断腸亭料理日記2019

〆鯖のにぎり鮨・赤酢の酢飯で その2

引き続き、赤酢の鮨。

飯を炊き始めたのは翌夕方。

浸水して冷蔵庫に入れておいた米を、電気釜へ、
酢飯モードでスイッチオン。

これが赤酢。

計量カップに出してみると、見た目も匂いもかなり黒酢に
近いではないか。こういうものであったか。

実際には、今、鮨飯に使う場合は赤酢のみではなく、
どちらかといえば、米酢に、10%程度、ほんの少し入れる、
ということらしい。

にぎり鮨が生まれた頃、安いので使っていたという
ことならば、赤酢のみ、であったのではなかろうか。

と、いうことで、今回は赤酢100%でやってみよう。

通常と同様に1合分に40ccとしてみる。
ほんの少し、塩を混ぜておく。

〆た鯖を出してみる。

一日置いたもの。

にぎり用に切る。

切り方は、こんなものであろうか。

また切り口は、こんな感じ。
水と半割の酢に漬けるとこうなる。
表面だけが白く、中は白くはない。

飯台を用意。
水を張っておく。

飯が炊けたら、タイマーで計って、きっちり8分蒸らす。
飯台の水を切って、2合炊いた半分を飯台に取り、
赤酢をまわし入れる。
http://www.dancyotei.com/2019/sep/handai_akazu_in.jpg

しゃ文字で急いで混ぜ合わせる。

あれま。
赤酢というのは、粘度が、穀物酢や米酢と比べて高いのである。
それで、全体にうまく混ざり切らない。

あまり混ぜすぎると、飯粒が潰れてしまうので、てきとうに
やめる。
こんなものであろう。

ここもタイマーで計り、きっちり8分。
最初の蒸らし同様、この酢を混ぜた後の時間も忘れてはいけない。

わさびを用意し、切った種に塗り、用意。

手を濡らす。
左手に右手でにぎり一つ分と思われる酢飯を取る。
この量が問題。
プロの場合はにぎり一つの大きさは同じでそれに種を
合わせて切ると思うのだが、家庭で作る場合は、小さい
切り身も使う。
従って、種の大きさに合わせた大きさにしなくてはいけない。

左手に取り、先に酢飯だけで形を作る。
形ができたら、塗ったわさびを下にし種をのせる。
右手の人差し指と中指を種の上に合わせ、握る。
ひっくり返し、形を整えながら、種を押さえ、握る。
一つ完成。

続けて三つ。

一つ握って、一度手を蛇口の水で洗う。
プロの場合は続けて握っていると思うが、都度洗っている。

出来た。

アップ。

どうであろうか、意外にきれいににぎれるようになってきた
ようには見えまいか。

酢飯の形はそこそこに思う。
きれいな俵型にはただまだ、70〜80%くらいか。
課題はこれが一つ。

もう一つは、種との問題。
これは切り方とも関係する。
ちょっと種の横幅が広くなってしまったので、
若干浮いてしまっているのがお分かりになろう。
なかなか、難しい。

種の上に、しょうゆをたらし、ビールを抜く。

最近、しょうゆはキッコーマンのしぼりたて生しょうゆを
使っている。空気に触れないというパッケージもよい。
今までのしょうゆ差しでは水分が蒸発して濃くなってしまう
というのも回避できるし、ほんの少量たらせる。これもよい。

しぼりたて生しょうゆもよいが、
鮨や塗るにきりを今度用意してみようか。

食べる。

!。

なかなかよいのではなかろうか。
赤酢100%であるが、まあまあではなかろうか。

酸味は、米酢や穀物酢とあまり変わらないのではなかろうか。
味は、やはり濃い。
ただ、ひっくりするほどは違わない。
10%ではなく、混ざりにくさを考えると、米酢と半々くらいを
試してもよいかもしれない。

そして、〆鯖。
これは上々。

今までの〆方の場合とどう違うのか。
今までは塩を2時間ほどして、そのまま酢に漬ける。
これは、水が抜けた分、酢が入る。
水の抜けていない部分は生に近い状態と思われる。

これに対して、塩をたっぷり振って、水と半割の酢に漬ける。
この場合、どういうことになっているのか。
おそらくなのだが、中まで酢が入っている。
見てもある程度わかると思うし、実際に食べるとよくわかる。
中央部分近くも酢の味はする。
つまり、水が抜けていなくても半割にしたことで、酢は入る。
こういうことなのであろう。
半割に漬けると塩も抜ける。そしてさらに、酢が中まで入る。
もちろん、浸透圧の関係なのであろう。
酢が入るということは半割の方が、濃度が低い、
ということなのか。正確なメカニズムは専門の方にでも
聞いてみなければわからぬが。

 


つづく

 

 

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