断腸亭料理日記2008

あん肝のパスタ

1月19日(土)夜

さて、作ったばかりの、あん肝で、燗酒を二合。
そのまま、転寝(うたたね)。

外出していた内儀(かみ)さんが帰宅し、起きる。

なにか腹にたまるものが食べたい。
なにがよかろうか。

シコタマできてしまった、あん肝。
これでなにかできないだろうか。

パスタはどうだろうか。
あん肝のパスタ。

明太子や、たらこはむろんだが、和風のものでも
パスタにはなる。
同じような珍味では、からすみのパスタを外で食べたことがある。
また、鰹の塩辛、酒盗でも筆者はパスタにする
(アンチョビがいけるのだから、酒盗もいける。
にんにくとオリーブオイルで炒めて、パスタの味付けになる。)

すこし調べると、あん肝のパスタは、案の定、存在した。

生クリームと白ワインが必要だが、どちらもある。

よし、作ろうか。

あん肝は、ソースに入れるのと、そのまま、スライスして、
フォアグラのようにローストして、上にのせる、という形のようである。

まずは、パスタを茹でるために湯を沸かしておく。

ソース。
レシピでは、生のあん肝を、レンジで蒸し、温かいうちに、
裏漉す、とあるが、もう既に、できてしまっているので、
大きいところから、切リ分け、レンジで軽く温める。

これを裏漉し器で、手早く裏漉す。
これは、簡単に終了。

裏漉したものをフライパンに移し、生クリーム、白ワインを入れ、
とろみが出てくるまで、煮詰める。

適当なところで、塩と、黒胡椒をたっぷりと挽き入れる。

レシピには、この黒胡椒がポイント、というようなことが書いてある。
カルボナーラのイメージで、あん肝は、くどいものであるので、
アクセントが必要、ということであろうか。

スパゲティーを茹で始める。

同時に、上にのせる、あん肝のロースト。
三枚ほどを切り分け、軽く油を敷いた別のフライパンで
両面、焦げ目が軽く付くまで、焼く。
一度火の通っているものであるから、焼き過ぎぬ方がよかろう。
強火で、手早く。
あん肝を焼いたのは、初めてであるが、
焼いているうちに、油も出てくるし、見た目にも
フォアグラのようになる。

スパゲティーの茹で加減をみる。
もう少し。

OK、上げる。

あえるために、深い皿にスパゲーティーをのせ、
ソースをかける。

ん?
とろみ、というよりは、ボソボソした感じ。
冷えてきて、固まり始めていたか。

全体を、よくあえる。

盛り付け用の皿に移し、上にローストしたあん肝をのせ、
完成。


食べる。

うーん。

やはり、ボソボソしている。
ソースというよりは、細かく粒状に固まり、たらこのような
感じになっている。

あえる前に、もう一度温めるのであった。
また、あん肝がたくさんあるので、少し多めに
入れてしまったかもしれない。

しかし、こんな見た目であるが、
味はどうしてどうして、悪くはない。
あん肝に、白ワイン、生クリームであるから、ヘンなものは
入っていない。いや、むしろ、生クリームは
生ぐささを消す効果もあるので、ぽん酢しょうゆで、
あん肝を食べるよりも、味としては上かもしれない。

ローストしたあん肝も、なかなか、うまい。
こうして、あん肝を焼く、というのは、日本人としては
もったいなくて、あまりしないかも知れぬが、
これは、発見、で、ある。

しかし、この料理、今日のように、
シコタマあん肝のある場合しか、ありえない料理、で、あろう。





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