断腸亭料理日記2020

鰯たたき

3月12日(木)第二食

さて、木曜日。
吉池に寄る。

なにがあるか。

青魚、鯖あたりか、と思ってきた。

と、鰯。真鰯、で、ある。

島根、境港産。鰯としては、大きなもの。

一皿六匹あって、390円。特売としてある。

これは安かろう。

もう一つ、剥いた北寄貝。
三つほど入って、1p495円が一割引き。

書いている通り、鮨やでも貝類は私は、あまり食べない。
もちろん食べられないことはないし、うまさがわからない
わけではないと思うが、魚に比べれば、どちらかといえば
苦手な部類、かもしれない。
貝類でも牡蠣は別格で好物、ではある。
プライオリティーの問題。
選んで食べる頻度が低いので、味覚も進歩していない
ということかもしれぬ。

北寄貝はきらいではないし、ちょっと安くなっているので
こういう時に、食べてみようか。
ぬた、でよいかもしれぬ。

さて。

上田勝彦氏という人を、ご存知であろうか。
最近TVにもよく出演ている。

魚食文化普及人、元水産庁官僚、元漁師、長崎大学出身。
島根県生まれ。1964年生まれ。私の一つ下。

魚のさばき方、扱い方、魚料理をTVで披露している。
また、全国の漁場、漁港をまわり漁師を指導している。

なかなか強烈なキャラクター。
はっきり言えば、ガラがわるい。

今、日本人はあまりにも魚を食べない。人びとは扱えない、
おろせない。スーパーには、決まった魚しか置いていない。
これは、いけないと私も強く思う。
魚食文化普及というポリシーは大いに共感するのだが、
どうもあのキャラクターが私には馴染みにくい。
だが、それだけではいけなかろうと、考え直してみた。
もう少し、知らなければ。

ちょっと、氏の魚料理本を買って読んでみた。
「ウエカツの目からウロコの魚料理」

この人、さすが元官僚だけあって、理屈っぽい。
むずかしい。(難解という意味で。)
そして、要求する技術も、難しい。
とにかく、魚はたくさんさばかなければいけない。
早く、上手くさばけるようになること、と。
これもさすが元漁師というべきか。いや、職人?、
体育会系?。そんな感じ。

なかなか、やっぱり私にはとても近づけない。

ともあれ。

鰯、で、あるが、この本にも鰯があった。
まず手開きの仕方。

それから、鰺のたたき、なめろう、山家焼き、、
などあったので、鰯ではあまりしないが、刺身でも
たたきのようなものにしてみようか。

ねぎも分葱(わけぎ)の方がよいだろう。
追加で買いに出る。

境港産、鰯。

出すとこんな感じ。

早速、手開きをやってみる。
鰯、というのは、身が柔らかく、骨離れもよく、
手でも開けるのである。もちろん、私もしたことがある。
やり方もある程度知っている。

だが、これはダメであった。
大きいからか、鮮度など状態か、理由はよくわからないが、
手では骨が離れない。無理に骨を取ると、崩れてしまった。

途中から出刃に換える。

この鰯、季節であろう、子持ちであった。
安いのはこのせいか。
だが、脂はにそこそこのっており、わるくない。

三枚。

二匹。
大きいので、二匹で十分である。

しょうがをおろし、分葱を細かく切る。

鰯も細かく切って、和える。

真鰯のたたき。

ビールを開けて、食べる。

なかなか、うまい。

鰯も、刺身よりも、この方がうまい、のではなかろうか。
いつもは大きく、長く、あるいは、斜めに切るが、
こうして薬味をたっぷり同時に食べられるのは
鰯にはより合っている、かもしれぬ。

分葱は、緑の部分だけになってしまったが、
もう少し、白い部分も使ってよかった。

魚ややスーパーで鰺のたたきなどを買っても
ねぎは緑の部分ばかり。
こうして分葱だったり、万能ねぎだったりを
使っている方が多かろう。

だが、薬味としての効果は、葱の白い部分の方が大きい。
いつも自分で鰺のたたきなどを作る場合も、家にある
白い部分の多い東日本の普通の長ねぎを使う。

市販のたたきが青いねぎを使うのは、ひとえに彩り
ということではなかろうか。
まあ、結論すれば、両方使えばよかったのだが。

北寄貝は明日だ。

 

 

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