断腸亭料理日記2021

浅草今半 その2

さて。

引き続き[浅草今半]。

前菜から、姫路牛のにぎり鮨、
同じくサイコロステーキときて、真打登場。

 

姫路牛。

いかがであろうか。

私は、肉の専門家でも、目利きでもなく、
素人目ではあるのだが、やはり、美しいとは
思われないか。

この見事な霜降り。

筋っぽい感じもない。

最近、適さし宣言ということをいうところもあるが
これは、どんなものなのであろうか。

最初はやはり、お姐さんが焼いてくれる。

鍋に肉を二枚。

割り下も入れる。

この鍋、鉄鍋ではあるが、ステンレス
のようである。
普通のすき焼き鍋といえば、南部鉄器などの
黒い鋳物の鉄製の鍋、である。
ステンレスというのは、初めて見たかもしれぬ。

利点はなんであろうか。
機能的には、錆びにくいということだと思うのだが、
やはり、ちょっとゴージャスな感じ。

玉子を割ほぐす。

焼けたら、お姐さんが玉子の取り皿へ。

お姐さんが肉を鍋に入れてから焼き、皿へ取ってくれて
口に運ぶまで、ちょいとしたセレモニーのよう。

わくわくしながら、
固唾をのんで見守ってしまう。

家で食べるすき焼きとは決定的にここが違う。
もちろん、肉も違うが。

食べる。

うん、うん、これ、これ。

よい脂で、柔らかいが、しっかりした食感。
噛み応え。

うまいすき焼きというのは、そこそこの厚み、
なのであろうか、しっかりした食感も
大事かもしれぬ。

次にお姐さん、肉と、野菜や焼豆腐など、ザクを
鍋へ入れてくれる。

ねぎ、麩、白滝、白菜、椎茸、焼豆腐、春菊。
それから、肉。

これ、実にきれいに並んでいる。

焼き豆腐から白菜まで左の線は定規で
測ったように一直線。

たまたまか?。

これ、測っているのではなかろうか。
焼き豆腐、白菜、ねぎの長さ。
椎茸の大きさ。
鍋の大きさに合わせて?。

麩は規格がありそうだが、それ以外は
ぴったりになるようなものを用意し、
ぴったりになるように、切っている。
かなりな確率でそうではなかろうか。

なるほど、であれば、たいしたもの、
で、ある。

味には、ほぼ関係はないがこういところが
大切かもしれぬ。
この店の気の使い方。なにか格のようなものを
感じさせる。

ここからは、自分たちで。

肉以外は、味をよく染み込ませた方がよい。
じっくり煮て。

特に、ねぎ。
そして、麩、焼豆腐、白滝、椎茸。

これらは黄金の顔ぶれ、ではなかろうか。

外ですき焼きを食べなければ、これだけの
脇役たちを揃えることはまずなかろう。
肉の脂の出た甘辛が染みる。

食べる。

うまい、うまい。

もちろん、肉も。

鍋を平らげて、ご飯。

お新香にご飯、赤だし。

デザート。

満腹だが、ちょうどよい。

勘定をして、出る。

ご馳走様でした。

値段も値段だが、さすがにうまかった。

もしかすると、今まで食べたすき焼きの中で
最もうまかったかもしれぬ。

値段は裏切らない?、
はたまは[浅草今半]は裏切らない?。

とにもかくにも、よい経験にはなった、
であろう。

 

浅草今半

台東区西浅草 3-1-12
03-3841-1114

 

 

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