりの塩。

ぶつぶつと、切り身にする。

うん。

塩は強いのようなものの、身の色はわるくない。
逆に、塩が強いということは、わるくなっていない
ということもできよう。

これは食えないことはなかろう。

試みに、焼いてみよう。

焼くと、塩がびっしり浮いてくる。

これはショッカライぞ〜。

ビールを開けて、つまんでみる。

うんうん。

塩辛いことは塩辛いが、ちゃんと塩辛い鮭である。
塩辛い鮭として、うまい。

実のところ、私は、塩辛い鮭はきらいではない。
いや、むしろ、好きである。

子供の頃、弁当やおにぎりに使っていた塩鮭など
みんなこんなものであったような気がするのである。

今時の塩鮭はほとんどが甘塩。
強い塩の鮭はどほとんど出回っていない。

以前に、塩っ辛い鮭が食べたくて、御徒町の
吉池に探しにいったことまである。

吉池は自ら鮭の加工をしているほどで、
鮭類の品揃えはかなり充実している。
塩の強い鮭もちゃんと置いてあった。

甘塩でも脂の抜けたような、パサパサした安いものよりは
こうして塩を強くした方が、うまいと思うのである。

塩を強くして新巻鮭にすると、熟成されて(?)うま味増えるのでは
あるまいか?。わからぬが。

ともあれ、独特の味で、私は好きである。

塩辛い鮭は、お茶漬け、でもよいのだが、
わたしは、おにぎり、いや、願わくば、炊き立ての
白い飯がよい。

こそれだけで、飯がなん膳でも食える。

事実、今日も冷蔵庫に冷や飯があったので、
レンジで温めて、一膳食べてしまった。

まさに、堪えられない味、で、ある。

しっかし、不思議である。

なにがといって、あの、アメ横の魚や。
これに限らないが、どっからこういうものを
仕入れてくるのか。
安いのはよいが、他に売られていないようなもの、
ではないと思うのだが。





 

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