断腸亭料理日記2005

鶏と大根の鍋

11月13日(日)夜

さて、そろそろ東京も本格的に寒くなってきた。
今年はなにか、秋がなく、いきなり冬になっていくような感じである。
10月が雨が多く、いわゆる秋晴れのよい気候の日が少なかったのでは
なかろうか。

寒くなってくると、やはり、鍋。
拙亭では、はずせないのが、大根と鶏の鍋である。

98年10月10日

00年1月12日

04年10月28日

05年1月31日

この日記でも登場回数の多いメニューの一つかも知れない。

また、何日か前から、妻が風邪を引いている。
風邪にも鍋、である。

この、鶏と大根の鍋は、もともと、池波正太郎先生メニュー。
特に、仕掛人・藤枝梅案シリーズに何回も登場する。
(上記、05年1月31日分に引用。)

用意するのは、鶏皮と大根、そして、なくともよいが、油揚げ。
スーパーなどでは、鶏皮がないこともあるが、
今日は田原町の赤札堂で調達。

準備は特にない。
まったく簡単。土鍋に水から、皮をむいて、木口切りに
大きく切った大根、鶏皮を入れ、煮はじめる。

少し時間差で、炭を熾(おこ)す。

大根は大きく切ると、煮えるまで、時間がかかる。
30分ほど。

火鉢に、熾った炭を移す。

追加の大根は、すぐ煮えないので、千六本にし、
鶏皮、油揚げも用意し、皿に盛る。

土鍋に、油揚げを入れ、火鉢に移動。
しばらく蓋をしておく。

その間に、酒の燗をつける。
(いつもこの瞬間が、長火鉢が欲しくなる時なのである。
拙亭の火鉢は、通常の陶器の火鉢。
五徳には土鍋しかかからないのである。
長火鉢には、銅壺といって、同時に、鍋もかかる、酒の燗もつくという、
まったく便利な道具があるのである。)


よいかな?
竹串を刺して、大根の煮え具合を確認。

これは、しょうゆ、のみをたらりと、たらして、食べる。
大根の食べ方として、これほどうまい方法は他にはないのでは、
なかろうか。

鶏皮から、脂と旨みが充分に出て、大根にも染み、
まさに、堪えられない、うまさ、である。

ふうふういいながら、大根を食う。
酒もうまい。

まったくもって、鶏と大根の鍋。偉大である。



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