断腸亭料理日記2021

赤酢の酢飯で〆鯖のにぎり

3988号

12月11日(土)夜

さて。
続くのだが、また、鮨。

今度は、鯖。
〆鯖、で、ある。

鯖を買ってきたのは、10日金曜。

浅草ロックスの西友である。
三枚にきれいにおろした半身で、さらに値下げ。
なんと100円。こういうのを置いているのが西友。

これは、買わずにはおれない。
焼いても、煮ても、なににしてもよいだろう。

これ。

パックの写真を撮る前に開けてしまった。

青森産。
これ、もしかすると、最近ニュースでやっていた
北海道の鯖と同じものではなかろうか。

鮭が獲れない代わりに(?)鯖が大漁である、と。

青森県といえば、八戸が鯖の水揚港として
名が知られているのだが、揚がったのは
そちらかもしれぬが。

これ、随分ときれいにおろされているし、
ものもわるくはなさそうなので、〆てみようと
考えたのである。
光物の鮨が続くが、まあよいであろう。
〆鯖も、そのままよりもやっぱりにぎり鮨が
うまかろう。

たっぷりの塩をして、2時間。

酢で洗う。

酢洗いと、プロが言っているもの。
水洗いをせずに、酢洗い、なのであろう。
酢で洗うだけ。

これをいつも通り、水との半割の酢に漬ける。

浸っていない上部が乾かぬように、
ペーパータオルをかけておく。

これもまた、2時間。

まだ、赤い部分もあるが、かなり白くなった。

これ以上漬けておいてもかわりはないと
思われる。

あげる。

このまま、冷蔵庫へ入れておく。
これを一晩。

水分を飛ばすのと、熟成(?)、で、ある。

熟成というのは、よくわからぬ言葉だが、
熟(な)れるという言葉でもよいか。
まあ、どちらにしても、曖昧ではある。

なんであろうか。
この、一晩置く、というのは。

漬かってすぐよりも、明らかに置いた方が
うまい、のである。
水分を飛ばすだけであれば、ペーパータオルで
拭けばよい。
だが、それだけではだめ、なのである。

多少酢の浸透が進む、ということも
あるのかもしれないが、それだけでもない。

翌、昼頃、一度出して、ラップをして、
再度、冷蔵庫へ戻しておく。

これは、水分が飛ぶ、乾く、のではあるが、
さらにそれが進み、酸化していく。
見た目では、身の薄い腹のあたりなど
黄色っぽく変わっていく。
これはいけなかろうと、いつも12時間程度で
ラップをすることにしている。

そして、夕方。

こんな感じになる。

いつも通り飯を炊き、酢飯作り。

鯖の皮を引く。

反対側なので、わからないのだが、今日はきれいに引けた。

刺身包丁で斜めに切る。

〆鯖はわさび。
常備してある生わさびをおろす。

切り口はこんな感じ。湿っている感じだが、
これでも酢は入っているのである。

塩をして2時間、半割の酢で2時間、
冷蔵庫で一晩。
これで全体が真っ白ではなく、半生になる。
いい感じ。
意外に、身が厚いのもお分かりになろう。

五つ、にぎる。

アップ。

しょうゆをたらす。

ビールを開けて、食べる。

〆鯖というのは、私などにはある種バクチ。
食べてみないと、当たりかはずれかはわからない。
だが、これは、かなり、うまい。大当たり。
実に、脂もそうとうのっている。
あまい、のである。

拾い物、めっけもの、で、あった。
これで100円。
あり得なかろう。西友おそるべし。

 

 

 

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