断腸亭料理日記2020

鶏水炊き・ぼんじり出汁

12月5日(土)第二食

さて、ぼんじり、で、ある。

ご存知であろうか。
焼き鳥やでみることがあろうか。
丸い、鶏の尻尾の肉。
脂と軟骨、骨でできている部分。

尻尾の付け根。
一羽に一つしかないので、希少部位、などとも
いわれる。

これが、なぜかハナマサにいつもではないが、
並んでいることがある。特段高くもない。
希少部位というのは、物は言いよう。
余っているところには、余っているということであろう。

ここにも書いているが、見かけるとたまに買っていた。
脂があってうまい、のであるが、
焼いたり、炒めたり以外の使い道がなかなかない。

今回も買ってきたのはよいが、焼き鳥も
この季節だと、もう一つ。

それで、一案。
圧力鍋で柔らかくゆでてみた。

ぼんじり、というのは、中に骨があり、
焼く場合は、骨を抜いた方が食べやすい。
これを一つずつやるのは、結構手間、
なのである。
とろとろに柔らかくゆでると、骨があっても
食べやすくなる。

買ってきたものの半分はこれで食べ、
ゆで汁も、塩を入れてスープとして
うまかった。

あとの半分、鶏の水炊きの出汁にしようと
思い付いた。
他に入れるのは、白菜。
白菜も柔らかく煮ると、うまい。
そして、白滝。
出汁を吸って、うまくなるであろう。

白菜1/4と白滝を買ってきた。
冷凍庫にあったもも肉を解凍。

ぼんじりを水を張った圧力鍋へ。

加熱、5分加圧、火をとめて放置調理30分。

こんな感じ。

これでぼんじりはとろとろに柔らかく、
脂も、出汁も出ている。

今日は、調理はガス、食べるのは火鉢にすることにした。
先に、炭を熾し火鉢に火を入れておく。

白菜を切る。
なにかで視たような気がする。根本の部分は短冊に、
その上は斜めのそぎ切り。葉っぱはざく切り。

土鍋に、白菜の根本とそぎ切りの白い部分、
一口に切ったもも肉、白滝を入れ、ぼんじりの
出汁を張る。ぼんじりも少し。

煮込む。

白菜の根本、白い部分は完全に透明になるまで
煮込む。より、甘くなる。

最後に青い葉っぱの部分を入れ、

火鉢に移動。
ふたをしてしばし。

葉っぱはすぐに火が通る。

これで、完成。
鶏の水炊きは、やはりポン酢しょうゆであろう。

ビールを開けて、食べる。

鶏肉もさることながら、白菜、で、あろう。
白菜の特に、白い部分。
アブラナ科の葉物野菜というのは、この根本の
部分に糖分を蓄える。
透明になるまで火を通すと、このあまみが
際立つ、のである。
うまい。

そして、白滝。
よく煮込むと、出汁を吸う。
ぼんじりの出汁に、白菜のあまみが加わり
格別。

食べ終わったら、やっぱり雑炊。

冷凍飯を温め、ぼんじりも足して、軽く温める。
塩で味付け。

胡椒をきかせてもよかったかもしれぬが、
これはこれでよいだろう。

ともかくも、これがまずかろうはずがない。

飯も出汁も飲み尽くす。

ぼんじりの利用法。
骨と軟骨、脂。
よい出汁が取れる。

もちろん、これ自身も食べられる。

どこにでも売っているものではないが、
ちょいとめっけものであろう。

 

 

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