断腸亭料理日記2018

軍鶏鍋

11月25日(日)夜

午後、自転車で外出。

夜は、鍋にしよう。

寒くなると、どうしても増えてくる。

なにがよかろう。

この間は、池波レシピ「蛤の湯豆腐」をしたが、、、

!。

池波レシピの大横綱「軍鶏鍋」にしようか。

いわずと知れた「鬼平」に登場する、
本所二つ目、軍鶏鍋や[五鉄]。

今の町名でいえば、墨田区両国四丁目。
上に首都高小松川線が上を走る堅川。
堅川は隅田川から旧中川までの東西の堀。

2010年の講座「池波正太郎と下町歩き」で使った地図もの。

隅田川から南北に堅川に架かる橋を隅田川側から順番に
一つ目、二つ目、三つ目と呼んでいた。
一つ目橋、二つ目橋、で、ある。
同時にこれは南北に走る通りの名前でもあった。
今も残っているのは三つ目通り、四ツ目通り。
二つ目は清澄通りといっている。
橋の名前も、二つ目ではなく今は二之橋。

その二つ目橋の北詰にあったと池波先生が設定したのが
軍鶏鍋や[五鉄]。
[五鉄]は盗賊改の役宅のサテライトともいえる
重要な場所。密偵の彦十やおまさが寄宿していたり。
この界隈は堅川を渡った南側に弥勒寺という当時は
大きなお寺もあり、ここも「鬼平」の舞台として
よく登場している、そんな場所。

軍鶏鍋というのは、昔の東京下町では定番の食い物であった。
軍鶏鍋やというのも数多くあった。
現代まで続いている老舗も多くはないがある。

[軍鶏鍋]は実のところ、季節は冬ではなく、夏。
今は冬のものだが、昔は夏のものであったというのは多い。
甘酒なども夏のものであった。
真夏に熱いものを汗をかきながら食べて元気をつける、
という意味合いである。

と、いうことで本来は夏のものであるが、
「軍鶏鍋」。元気も付く。

材料は鶏肉、これはももでよろしかろう。
それからモツ。
レバーなどであるが、必須。
昔から軍鶏鍋にはモツも入れるものであった。
それから、鶏皮。
脂が出るので、これも必須。
ようは、鶏全部、ということではある。

野菜は牛蒡(ごぼう)。
笹掻きにして入れる。
むろん今は牛蒡も年中あるが、新牛蒡が出てくるのは
夏である。

毎度書いているように、池波レシピの鍋の野菜は
一品でよいのだが、まあ、ねぎも入れようか。

鶏皮は冷凍庫にあったので、それ以外を買って帰宅。

下拵えは牛蒡の笹掻きぐらい。
洗って、笹掻きにし、水に浸しておく。

ねぎは切るだけ。

鶏もも肉と皮。

レバー

普通、鶏レバーとして買うとパックには円筒形のような
もの、心臓、ハツが入っているがこれがけっこう脂があって
うまいのだが、今日のものには入っていなかった。
モツはこれ以外に、キンカンなども入れてもよい。

それから笹掻き牛蒡。

斜めに切った白ねぎ。

これだけである。

鍋は、底の浅い鉄鍋。
そう。なんのことはない、すき焼きなのである。
軍鶏鍋やでも「鶏すき焼き」と名乗っているところもあるくらい。

火はカセットコンロ。
鉄鍋を熱して、皮を入れ、脂を出す。

すき焼き同様、煮るのは割り下。
雷門の[松喜]のすき焼き用の割り下があったので
これを使う。

材料を全部入れ、割り下も。

レバーの方が先に火が通るので、先に正肉を入れてもよい。

煮えてきたら、溶き玉子で食べる。
これも牛すき焼き同様。

まあ、考えてみれば、レバーなども含めた
鶏肉の甘辛煮、なのであるが、これが軍鶏鍋。

玉子で食べるので、親子丼の元といってもよいのではなかろうか。

鶏の脂たっぷりなのがポイントであろう。
これがなにしろ、うまい。

また、牛蒡。
牛蒡というのは、脂との相性が抜群によい。
これももう一つのポイントである。

鬼平軍鶏鍋、たまにはよいもんである。

 

 

 

 

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