断腸亭料理日記2018

助六寿し その4

週をまたいで、四回に渡ってしまった。

海苔巻きとお稲荷さんの助六寿し。

かんぴょうを煮て、油揚げを煮て、途中、新たけのこも茹でて。

飯を炊いて、酢飯を作った。

海苔は半裁まで。

巻きすを用意。

半裁した海苔を横長に置く。

手を濡らし、酢飯を取る。

この飯の量が問題。

巻いたときに入りきらない量はもちろんだめ。
破袋してしまう。

細巻は思いがけず、酢飯の量は少ない。

こんなものか。

中央に、かんぴょう。
つゆを絞って、酢飯にのせる。

わさびも忘れずに。

かんぴょう巻は一般にはさび抜きである。
だが、鮨やで頼む場合は、わさびを入れてくれ、
と私は頼む。

鉄砲巻などということもある。
(辞書を引くと、わさびの有無に関係なく、かんぴょう巻の
別称として鉄砲巻というのがあるよう。細巻は黒く細長い
筒だから、と。実際にはあまり聞いたことはない。
この理論だと細巻はすべて鉄砲巻になってしまう。)

向こう側の海苔の端に線状に水を付ける。
巻いた時にくっつきやすいようだが、
プロはこれをしてないか。

巻きすを二つ折りにする要領で一気に巻く。
手前に引っ張って、巻き締める。

この動作、鮨やでいつも見ているが文章で表現しずらい。

ただ、私、細巻はけっこう下手、で、ある。
今回もそう。
どうしてもかんぴょうが真ん中にならなず、
端っこに偏ってしまう。
また、細いため、酢飯の厚みが微妙に違うだけで、
気持ち細い部分と気持ち太い部分ができて、
これがちょっと不格好に見えてしまう。

さらに、あとからの反省であるが、もっと全体に広く
酢飯を薄く広げた方がよかったようである。
これも不格好の一因であった。
ただ、これ以上薄く広げるのは、トウシロウには
至難である。なにしろ湿らせても、どうしても
指に酢飯がくっついてしまうのである。

ただまあ、ちゃんと海苔が破けずに巻けて、
形になっていれば細巻の場合、問題はなかろう。

一応、二本巻けた。

こうやって、上から見るとよいのだが、
真横からみると、きたないのがばれてしまう。
従って、横からの写真はなしで。

そして、切る。

毎度書いているが、なぜだかかんぴょう巻だけは
細巻のなかでも唯一、四つ切に切る。
他のものは六つ切り。
なん人かのすし職人さんに聞いたが、誰も理由を
知らなかった。
もちろん、かんぴょうも大きさを折詰や出前などで
他のものと合わせる必要がある場合は六つ切りにする
こともあるが。

刺身包丁を水道の蛇口から水をたらし、
一気に切る。

包丁の切れ味と、切り方の両方であろうが、
つぶれてしまうこともある。
やはり包丁を動かしながらが基本であろう。

ちょっと、長短ができてしまったが切れた。

次は、お稲荷さん。

かんぴょう同様、つゆを絞る。
油揚げの切った端面部分から中を開く。
これ、破けることもあるので、注意が必要。
今日は、四枚ともきれいに開けた。

作り置きの酢蓮で薄いものを選び、先に入れる。
ここに、にぎりずしほどの酢飯を取り、押し込む。
端っこを折れば完成。

お稲荷さんは簡単。
まあ、だれでもできる。

できた。

かんぴょう巻と、お稲荷さん。
揚げと巻きで、助六寿し。

味は、許容値。
そこそこ、ちゃんとした海苔巻と稲荷寿しになった。

酢飯がちゃんとできて、先にも書いたが、海苔が
そこそこ以上の味ならば、普通のものが出来上がる。
かんぴょうと油揚げの味付けは、幅があっても
なんら問題なく食べられるだろう。

こんなもの、買ってきた方が圧倒的に
安いし、簡単。
(材料品は安いが、手間を考えると、高かろう。)
ゼロから作るのは、物好きである。

ともあれ、安い材料でうまいものができる。
これを生み出した先人に感謝しなければいけない。

また、買ってきた方が安くとも、こういうベーシックなものを
ちゃんと作れることは、大切なことではないかと思うのである。






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