断腸亭料理日記2018

瓜雷干し 隅田川花火大会 その2

引き続き、隅田川の花火大会。

ではあるが、瓜のことをもう少し。

瓜もみと、もう一つ、雷干し。

これは池波先生のかなりの好物であったようである。
小説作品にもエッセイにも出てくる。

私はなん度か再現をしている。

この雷干し、切り方が変わっている。

これは干しているところだが、こんな風に螺旋状に切って
干すのである。この螺旋状が“雷”なのか。

どうやってこんな形に切るのか。
ご興味があれば、上記ページをご参照下されたい。
やってみるとそう難しくはない。

半分は瓜もみにし、もう半分は干してみようと
考えた。

ただ面倒なので、本式に螺旋に切るのはやめて、半分に切って
スライス。

そして揉むのではなく、塩水に20分ほど漬ける。

網にのせて午後のベランダへ。

レシピでは干す時間は3時間ほど。

この暑さで、エアコンの室外機の風もあって、
文字通り、3時間ほどで目標とする乾燥状態になった。

完全に切り干し大根のようにカラカラにまでするのではなく
半生よりも生寄り、という感じであろうか。

この状態で雷干しは一先ず出来上がり。
塩味が付いているので、このままでもろきゅうのように
味噌をつけても食べられるが、やはりちょいとさびしいので、
今回はしょうゆ漬けにしてみることにした。

プラスチック容器にしょうゆに水と酒を入れて、
出汁のために、昆布、さらに雷干しも入れて、一度レンジ加熱。
アルコールを飛ばすのと、早く漬かるのではないか、
という意図。

粗熱を取って冷蔵庫に入れておく。
食べるのは、明日以降。

さてさて、花火大会に戻る。

18時半にテレビ東京の中継開始。
出掛けていた内儀(かみ)さんも、蔵前[伊勢屋]の天サンドを
買って帰宅。

天サンド、鶏から、瓜もみ、その他で、呑み始める。

まだこの時刻では明るい。

19時から第一会場の打ち上げ開始。

第二会場は19時半から。
第一会場は拙亭では、音は聞こえてくるが、
路上へ出ても見えない。
高いビルにでも上がれば見えるのだと思うのだが
そういうつてもないので、例年、第二会場が始まるまでは
TVで見る。

19時半、第二会場の打ち上げが始まる。

内儀さんとともに外に出る。
ちょうど拙亭のマンションの前の東西の通りが
第二会場の真西にあたっている。
つまり、東西の通りがドーンと東に抜けているので、
花火が見えるのである。

第二会場というのは厩橋(春日通り)の少し北の隅田川に
舟を浮かべ、そこから上る。

正確にいうと、第二会場の打ち上げ場所も南北に少し幅がある。
少し南側から上がってくるものは通りの右側のビルに隠れてしまう
ものもあるのだが、6〜7割は見える。

通りに降りると既にいつものように、近所の人々が路上に座って
あるいは椅子を出して見物を始めている。

浅草や、隅田川に近いところでは、見物の人々が路上に
鈴なりでとても路上に座るというどころではないが、
このくらい離れるとわざわざ見にきている人はほぼいない。
いるのは皆、近所の人々。
歩道の空いているところに座って、見物。



隅田川の花火は川幅以上に大きく開くものは
打ち上げできないらしい。
それで、いわゆる尺玉のようなものは上がらない。
その分、数で勝負ということか。
切れ目はほぼなく、ずっと上がっている。

毎年、こんな感じで見ているのだが、これでも十分
花火見物をしている気にはなれる。

19時半からきっかり1時間、20時半。
隅田川の花火というのは、TV中継があるせいか、
ぴったりに終わる。

これで、我々の2018年平成最後の隅田川花火大会は
終了である。

さて。

瓜の雷干し。





漬けておいたものが、こんな感じである。

しょうゆ漬け、なかなかよくできた。

味は、まあ、早い話が、きゅうりのキューちゃんである。
食感もほぼ、あれ。

結局、瓜の雷干しというのは、なにか、
と、ここに行きつくのである。
なぜ干すのか、と言い換えてもよいか。

〆鯖ではないが、瓜も水が抜けた分だけ味が入る
のではなかかろうか。
干さずに漬けると、漬けるにも時間がかかろうし、
水分も出る。
これを解決するために干しているのでは
なかろうか。

ともあれ。

隅田川花火大会と瓜もみ、瓜雷干しの
読み切り、である。



断腸亭料理日記トップ|2004リスト1|2004リスト2|2004リスト3|2004リスト4"2004 リスト5"

2004 リスト6"2004リスト7|2004 リスト8|2004 リスト9"2004 リスト10"

2004 リスト11|2004 リスト12"2005 リスト13"2005 リスト14|2005 リスト15

2005 リスト16|2005 リスト17"2005 リスト18|2005 リスト19" 2005 リスト20"

2005 リスト21|2006 1月|2006 2月|2006 3月|2006 4月|2006 5月|2006 6月

2006 7月 |2006 8月 |2006 9月 |2006 10月 |2006 11月 |2006 12月

2007 1月 |2007 2月 |2007 3月|2007 4月|2007 5月|2007 6月|2007 7月"

2007 8月|2007 9月|2007 10月|2007 11月|2007 12月|2008 1月|2008 2月

2008 3月|2008 4月|2008 5月|2008 6月|2008 7月|2008 8月|2008 9月

2008 10月|2008 11月|2008 12月|2009 1月|2009 2月|2009 3月|2009 4月"

2009 5月|2009 6月|2009 7月|2009 8月|2009 9月|2009 10月|2009 11月|2009 12月"

2010 1月|2010 2月|2010 3月|2010 4月|2010 5月|2010 6月|2010 7月"

2010 8月|2010 9月|2010 10月|2010 11月|2011 12月|2011 1月|2011 2月"

2011 3月|2011 4月|2011 5月|2011 6月|2011 7月|2011 8月|2011 9月"

2011 10月|2011 11月|2011 12月|2012 1月|2012 2月|2012 3月|2012 4月"

2012 5月|2012 6月|2012 7月|2012 8月" 2012 9月" 2012 10月" 2012 11月"

2012 12月|2013 1月|2013 2月|2013 3月" 2013 4月|2013 5月|2013 6月"

2013 7月|2013 8月|2013 9月" 2013 10月" 2013 11月" 2013 12月" 2014 1月

2014 2月|2014 3月|2014 4月|2014 5月|2014 6月|2014 7月|2014 8月|2014 9月"

2014 10月|2014 11月|2014 12月|2015 1月"2015 2月|2015 3月|2015 4月"

2015 5月|2015 6月|2015 7月|2015 8月|2015 9月|2015 10月|2015 11月"

2015 12月|2016 1月|2016 2月|2016 3月|2016 4月|2016 5月|2016 6月"

2016 7月" 2016 8月" 2016 9月" 2016 10月" 2016 11月" 2016 12月" 2017 1月"

2017 2月|2017 3月|2017 4月|2017 5月|2017 6月|2017 7月|2017 8月|2017 9月|

2017 10月|2017 11月|2017 12月|2018 1月|2018 2月|2018 3月|2018 4月|

2018 5月|2018 6月|2018 7月|

BACK | NEXT

(C)DANCHOUTEI 2018