断腸亭料理日記2022

瓜の鉄砲漬け その1

4079号

さて。

連休も終わるが皆様はどうすごされた
であろうか。
旅行へ行かれた方も多かったのかもしれない。
ハワイ行きの航空便は満席であったとも聞く。
一方、祝日の配置で長く休めない人もあったからか、
近場の観光地も混んだよう。

私の住む浅草は、既に連休前のウイークデーから
かなりの人出で、伝法院通りなどは自転車では
通れない状態であった。
コロナ以前はこれに海外観光客も加わっており、
もっとすごかったはずだが、思い出せぬほど。
ともかくも、浅草に人出が戻ってきたのは
よいことではあろう。

日本人の場合マスクというのはまだまだ100%の
人がしている。
私など肌が弱く蒸れるのでできればしたくない。
徐々にしなくてもよい状況になってほしい
と思うのだが。どんなものであろうか。

ウクライナ情勢も心配である。どうも長期に
渡りそう。ロシアは意外に戦力は弱かった。
が、しかし、経済は意外に強かった、とも。
またまた、状況が変わってくるのかもしれぬ。

かと思うと、知床観光船の事故。
人災であったことは火を見るよりも明らか。
事故を起こした観光船会社はまったくひどいものである。
なぜ、あんな事業者に営業を許していたのか。
国土交通省の検査のザルっぷり。
こんなことになっていたのかと驚くことしきりではある。
海の状況は日本中で大きく違っているのであろうが、
海流の速さ、天候の変わりやすさなど知床のリスクの
高さということか。
結局事業者まかせであった。
日本中で事故が多発していたようにも見えないのは、
その他の事業者のスキルの高さということなのか。
知床の他の事業者、漁師の方々は捜索に出ている。
海の男たちの助け合う意識の高さもよくわかる。
こうした人達に支えられていたのか。

ともかくもなぜこんなことが起きたのか。徹底的な
原因究明が求められようが、許認可をおろしていた
国交省の責任は免れないように見える。制度運営の
改善は不可欠ではなかろうか。

さてさて、そんな連休であったが、
私はというと、たいした変りもなく、
遠出はせず、上野浅草、地元界隈。

書いておきたいものを書いてみる。

4月26日(火)〜

ばくらうりを、秋葉原のハナマサで見つけた。

ご存知であろうか、ばくらうり。
種としては、しろうり、のよう。
初夏のこの時期、瓜が、東京の野菜売り場にも
並び始める。

東京に出回るのは、ほぼ千葉産。

ばくらうりは、歯がぐらぐらしている人でも
食べられるほど柔らかいので、とのことだが、
ちょっと怪しそうではある。

瓜といえば、雷干し。
池波レシピである。

時代小説、エッセイ問わず池波正太郎作品には
複数登場するので、どんなにうまいのか、と、
なん回か試みたのだが、どうももう一つであった。

瓜は扱いが難しいのかもしれない。

で、ばくらうり、懲りもせず買ってきた。

千葉産、大きなものが二つで480円。

どうしようか。
今、瓜の料理法というと奈良漬け、粕漬というのが、
もっとも一般的であろう。

自分で粕漬を漬けたことがある方はどのくらい
おられようか。
これも試みたことがあるのだが、かなり難しい。

ただ、酒粕に漬ければよいのかと思うと、
実のところそうではない。
売っている酒粕に野菜を漬けても、すべて
奈良漬けになるわけではないのである。

酒粕も、まだ柔らかい、鮮度のよいもの。
おそらくまだ麹菌が生きているものでなければ
いけないようなのである。
そして、本場の奈良や京都では酒粕だけでなく
味噌も入れる。酒粕&味噌漬けが本当のよう。
鮮度のよい酒粕というのは東京ではそうそう、
手に入らない。よって以来、奈良漬けは
できたものを買ってくることにしたのである。

ともかくも、このばくらうり、なにかに
せねばならない。

ちょっと調べてみようか。
すると、こんなものが見つかった。

瓜の鉄砲漬け

なんと、農水省のページである。
最近、農水省はネットでお役所らしからぬ
新しい取り組みを始めている。

こんなものも出している。

最初は、若手官僚がこのあたりの内容を自作自演で
ユーチューブを始めたのだが、これがバズって、
その人は今は広報になっているよう。
俄かに農水省の根本的な行政方針が変わったとも思えぬが、
若手の声を拾い始めるというのは、行政府として
農水省の危機感のあらわれとはいえるのかもしれぬ。
農協改革から、輸出振興。ウクライナ危機で改めて
日本の食料自給率も問題になってこよう。日本の
農林水産業をどうするのか、農水省など必要なのか?。

ともあれ。
このページは、全国各地の郷土料理とそのレシピ集。
そこにあったのが、千葉県の郷土料理としての
瓜の鉄砲漬け。

瓜の鉄砲漬けは私も知っているし、食べたこともある。
ご存知の方も多かろう。
成田などに行くと、やはり名物として売っている。
瓜の中に生の青唐辛子を入れたしょうゆ漬けである。

さすがに、今の農水省のレシピであれば、信用できよう。

やってみようか。

が、これ、よく読むと、塩漬けがスタート材料。
塩漬けから作らねばいけない。

 

つづく

 

 

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