断腸亭料理日記2017

ポンドステーキ再び その2

引き続き、アンガスビーフ肩ロースの
ポンドステーキを焼く。

両面を焼いて、アロゼに入る。

バターを30g。
前回は量らずに、あとからオリーブオイルを足すことになったが
これもちゃんと量る。

バターが溶けると、やはり思ったより多い。

焼いていない側面を下にし、油(脂)を肉にかけながら

焼く。

アロゼの効果というのは、熱を入れるというのと、
表面を乾燥させないということのよう。
厚い肉の場合は、必須なのか。

むろんのこと、それぞれの工程には意味があるのだが、
私のようなトウシロウは意味もわからずやっている。
やはり、理解してやらねば。

各面をまわしながら、アロゼを続け、
側面もよい色になってきたら、一度火を止める。

菜箸を下にはさみ、置く。

これが問題の“休ませる”なのだがその意図、
期待される効果のことである。

すぐに切ると、肉汁が暴れている状態なので落ち着かせる、
ふっくら仕上がる、というような説明がされる。
ここでいう肉汁が今回私が課題にしている、食べているうちに出てくる
ドリップと同じものなのか違うものなのかよくわからない。

よくアルミホイルで包んで休ませる、という方法も出てくるが
包んでいる間に、赤いドリップが出てくる。なん回かやっているが
いつもそう。落ち着かせるというよりは出てくるのを待っている、
ようにみえるのだが。どちらにしても、ここのところのメカニズムが
よくわからないと思うのである。
分かる方はおられようか。

また一方で、ステーキは熱々の焼きたてがうまいので、
休ませるはナンセンス、というシェフもある。
やっぱり、これ今一つ、腑に落ちない工程ではある。

ともあれ、ここで金串を刺して、最も厚い部分の中心部の温度を
確認する。お風呂程度が目安、という。

ちょっと、まだか。

もう一度点火し、アロゼを続ける。

再度、金串を刺して温度をみる。

うーん。

段々、わからなくなってきた。

最初は金串は冷たいのだが、一度刺すと、温まってしまう。

もうよいか。

皿はあらかじめ、ほんの少し水をたらしてレンジで温めておく。

付け合わせは冷凍のポテト。

盛り付け。

端の方の切り口。

マスタードもなにもなし。
味付けは最初の塩胡椒のみ、で、ある。

どうしても、この大きな塊だと、ウェルダン方向。
だが、やはりアンガスビーフは柔らかい。

そして、うまい。

やはり、このくらいの塊だと、まさに肉を食らっている、
という感じでよいのである。
ウェルダン方向だが、これはこれで私は好みではある。

ん?そうである。

問題のドリップは?、、、

やはり、食べているうちに、出てはくる。

ただ心なしか、前回よりは多少少ないような、、、。

前回


なにが効果があったのか。

食べているうちに出てくる、というのは?。
もしかすると、皿を温めておいた効果があったのか。

だが、それでも食べているうちに、皿は冷えてくる。
今日も、気が付いたら、皿は冷たくなっていた。
そして、ドリップが出ていた。
なんとなく、状況証拠であるが、関係がありそうな感じも
しなくない。

もっともっと熱くしておく?。
昔のステーキやにあったような、焼いた鉄皿を使う?。
それでは、火が入りすぎるか。

改めて思うが、肉を焼くというのは、難しいもの、
で、ある。

書いてきたように、プロのレシピでは説明されていないことも
多いし、ネットなどで探すと、プロのものでも正反対のことを
いっているものにも出くわす。
ステーキ肉というものは安いものではないし、そうそう頻繁に
食べるものでもない。
従って、トウシロウには試行錯誤の機会も多くはない
ということである。

そして、プロの方がすべて正しいのか、といえば、これもなんとも
いえないわけである。一般論だがプロが科学的なメカニズムを
説明できるということも少なかろう。昔からそうしているから、
というものもあるはずである。

むずかしい、むずかしい。
その中身は、先に書いた、機会が少ないということのうえに、
焼き上がり、味を左右するコントロールしなければいけない
パラメータが多くまたそれらが微妙な加減によっており、
そして複雑に絡んでいるらしいということ。
また、焼き始めると先には進めるが後戻りができない、途中で
修正ができないということ。
さらに、内側の熱の入り方など目で見て確認できないものがある、
というのもまた、ハードルを上げている。

そこへもってきて、方法自体も諸説紛々。
なにを信じればよいのか、という状態。

結局、自分自身の試行錯誤に尽きてしまうのか。
私など、自分で天ぷらを自信を持って揚げられるまでに
3〜4年はかかっている。あれも、材料、粉、水の量、
衣の堅さ、まとわせる量、油温、時間、動作その他、
パラメータがとても多い。あれに近いかもしぬ。
次のチャレンジはいつになるのか。


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