断腸亭料理日記2020

カレー・デリー・上野店

11月18日(水)第一食

さて。

辛いもの。
辛いものが食べたくなった。

なんであろうか。
辛いものにもいろいろある。
麻婆豆腐、担々麺。
韓国の辛ラーメン。

今日は、上野の[デリー]にしよう。

この6月に行っていた。

もちろん、あそこのカシミールカレーである。

辛いけどうまい、なんという誉め言葉、というのか
グルメリポーターの表現があるが、カシミールは
辛いだけではなく、掛け値なく、うまい。

土日は列になることもざらにあるが、
ウイークデーであればこんな時期でもあり、
大丈夫であろう。

とはいっても、12時台を避けて13時前、
自転車で出て、向かう。

創業は昭和31年(1956年)、今年で64年。
東京のインド料理店の草分けともいわれる。

カレーだけ取り出せば、新宿[中村屋]の
カリーが戦前の昭和2年からでインド式カレーとしては
古いかもしれぬが[中村屋]はレストランの1メニュー。

ただ、インド料理レストランとすれば、
東銀座の[ナイルレストラン]が戦後すぐの
1949年(昭和24年)で歴史とすれば、
こちらの方が古いか。

[ナイル]の方はインドの方の経営。
これに対して[デリー]はインドから帰国した
日本人の経営。

最初から、日本人化されたインド料理という
道を歩いてきた、といってよいかもしれぬ。
それだけ、工夫がされてきた味、といってもよいか。

着くと列はないが、ちょうど満席。
やはり、人気である。

ちょいと立って待つ。
私の後ろにも人が増える。

昼時も終わりつつあり、すぐに入れる。

壁側、手前のテーブルに掛ける。

欲張らずに、カシミール単体と思ってきたが、
メニューを見るとやっぱりセットにしたく
なってしまう。

飲み物と、タンドリーチキンの付いたセット。
1800円也。

いいか。
飲み物は、生ビール。

生ビールから、くる。

テーブルにある、玉ねぎの辛いピクルスを
スプーンに取り、つまみながら、呑む。

アチャールでいいのか。
玉ねぎとレモン、赤唐辛子で和えて
しばらく置いたもの。
自分でも作る。シンプルだが、うまい。

タンドリーチキンとサラダもきた。

このタンドリーチキンがまた、うまい。
インド人経営店でインド人が作るタンドリーチキンよりも
うまいのではなかろうか。
よく、堅くカラカラになっているのがあるが、
これはしっとり。
インドの方に聞くと、インドのインド料理よりも
日本のインド料理の方がうまいものもある、と。
これもそうだが、ヨーグルトを使っている。
インドでは完全はベジタリアンの人々も多くおり、
ヨーグルトは使われないことが多いとも。

平らげた頃、待ってました。
真打、カシミール、登場。

アップ。

鶏肉とじゃがいも入り。

一匙、一匙、ご飯に掛けながら、口に運ぶ。
辛い。
そして、うまい。

これほど、辛くてうまいカレーは、そうそう
ないのではなかろうか。

そして、この、ご飯。

ご飯がうまい、というのか、このご飯が
ここのカレーに合っている。
ご飯に掛けてうまいカレー。
そうともいえる。

どこのなんという米か、また、この堅めの炊き方。
どちらも研究し尽くされているのであろう。

汗だくで食べ終わり、会計をして、出る。
ご馳走様でした。
おいしかったです。

カシミールのレシピは公開されてもいる。

黒い色はカラメル色素も使っているよう。
よくよく味わうと、にんにく、が、ポイント
のような気もするのだが、カレーににんにくは
別段珍しくもない。
その他も、特に珍しいものは入っていない
といってよいのではなかろうか。
スパイスも一般的に使われているもの。

インドの方が食べるとどう感じるのであろうか。
うまいのであろうか。

創業から改良を重ねてこの味にたどり着いている
のであろう。
なん度もなん度も食べているが、流石、で、ある。

 


デリー

03-3831-7311
文京区湯島3-42-2

 

 

