断腸亭料理日記2024

立ち喰い鮨・浅草まぐろ人・雷門出張所 その2

4535号

さて。

引き続き、雷門の立ち喰い鮨[浅草まぐろ人]。

光物の二巡目、なのだが、やっぱりおもしろい
ものがあった。

太刀魚。
光物に入れるべきかどうか。
まあ、そもそも、刺身で食べる魚でもないのだが。
どこであろうか、東京湾でも最近は大きいのが
よく釣れるらしい。
従って、安いのか。

もともと、太刀魚は西の魚で、私が子供の頃、50年、
60年前には東京にはあまり出回らないものだった。
やはり、温暖化であろうか。
ともあれ、もちろん江戸前鮨のねたではなかった。

そして、もう一品、小鯛。
いわゆる、春子(かすご)鯛、で、ある。
若狭なども有名だが、江戸前鮨でも、これは昔からある。
光物に入り、〆てにぎってきた。
昨年も食べているが、ここでは、昆布〆で出される。

そして、大定番の小肌。

左から、小肌、太刀魚、小鯛昆布〆。

太刀魚は、塩とレモンを掛けますか、と、聞かれたが
味見のため、そのままにしてもらった。
淡泊だが、うま味があり、よい歯応え。

これ、なにかしているのかもしれぬ。
多少水分が抜けている感じ。
焼き霜(しも)などともいうが、バーナー?で
皮目を炙っている。または、炭ではなかろうが、ガスで
炙って、すぐに冷やして、皮を取る?。
なんとなく表面はそんな感じ。
お湯をかけて表面だけ加熱し、急冷するのを霜降りというが、
炙って同じ状態にするのを焼き霜という。
鰹の叩きなど、藁の火で炙るが、あれも焼き霜の
一種ということになろう。

小鯛昆布〆。
これ、どうなのであろうか。伝統的な春子の酢〆よりも
昆布〆の方が手間が掛からないということか。
普通の鯛では伝統的にやってきたもの。
水分が抜け、昆布のうま味が加わる。
まあ、これはこれでうまいとは思うが、
酢〆を越えてはいないように思う。
いかがであろうか。

小肌。
包丁を縦に入れ、半身。魚はかなりデカいか。
だが、身は薄く、十分にうまい。
〆加減もよろしい。
小肌は、身が厚くなるともはや小肌とは
いえなかろう。

ここで、ビールも呑み終ったので、
味噌汁をもらい、お茶に。

味噌汁は、浅利。

作る人によって、違う、と前に板さんの誰かが
言っていたのが耳に入ったことがある。
今日は心なしか、出汁が弱いような、、。

さて。

かわり種がまだある。
とはいっても、これはずっとあるか。

ふぐ、白魚。
そして、かわり種ではないが、平貝。
平貝は貝類では唯一好物。
サクサクとした食感がよろしい。
こうして長く切っているのはあまり見ないか。
いい感じ。

そして、4月に入るが、ふぐはいつまであったか。
昨夏のこの日記を見返すと、7月には食べていない。
6月にはふぐ白子だけ食べている。
さすがに夏にはなかったのか。
そして、このふぐ、なんであろうか。
とらふぐ?。私など、ふぐを長年食べているわけでもないので
まったくわからぬ。強い歯応えはふぐ、であるのは
わかるが、関東だととらふぐよりも、まだ、しょうさいふぐと
いうのが、一般的という。

白魚。
これは、茨城、青森あたりか、そろそろ終わりであろう。
江戸前鮨では、ゆでたものを昔から食べられてきたが、
やはり、生の軍艦がうまい。

随分食べたような気がするが、そろそろ、終盤。
ここでは、まぐろは食べておかねば。

ヅケと中とろ、といって出てきた。

これ、どう見ても、大トロ、であろう。
そして、厚切り。
ここで中トロはなん度も食べているが、こんなのが
出てきたのは初めて。(まさか間違えた?)
やはり、生、であろう。
さすがの、まぐろ仲卸経営。
極上。まさに堪えられぬ。

ヅケもよい塩梅。

最後は、海苔巻。

やっぱり、鉄火、細巻。

細巻だが、まぐろの太さ。

はち切れている。

ここの鉄火巻のまぐろは、実際には、時によって、
凸凹あると感じるのだが、今日は間違いなく、
みずみずしい生。

うまい。

あー、やばい。

調子に乗って、喰いすぎた。

かなりの、腹一杯。

ご馳走様でした。

勘定は、いつも4000円台のところ、
5000円台になってしまった。


浅草まぐろ人

台東区雷門2-18-12
03-3847-7139

 

 

 

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