断腸亭料理日記2021

浅草・うなぎ・小柳

2月14日(日)第一食

さて、日曜日。
久しぶりに、昨日から、浅草並木の[藪蕎麦]で、
天ぬきで一杯、と思っていた。

13時すぎ、自転車で着くと、店前に列。

あー、、、。
流石に日曜日は、こういう状態であったか。
浅はかであった。

ウイークデーにこなければ。

今日は、天気もよく、ちょいと、いや、かなり
温かい。してきたマフラーも仕舞うほど。

ともあれ、どうするか。

[藪蕎麦]でなければ、そばやでもない。

そうだ、うなぎ!。

久しぶりに[小柳]。

浅草はうなぎやが多いが、ここは気軽に入れる。

[小柳]は大正15年(1926年)。
老舗ではあるが、江戸創業も数軒ある
浅草のうなぎやの中では、まあ、中堅といったところか。
先代になるのか女将さんが名物でNHKの朝ドラ
「こころ」のモデルにもなっている店。

場所が意外にわかりずらいかもしれぬ。
仲見世の一本西、オレンジ通りの一本東。
つまりその間。
雷門通りの老舗レコード店「ヨーロー堂」
(今時レコードは売っていないと思うが演歌、
落語などを看板にしたところ)の角を入り、
左に佃煮の[海老屋]、右に[餃子の王様]、
そのすぐ先の左角。
店脇に自転車をとめて入る。

ちょっとずれた時刻だが、ほぼ満席。
にぎわっている。
あいていた、カウンターに掛ける。

呑むつもりできた。
お酒お燗と、肝焼き、、は今やっていないので肝煮。

ここで、毎度の、熱燗問題。
ぐずぐずいわずに、ただ「お燗」と言ってみた。

肝煮とともにきた。

熱い!。
徳利が熱くて、つまめないほど。
やはり。
ここも、なにもいわなければ、熱くされてしまうのか。

やっぱり、声を大にして言いたい。
#熱燗はやめてくれ!

なん度も書いているが、やっぱり書こう。
熱燗が燗酒のデフォルトである風潮に断固、異を唱える。
熱燗は決して、日本酒の最良の呑み方ではない。
どうしても熱燗が呑みたいという人は止めないが、
お燗といえば、真ん中の、上燗、適温、45〜50℃が
ノーマルではないか。ただお燗といえば、上燗を
持ってきてほしいのである。以前はそうだったはず。

これ結局、お客の問題であろう。
皆様、なにも考えずに、熱燗!と言っていないであろうか。
本当に、熱々の酒が呑みたいのか?。
上燗、適燗、適温を試していただきたい。
十分だと思うのだが。

替えてくれ、と、言いそうになったが、
さすがに堪える。

肝煮は冷たく煮凝り状になっている。
ちょっと薄めの味で、うまい。

こうなったら、ちょっと腰を据えて、もう一本呑もう。
そして、焼鳥!。
お酒も、今度は、さっきは熱かった、ちょっとぬるく、
だからといってぬる燗ではなくノーマルで、と伝える。
お重、竹2700円也、も頼んでしまう。

焼鳥。

うなぎやで、たまに頼むのだが、
うなぎやの焼鳥は、ほぼ例外なくうまい。
肉はたっぷり刺され、ふっくら焼き上がっている。

お酒も今度は上々。おそらく上燗。
最初のものは、やはり気を利かせて
熱燗にしているのであろう。

お重もきた。(二合呑んだので、お冷ももらった。)

毎度書いているが、このうな重のふたを開ける瞬間というのは
なににも代えがたい。
中から赤く光ったあの蒲焼が出てくるかと思うと、
まさに、心躍る、ではないか。

開けて、

山椒をふる。

うぉ!。

これ、かなり脂がのっている。
食感もしっかり。
かなり、うまい。

もしかして、これ、天然?。
ここはどうかはわからぬが、夏に比べてうなぎが出ない
冬場は、店によっては、余裕があれば
天然が出てくることがある。

たれの味。
浅草のうなぎやは、江戸前といってよいのか、
比較的甘味を抑えたさっぱりめが多いのだが、
ここはちょっと甘味が強めの東京ノーマルと
いってよいか。もちろん、甘すぎないが。

飯は、堅めの炊き上がり。
これもよい。

夢中で掻っ込む。

久しぶりのうなぎ、うまかった、うまかった。

ご馳走様でした。

 

 