断腸亭料理日記トップ | 2004リスト1 | 2004リスト2 | 2004リスト3 | 2004リスト4 |2004 リスト5|

2004 リスト6 |2004 リスト7 | 2004 リスト8 | 2004 リスト9 |2004 リスト10 |

2004 リスト11 | 2004 リスト12 |2005 リスト13 |2005 リスト14 | 2005 リスト15

2005 リスト16 | 2005 リスト17 |2005 リスト18 | 2005 リスト19 | 2005 リスト20 |

2005 リスト21 | 2006 1月 | 2006 2月| 2006 3月 | 2006 4月| 2006 5月| 2006 6月

2006 7月 | 2006 8月 | 2006 9月 | 2006 10月 | 2006 11月 | 2006 12月

2007 1月 | 2007 2月 | 2007 3月 | 2007 4月 | 2007 5月 | 2007 6月 | 2007 7月 |

2007 8月 | 2007 9月 | 2007 10月 | 2007 11月 | 2007 12月 | 2008 1月 | 2008 2月

2008 3月 | 2008 4月 | 2008 5月 | 2008 6月 | 2008 7月 | 2008 8月 | 2008 9月

2008 10月 | 2008 11月 | 2008 12月 | 2009 1月 | 2009 2月 | 2009 3月 | 2009 4月 |

2009 5月 | 2009 6月 | 2009 7月 | 2009 8月 | 2009 9月 | 2009 10月 | 2009 11月 | 2009 12月 |

2010 1月 | 2010 2月 | 2010 3月 | 2010 4月 | 2010 5月 | 2010 6月 | 2010 7月 |

2010 8月 | 2010 9月 | 2010 10月 | 2010 11月 | 2011 12月 | 2011 1月 | 2011 2月 |

2011 3月 | 2011 4月 | 2011 5月 | 2011 6月 | 2011 7月 | 2011 8月 | 2011 9月 |

2011 10月 | 2011 11月 | 2011 12月 | 2012 1月 | 2012 2月 | 2012 3月 | 2012 4月 |

2012 5月 | 2012 6月 | 2012 7月 | 2012 8月 | 2012 9月 | 2012 10月 | 2012 11月 |

2012 12月 | 2013 1月 | 2013 2月 | 2013 3月 | 2013 4月 | 2013 5月 | 2013 6月 |

2013 7月 | 2013 8月 | 2013 9月 | 2013 10月 | 2013 11月 | 2013 12月 | 2014 1月

2014 2月 | 2014 3月| 2014 4月| 2014 5月| 2014 6月| 2014 7月 | 2014 8月 | 2014 9月 |

2014 10月 | 2014 11月 | 2014 12月 | 2015 1月 |2015 2月 | 2015 3月 | 2015 4月 |

2015 5月 | 2015 6月 | 2015 7月 | 2015 8月 | 2015 9月 | 2015 10月 | 2015 11月 |

2015 12月 | 2016 1月 | 2016 2月 | 2016 3月 | 2016 4月 | 2016 5月 | 2016 6月 |

2016 7月 | 2016 8月 | 2016 9月 | 2016 10月 | 2016 11月 | 2016 12月 | 2017 1月 |

2017 2月 | 2017 3月 | 2017 4月 | 2017 5月 | 2017 6月 | 2017 7月 | 2017 8月 | 2017 9月 |

2017 10月 | 2017 11月 | 2017 12月 | 2018 1月|2018 2月| 2018 3月|2018 4月 |

2018 5月 | 2018 6月| 2018 7月| 2018 8月| 2018 9月| 2018 10月| 2018 11月| 2018 12月|

2019 1月| 2019 2月| 2019 3月 | 2019 4月| 2019 5月 | 2019 6月 | 2019 7月| 2019 8月

2019 9月 | 2019 10月 | 2019 11月 | 2019 12月 | 2020 1月 | 2020 2月 | 2020 3月 |

2020 4月 | 2020 5月 | 2020 6月 | 2020 7月 | 2020 8月 | 2020 9月 | 2020 10月 | 2020 11月

BACK | NEXT

(C)DANCHOUTEI 2020