断腸亭料理日記2017

やりいかといわし、煮穴子 その1

1月20日(土)

さて、土曜日。

昼から自転車で床屋に出る。
仲御徒町のQB。

QBから上野公園にまわる。
寒いことは寒いが、日は出ている。

上野公園はなかなかの人出。

時の鐘から精養軒。
動物園前、
東京都美術館。

噴水広場。
今週も、広場ではイベント。

日は出ているがやはり、寒い。
早々に引き上げようか。

アメ横の魚やをのぞこうか。

こちらもいつもの人出。

自転車を置いて、魚や。

いつもの店をのぞき、もう一軒。

あまり目ぼしいものはないのだが、
やりいかが安い。
先週食べたところだが、富山産としてある。
富山湾で今、よく獲れているのか。

4〜5杯あって、毎度お馴染みの500円。

やっぱり買おうか。
安い時には安いものを買えばよい。

それから、いわしも買おうか。
大きなもので10匹程度あろうか。
これも、500円。

OK。

帰宅。

やりいか、5杯あった。

せっかくなので、この前の宿題、刺身で食べてみるか。

簡単に一杯さばいて、刺身。


どこかで食べているかもしれぬが、
自分で買って食べるのは初めてではなかろうか。

柔らかいが、ひょっとするとやはり、このいかの場合、
ゆでた方がむしろ柔らかいかもしれぬ。
ただ、あまみは濃い。
刺身でも十分にうまいいかである。

あとは、ゆでる。

下足もともに甘いたれをかけて。
やっぱり、これがうまい。

あとは、にぎりの鮨にしようか。

米を研いで浸水をして、スイッチを入れておく。

いわしも一匹、刺身にしようか。
なかなかの大きさ。



この寒さもあろう、鮮度もよい。

また、思いがけず、脂ものっている。

1時間後、スイッチが切れてから、10分弱の
蒸らし時間をとる。
1合分、25cc程度の酢を用意。

飯台に1合分飯を広げ、鮨酢をまわしかける。

杓文字でよく混ぜる。

寒い季節なので、できるだけ手早く。

全体になじんだら、広げて置く。
ここからも10分弱。

OK、よいかな。

ゆでたやりいかと甘いたれを用意。
大きないかではないので、にぎりの大きさに切るのが
むずかしい。

にぎってみる。

大きさというよりも、生のものよりも火が通っているものは
にぎりずらい。

四つほどにぎれた。


お世辞にもきれいとはいえぬが、
一先ず、にぎりのようなものにはなった。

味は?。
ふむふむ、うまい。

だが、これ。
いかがうまいというよりは、甘いたれがうまい、
といった方が、よいかもしれぬ。

この甘いたれは、穴子の煮汁を煮詰めたものだが、
これがすし飯によく合っているのである。

やりいかの場合、いかだけで食べた方が
優っているか。
あるいは、印篭(いんろう)といって、胴の部分に
酢飯を詰める食べ方もある。

生でいかをにぎりの鮨にするようになったのは
明治以降と聞く。
もともとは、こちら。
煮いか、といっていたと思う。

生のいか、特に江戸前ではすみいかを使うが
これに比べれば、この煮いかはやはりおよばなかろう。
今、煮いかを握るところは、そう多くはない。
やはり、淘汰されていったすし種ということか。


つづく



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