断腸亭料理日記2020

鶏のてりやき

7月2日(木)第一食

なんだか、TV・CMシリーズ、で、ある。

「鶏のてりやき」。

綾瀬はるかさんが出演ている、キッコーマンの
しょうゆのCM。

 

 

 

視たことのある方も多いかもしれぬ。

これがかなりうまそう、なのである。

綾瀬はるかさんも「うん、おいしい!」といって
パクっと、食べている。

視た感じは照り焼きにはではない。

照り焼きであれば、表面はテカっているはずだが、
テカっておらず、ちょっとマットでこんがり。
最初はから揚げかとも思ったくらい。

特に、フライパンで鶏を焼いているところの
鶏肉の表面。
ここで、しょうゆが入れられるのだが、その前。
かなりうまそうな表面、なのである。

もちろん、うまそうに見えるように
料理が作られ、撮影されているのであろう。

うまい。
この技術は、かなりなものであろう。

私も、もう随分前20代の頃だが、こういう仕事を
していたことがある。
シズル写真などといっていた。
いわゆる調理例である。
作る方はフードコーディネーターなどというと思うが、
こういう方。そして、専門のカメラマン、さらに助手。
他、デザイナーなど多数の関わっている人々がいる。
かなり特殊技術を持たれた専門職人といってよい。

私の場合は動画ではなく静止画。
加工食品のパッケージの調理写真であった。

箸などで持ち上げる。
湯気を出す方法、技術。
しずくを散らす。
テカらせたり、マットにしたり。
切り取り方。
明るさ、暗さ。

実際、この綾瀬さんの「鶏てりやき」のCMが
どうなのかわからぬが、私が関わっていた頃には、
1カットに数時間をかけて、料理を用意し、
撮影していた。

ともあれ、うまそうなので、再現。

キッコーマンのしょうゆのサイトには、鶏てりやきのレシピ

も載っており、作ってみたのである。

このレシピの写真は、やはりマットではなく、
照り焼きなので、テカった表面の出来上がり。
まあ、これが本当なのであろう。

出来上がって食べるところまで、鶏の表面が
マットというのは、うまそうに見える演出として、
あえてやっている。

作り方は、さほどむずかしくはない。

鶏から用に切ったもも肉を買ってきた。

実際には、切り方にもポイントがある。

鶏からもそうだが、できるだけふっくら、
一つを丸くする。

フライパンに油を敷く。
皮目から焼く。
これが5分。
ひっくり返して、2〜3分。

油を敷いた上に、脂が出るので、これを取り、しょうゆ、
みりん、砂糖、水を入れ、からめながら2〜3分煮詰める。
これで出来上がり。

レシピはこうなのだが、作ってみると、いくつか
ポイントがあった。

一口に切っても、もも肉は厚みがある。
皮目から焼くのはよいのだが、5分では火が通り切らない
部分が出てくる、のである。
焼きながら見た目でわかる。

これには、側面なども下にして焼く。
脂が多量に出てくるので、フライパンを斜めにし、
脂を集めここに厚みのあるもの側面を下にして置き、
揚げ焼きのようなかっこうで焼いた。
この時、小さなもので火が既に通っているものは、反対側に
よけておく。
こんなことをすると、厚い部分のあるものもよく火を
通すことができる。

CMで、マットな表面がうまそうなわけだが、
これ、鶏一切れ一切れをきれいに拭いているのではなかろうか。
ただ食べるだけであれば、ペーパータオルをフライパンに
つけて、吸い取るくらいでよいであろう。
私はそうした。

皿に移す。

マット、ではないが、そこそこうまそうに
焼けた、のではなかろうか。

たれの味付けもよい感じ。

私自身、書いたこともあるが、よく甘辛く鶏を焼く。

この場合は、私は焼鳥と呼んでいるが、仕上がりは
さらに半分くらいの大きさに切って、焼く。
半分の大きさであれば、問題なく火は通る。

そして、大きな違いはみりん、で、ある。
酒、しょうゆ、砂糖で、普通は水も入れず、
みりんも使っていない。
水を入れないと、煮詰めて濃いたれにするのも早い。

キッコーマンなのでレシピ上はみりんは必須なのであろう。
砂糖だけで甘みを出すのに比べて、複雑で上品。
微妙な違いだが、うまいものになった。

 

 

 

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