断腸亭料理日記2018

連休いろいろ その3

引き続き連休中のいろいろ。

4月30日(月)

昨日が4/29で昭和の日、昭和天皇の誕生日であった
わけである。

TVのニュースでは、来年の退位と即位のことを
盛んに伝えている。

今上天皇の退位が2019年4月30日で翌5月1日が新天皇の
即位の予定。
いよいよ、残り一年になったと。

位を譲るという意味の、譲位(じょうい)という言葉がある。
皆さんは耳にされたことがあるだろうか。

確か、今上天皇が昨年なにかの談話折に、使っていたような
記憶がある。

だが、ご存知のように一般に政府やマスコミも譲位という言葉は
使っていない。退位である。

やはり、譲位では好ましくはないのであろう。
ちょいとみると皇太子へ位(くらい)を譲(ゆず)るので、
退位でもあるが譲位でもよさそうである。

ただ言葉の意味として、厳密に吟味すると譲位には
天皇本人が能動的に、位を譲るニュアンスがある。
また、譲り先も天皇の意思が含まれているような
意味合いにも取れそうである。実際日本史学上は
そういう定義なのではなかろうか。

退位には、こうしたニュアンスはない。
位を退くという意味だけになろう。
日本史上、自らの意思による譲位ではなく誰か別の人間の意思で
退位させられた例も少なからずあるわけだし、また、
誰かの意思でも、自らの意思のように譲位という言葉を
使わされたということもあったろう。

ともあれ。
戦後の象徴天皇としては、譲位ではやはりまずい。
天皇の行動に天皇個人の意思らしきものが
現れてしまっては、建前(たてまえ)に反する。
実際には天皇の意思なのだが。

天皇というもの、歴史的にもそうだが、現代でも、
建前と実態が交錯している。もちろん「天皇」というものが
時代が変わり権力のあり方が変わっても存在し続けていることが
原因である。しかし、それでも肯定的に受け入れている我々
日本国民というもの、本音と建前の許容というのか、曖昧さの
許容というのか、融通無碍(ゆうづうむげ)というのか。
欧米ではとてもあり得なかろう。おもしろい。

さて、さて。

今日は、麻婆豆腐。

これは内儀(かみ)さんの希望。
本当は食べに出ようとも思ったのだが、脚痛で見送り、
作ることにした。

ただ、一つだけ、休みらしいことを、と考えて、
スープを鶏ガラから取ることにした。
内儀さんに材料を買ってきてもらう。
鶏ガラ、豚ひき肉、豆腐。

鶏ガラは凍っていたので、解凍。

使うのは1羽分ほど。
溶けたら、手で細かくする。
今日考えたのは、時短のために圧力鍋で出汁を取れないかということ。
調べてみると、これはありのよう。
細かくするのはそこからのアイデア。だしが早く出る。
ねぎの青い部分、にんにく、生姜を入れ、水は10Lほど。

一度煮立てて、ふたをせず、あくを取る。
その後、ふたをして加圧10分。あとは放置。
数時間かかるところ。30分程度で鶏ガラだしが取れた。

麻婆豆腐自体の作り方はいつも通り。
ご参照されたし。

スープはもちろん、今取った鶏ガラスープ。
いつもは「味覇」である。

そして、一度やってみてはいるが、今回も土鍋に入れること。
これは、最近話題の[陳家私菜]の石焼ビビンバ用の器を使ったものを
真似たものである。

熱く焼いた石の器に入れれば辛さが増し、また、冷めにくいので
ずっと辛いという効果になろうか。

というわけで、家族用の大きな土鍋に、豆腐2丁分。
スープをちゃんと取った効果というのは、シンプルな
味ではないので、はっきりいえば、わからない。
だがまあ、気は心。
どちらにしても、いつも通りの麻婆豆腐にはなった。

次。

5月1日(火)

メーデー。

なん渡も書いているので、写真だけにしておこうか。

プリプリわんたん麺のうまい、稲荷町の支那そば[大和]
しょうゆと塩があるが、塩。
やはりここ、レベルは高かろう。

この日、これは自転車で出た。
脚は痛く、歩いたり、立ったままは辛いのだが、
自転車には不思議と乗れるのである。

稲荷町から御徒町の吉池にまわって、魚の買い出し。
安くなっていたので、毎度お馴染み、カジキの切り身。

そして、ちょっと珍しい(吉池にはいつもあって私が買うのは
久しぶり)、うなぎの倶利伽羅(くりから)焼きの生の串、
を買ってきた。

3本である。

一本300円。

昔は半分くらいであったと思うが、うなぎ本体に比例してか
高い。うなぎをさばいた、まあ、アラにあたるが皮とそこに着いた
多少の身をらせん状に串に巻き付けたもの。

これを焼く。

過去に一度だけやってみたことがある。

串ものを焼くとなると、拙亭ではガスの魚焼き
グリルでは焼けない。むろん串が焦げるから。
当然、炭で、ということになる。



つづく






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