断腸亭料理日記2024

麻布十番・そば・更科堀井本店 その2

4532号

3月26日(火)第一食

さて。

週をまたいでしまったが、麻布十番であった。

三軒ある、永坂系そばや。

三軒行ったわけでもないし、どこがどう、
ということはわからない。
なぜか[布谷太兵衛]には行っていない。
坂下の[本店]と[堀井]には行ったことがあるが
随分前にそれぞれ一回ずつだけで、あまり記憶がない。

で、今回は、その創業家経営の永坂の付かない
[更科堀井]。

大江戸線から地上に上がってくる。

そこそこ強い雨。

時刻は14時前。

麻布十番大通りも少し前から比べても、
随分と変わったのではなかろうか。

まあ、あまりくるところでもないので、
はっきりしたことはわからなないのだが、
それこそ“山手の下町”といわれたように、
ちょっと庶民的な商店街であったと思う。
今は、かなりお洒落な通りで、いかにも麻布らしい?、
そんな感じか。

[更級堀井]は西に向かって左側。

入ると、こんな感じであったか?。
ちょっとウッディなお洒落なカフェのよう。

ほぼほぼ満席。

一人、というと、真ん中の大きなテーブルの
空いた席へ案内される。

お酒をもらおうか。

ここの定番に見える、名倉山という会津の酒、
純米吟醸、一合、冷で。

それから、つまみは、なにがよかろう。
久しぶりに、天ぬきは、どうであろうか。

もちろん、ここでは経験なし。

お姐さんに、一応、天ぬき、ってできます?
と聞いてみる。

はい、ぬき。一本の海老か、かき揚げか。

ほう、どちらもあるのか。じゃあ、かき揚げで。

酒がきた。

やや辛口?、吟醸らしい香り。よい酒である。
お通しは、定番のそば味噌ではなく、
そばを揚げたもの。
ちょっと珍しいか。

ここは広いよう。奥もあるのか。
それぞれのテーブル席が大きい。
ちょっとファミレスのようでもあるか。

お客は、外国人比率がかなり高い。
大使館の多い麻布という土地柄か。
ただの観光客といった感じでもない。
アジア系はいないか、欧米系、アフリカ系?、など、
グローバルな感じ。
それでか、上品で落ち着いているように見えるのは、
気のせいか。

天ぬきがきた。

小ぶりの丼。
真っ白に藍で店の紋一つ。
老舗の矜持か、よい趣味であろう。

芝海老のかき揚げ、三つ葉。

まあ、どうせ崩して食べるのでなんら問題は
ないのだが、、、最初っからかき揚げが
崩れぎみ、、。
これが普通?。
いや、品書きに天ぬきはなく、ここのかき揚げは
大きな球形がノーマルなよう。
苦肉の策だったのか。

つゆがよい。
これがここの温かいそばのつゆ、で、よいのか。
舌がやけどをするほど、熱い。
なかなか、よいではないか。
そして、あまり出くわしたことのない、味。
まあ、私は浅草界隈なので、濃く、かつ、しょうゆが
勝ったつゆに馴染んでいる。
なんであろうか、ここは。濃いのだが、しゅうゆが
勝ったものではもちろんない。だが、山手にあり勝ちな、
甘味が勝ったものでもなく、絶妙なバランス。
流石というべきであろう。

食べ終わり、呑み終りが見えた頃、そばを頼む。

もちろん、もり。
さらしな系の白いものだけでなく、普通の黒いそばも
置いている。
だが、ここは、看板のさらしな、で、いってみる。

きた。

真っ白。
そして、かなりの細さ。

こんなであったか。

つゆは、下町に比べると、やはり気持ち薄め、か。

上品、というべきか。

だが、さらしなもあってか、ちょいと、水っぽくも
感じてしまう。まあ、こういうもの、であろう。

手繰り終わって、立って、荷物をまとめ、
帳場へ。

勘定をして、出る。

なるほど。
こういう店であったか。
下町にはない、東京のそばや。
つまみも、そばもかなりの品数があった。

ご馳走様でした。

流石の、ほんとの大老舗。
よいそばや、で、あろう。

 

更科堀井

永坂更科布谷太兵衛

永坂更科本店

 

 

 

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