台東区浅草1-29-11
03-3843-2861

 

 

※お願い
メッセージ、コメントはFacebook へ節度を持ってお願いいたします。
メールはお断りいたします。
また、プロフィール非公開の場合、簡単な自己紹介をお願いいたしております。
匿名はお控えください。

 

断腸亭料理日記トップ | 2004リスト1 | 2004リスト2 | 2004リスト3 | 2004リスト4 |2004 リスト5|

2004 リスト6 |2004 リスト7 | 2004 リスト8 | 2004 リスト9 |2004 リスト10 |

2004 リスト11 | 2004 リスト12 |2005 リスト13 |2005 リスト14 | 2005 リスト15

2005 リスト16 | 2005 リスト17 |2005 リスト18 | 2005 リスト19 | 2005 リスト20 |

2005 リスト21 | 2006 1月 | 2006 2月| 2006 3月 | 2006 4月| 2006 5月| 2006 6月

2006 7月 | 2006 8月 | 2006 9月 | 2006 10月 | 2006 11月 | 2006 12月

2007 1月 | 2007 2月 | 2007 3月 | 2007 4月 | 2007 5月 | 2007 6月 | 2007 7月 |

2007 8月 | 2007 9月 | 2007 10月 | 2007 11月 | 2007 12月 | 2008 1月 | 2008 2月

2008 3月 | 2008 4月 | 2008 5月 | 2008 6月 | 2008 7月 | 2008 8月 | 2008 9月

2008 10月 | 2008 11月 | 2008 12月 | 2009 1月 | 2009 2月 | 2009 3月 | 2009 4月 |

2009 5月 | 2009 6月 | 2009 7月 | 2009 8月 | 2009 9月 | 2009 10月 | 2009 11月 | 2009 12月 |

2010 1月 | 2010 2月 | 2010 3月 | 2010 4月 | 2010 5月 | 2010 6月 | 2010 7月 |

2010 8月 | 2010 9月 | 2010 10月 | 2010 11月 | 2011 12月 | 2011 1月 | 2011 2月 |

2011 3月 | 2011 4月 | 2011 5月 | 2011 6月 | 2011 7月 | 2011 8月 | 2011 9月 |

2011 10月 | 2011 11月 | 2011 12月 | 2012 1月 | 2012 2月 | 2012 3月 | 2012 4月 |

2012 5月 | 2012 6月 | 2012 7月 | 2012 8月 | 2012 9月 | 2012 10月 | 2012 11月 |

2012 12月 | 2013 1月 | 2013 2月 | 2013 3月 | 2013 4月 | 2013 5月 | 2013 6月 |

2013 7月 | 2013 8月 | 2013 9月 | 2013 10月 | 2013 11月 | 2013 12月 | 2014 1月

2014 2月 | 2014 3月| 2014 4月| 2014 5月| 2014 6月| 2014 7月 | 2014 8月 | 2014 9月 |

2014 10月 | 2014 11月 | 2014 12月 | 2015 1月 |2015 2月 | 2015 3月 | 2015 4月 |

2015 5月 | 2015 6月 | 2015 7月 | 2015 8月 | 2015 9月 | 2015 10月 | 2015 11月 |

2015 12月 | 2016 1月 | 2016 2月 | 2016 3月 | 2016 4月 | 2016 5月 | 2016 6月 |

2016 7月 | 2016 8月 | 2016 9月 | 2016 10月 | 2016 11月 | 2016 12月 | 2017 1月 |

2017 2月 | 2017 3月 | 2017 4月 | 2017 5月 | 2017 6月 | 2017 7月 | 2017 8月 | 2017 9月 |

2017 10月 | 2017 11月 | 2017 12月 | 2018 1月|2018 2月| 2018 3月|2018 4月 |

2018 5月 | 2018 6月| 2018 7月| 2018 8月| 2018 9月| 2018 10月| 2018 11月| 2018 12月|

2019 1月| 2019 2月| 2019 3月 | 2019 4月| 2019 5月 | 2019 6月 | 2019 7月| 2019 8月

2019 9月 | 2019 10月 | 2019 11月 | 2019 12月 | 2020 1月 | 2020 2月 | 2020 3月 |

2020 4月 | 2020 5月 | 2020 6月 | 2020 7月 | 2020 8月 | 2020 9月 | 2020 10月 | 2020 11月 |

2020 12月 | 2021 1月 | 2021 2月

BACK | NEXT

(C)DANCHOUTEI 2021