断腸亭料理日記2017

やりいかといわし、煮穴子 その3

引き続き、いわしフライ。

昨日は、一枚開いたところまで。



ハラスの黒い部分をきれいに取った方がよいか、
とも思ったのが、自分で食べる分にはまあよいか。

6匹開く。

揚げ油の用意。
これは普通のサラダオイル。

予熱をしておく。

小麦粉はいつも通り天ぷら粉。

最初に6枚全部にまぶしておく。
これもできるだけ全面にしっかり付ける。
この小麦粉付けがあまいと、衣にムラができてしまう。

玉子たっぷりと3個、平たい容器に割りほぐし、
氷を二つ入れ、少し粉も加える。
パン粉も同じく平たい容器に広げてスタンバイ。

横に並べる。

尻尾をつまんで玉子に両面泳がせ、パン粉へ。
上側にもスプーンでパン粉をまぶし、強く押す。

6枚。


ここでキャベツ。

水を切って、いつもならば冷蔵庫だが、寒いので
ベランダに出しておく。

揚げに入る。
油に再点火。
予熱をしておいたが、寒いので少し時間がかかるか。

そこそこ上がったら、一枚投入。

ちょっとまだ低かった。
下へ沈んでしまった。
しばらく浮いてくるのを待つ。

油温が上がって浮いてきても触らない。
衣がしっかり固まる前に菜箸でさわると、衣が壊れるし、
菜箸にも衣が付いてしまう。

完全に浮かび上がるっている状態、
表面が油面よりも上に出るのが目安であろう。
ひっくり返す。

ここからは、狐色まで、揚げる。
フライものは、油から外に出ている部分から
色がが付いてくる。
これは空気に触れているところから
先に色が付いてくる、ということ。
(酸化ということでよいのか?。)
よく揚がるようにと油に沈めれば色が付くということは
むしろないのである。
菜箸で少し色を付けたい部分を浮かせる。

OK。

あげる。

油切れをよくするために、立てる。

揚げ終了。

盛り付け。

ソースは、ウスターにケチャップ、さらにマヨネーズを
合わせたものを用意。
あじや、いわしフライには、これが好み。

ビールを抜いて、食べる。
なかなかしっかりとした衣に揚がった。

いわしもよいものなので、フライにしても上々である。

さて、穴子。
いわしフライで忘れていた。

煮汁はフライパンで煮詰めるので、フライパンを用意。
穴子だけ煮汁から取ると壊れそうなのでフライパンの上に
餅網を上に置き、そこへ鍋から一気にあけ、つゆを切る。

よく塩で揉んだ効果があったか、生ぐささはなさそう。
圧力を3分かけて消火、30分以上の放置調理でかなり柔らかく
なっている。

つゆの方には、酒、砂糖、しょうゆを足して
さらにストックのたれを合体、フライパンで煮詰める。

あくをすくいながら。

たれが煮詰まったら、さっそく、穴子も食べてみよう。
なにか工夫をと思い、今日はゆずを買ってきておいた。
鮨やなどでは、皮をおろしてまぶしたりする。

太いところ。

ほろほろまで柔らかくなっている。
さすがに一本1500円の穴子、肉厚でうまい。

また、ゆず。
これもよい。
ゆずというのは、むろん香りのものなのだが、
香り以上に味もよくなるように感じられるのが
不思議、で、ある。

この穴子は対馬産。
吉池で見かけるのは最近は、ほぼ対馬産である。
今日のような太いものは珍しく、値も張る。

従来東京に入ってきているのは、江戸前、あるいは三河湾あたり。
これに常磐から三陸。
東京には入ってこなかったと思われるが、
大阪、和歌山、名物の広島宮島などの瀬戸内。
日本海でも獲れていた。
まあ、日本中の沿岸で獲れていた、はずである。

しかし、産地は軒並み減っている。

乱獲、という説もあるが、よくわからないらしい。
穴子というのは、対馬海峡から黄海の朝鮮半島、中国沿岸にも
多数おり、韓国の漁獲量は減っていないともいう。
それで、吉池の穴子はほぼ対馬産ということなのか。

そもそも、穴子という魚も日本うなぎ同様にその生態が
よくわかっていないらしい。どうも太平洋のパラオあたりで産卵、
孵化してうなぎなどと同じように黒潮に乗って
幼魚(ノレソレ)が沿岸にたどり着くのか。

日本人にとっては穴子よりもうなぎの方が、影響は大きいので
注目は浴びていないが、江戸前鮨の穴子もむろんのこと、
穴子煮汁の甘いたれを愛用している
私などにとっては、ちょっと見すごせない問題である。



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