断腸亭料理日記2020

炭火焼ステーキ

4月6日(月)第一食

さて、月曜日。

あまり外で食べられないので、家で、炭でステーキを
焼いてみたらどうか、と考えた。

ステーキ店や、京都の割烹で炭火でステーキ肉を
焼いているのをこのところ、偶然複数回TVで視たのが
きっかけ。

ステーキの焼き方をいろいろ試しているが、
フライパン以外で焼いたことはなかった。
どんなものか。

ハナマサでアンガスビーフを買ってくる。

せっかく炭で焼くので、薄すぎない、そこそこの
厚みの物。

常温に置いておく。

炭を熾す。

ガスで種火を三個熾し、七輪へ。

ついていない炭も入れ、団扇で煽(あお)ぐ。

書いている通り、拙亭では火鉢を常用しており、
炭は数袋、いつもストックしてある。

使っている炭は、備長炭など高級なものではない。
岩手の切炭なら6kg袋。
バーベキューなどをする方であれば使っている
かもしれない。
出回っている炭としては、一番ノーマルなものではなかろうか。
アマゾンなどでもたくさん売っている。

値段だけでいえば、オガ炭といって、おが屑を固めて
炭にしたものもあるが、火もちを考えると、岩手切炭
の方が勝る。
火鉢で使うには、長くもってくれるのがありがたい。

先日も七輪で炭を使ったが、焼き終わった後の燃え残りは
すぐに火消し壺に入れて消火している。
うちの火消し壺は陶器製でふたのあるもの。
火のついている炭を入れると酸素がなくなりすぐに消え、
後日、その炭は、消し炭ということになるが、
もう一度使うことができる。
火消し壺というのは、昔からあるものだが、炭を無駄に
しないですみ、よくできたものである。

今日は、その消し炭があったので、これを使う。
消し炭の方が、熾きやすい。

パタパタ渋団扇で煽いで、全体を熾す。
炭でなにかを焼く場合、火の通りを考えると、
なかなかむずかしいが、全体が均等に熾きているのが
最もよい。

ステーキ肉は、焼きやすい大きさに切ってスタンバイ。

網にのせて、焼く。

脇から、パタパタ煽ぐ。

と、早い。

数分で片面、こんがりと焼けてくる。

思いがけず、炭火というのは、火が強い。

煽ぎながら焼いたということもあるか。

もう片面も

すぐに焼ける。

中はどうであろうか、切ってみよう。

俎板に持ってくると、ドリップがどっと出る。

プロが肉を焼いているのを見ても、そんなことは、ない
ようなのだが、自分でフライパンでステーキ肉や
ローストビーフ用の塊肉焼く場合も焼きあがった直後に
ドリップが必ず出てくる。
このドリップが出てくるメカニズムというのは、どうも
よくわからない。結局避けることはできないものと
最近はあきらめているのだが。

ともあれ。
少し置いて、ドリップの出た俎板を洗って、切る。

切り口はこんな感じ。
ミディアムよりは、心持ち火が入っている感じか。
だが、わるくはないであろう。

塩胡椒だけしてみよう。
胡椒は、ミルで挽いてかける。

まあ、味はアンガスビーフで、よく知っているもので、
びっくりするものではないが、うまい。

炭で焼いたメリットはなんであろうか。

すぐに焼けた。
フライパンに比べると、脂の落ちるのも早い。

焼き終えるタイミングに気を付けないといけないが、
フライパンよりもやはり、うまく焼けるといってよい、
のではなかろうか。
フライパンであれば、うまく焼くには例のアロゼといって
脂(油)をかけながら焼くのが必須だが、そんなことを
しなくても脂身にも早く火が入る。

残った肉も続けて焼いて、全部食べてしまった。

やはり、炭はよい。

もちろん、炭でうまく焼くにも技術が必要である。
今回も、思ったより火が強かった。
遠火の強火などというが、もっと炭から離した方が
よかったかもしれぬ。

魚介類を焼くにも、一般にいわれる遠赤効果で、
うまく焼ける。

炭は、ガスに比べて手間がかかるのは言うまでもなく、
毎回炭を熾すのは、現実的ではない。
が、幸い、時間はある。炭火、ちょっと見直そうかしら。

 

 

 

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