断腸亭料理日記2008

断腸亭の年越し2008 その2

さて、引き続き、断腸亭の年越し。

昨日は、買出し。


*****************************

12月31日(月)から1月1日(火)

午後、引取ってきたおせちの中身を確認して、
ないものを買いに出る。

と、いっても、たくさんあるわけではない。
一つだけ。是非とも欲しい、というほどでもないが、
あったら、よいかな、というもの。

伊達巻、で、ある。
鮨太鼓のおせちには、厚焼き玉子が入っているので、
伊達巻は入れていなかったのかだろう。

伊達巻は毎年買っていたし、筆者もよく食べる。

ハナマサ、で、いいだろう。

伊達巻にも、品質があり、
いろいろなランクがあるのであろうが、安くはない。
ハナマサにあったのは、築地入船のもので、一本千円弱。

まあ、正月のおせちで、いわば縁起物のようなところもあり、
多少高くとも買ってしまう。
例の、大阪の料亭ではないが、そんな消費者意識につけ込んで、
曲がったものを売って欲しくないと、願うだけである。

春日通りの角にある、元浅草砂場の前を通る。

筆者は、例年、外のそばやで、年越しそばを食う
習慣はないのだが、ここも、大晦日。
午後の半端な時間であるが店はにぎわっている。
店の前に、生そばも並べられている。

まつや、のものを買ったばかりであるが、
ここのも、買ってみようか。

二人前、買う。

つゆも付いている。
よし、食べてみようか。

ざる。
大鍋に湯を沸かす。

砂場であるから、店で食べてもそうであるが、そばは、白い。

鍋からそばをあけるときに、蕎麦湯も忘れずに、ボールに受けておく。
冷たい水で数回さらし、きれいに洗う。

ざるに、盛る。
ざるへの盛り方、というのをご存知であろうか。
ちょっとした、方法があり、見栄えもよく、
また、食べやすい。

どうするかというと。
指で一口分ほどつまみ上げ、麺を揃え、ざるに長く
きれいに並べる。
これをくり返す。


お燗もつけて、一杯。

岡本のうにも、出す。
(昨年のものが、まだあったので、それ。)

一合では、呑み足りなくなり、つまみも作ろう。

冷蔵庫に解凍してある鴨。
まつやのそばは、鴨せいろ、に、しようと思っていた。
これをちょっと、ねぎと焼こう。

脂身が多いので、肉と分ける。
ねぎは、細く切ったものと、太いままのものを用意。
太いものは、炙ってみよう。

串に刺して、火鉢の炭で焦げ目が付くまで。

フライパンに、脂身を先に入れ、よく脂を出す。
ここに、細く切ったねぎと、肉。
肉は、さっと、色が変わる程度。
炭で炙ったねぎも、一緒に脂と和える。

小鉢に盛り、しょうゆをかける。


しょうゆだけでさっぱり食う、鴨鍋、も、あるが、さらに、その簡易版。

やはり、鴨の脂と、ねぎ、しょうゆの組み合わせは
黄金、であろう。

うまい、うまい。

仕上げに、ご丁寧に、買ったばかりのうさぎやのどら焼きも
食べてしまう。
やはり、ここのは、店でもいう通り、出来立てが最もうまい。
生地は柔らかく、おだやかで、優しく、滋味のある餡の味。

で、そのまま、うとうとと、昼寝。
既に、完全に、正月モードで、ある。

夜は、紅白をみながら、鮨太鼓のおせちを食い、呑む。

毎年、11時を過ぎたところで、まつや、のそばを
茹で始めるのだが、さすがに今年は、午後、砂場のそばを
食べてしまったので、明日の午後、にしよう。

年が明けたところで、着物に着替える。初詣、で、ある。

股引をはいて、寒いので、襦袢は二枚。
着物は、昨年同様、紺のウール。足袋は白。
襟巻きをし、下駄を履いて、内儀(かみ)さんと、出る。

さすがに、寒い。
両手、両腕共に、すっぽりと懐に入れ、歩く。

行き先は、界隈の氏神様である、鳥越神社。
六月のお祭りと、初詣は、鳥越神社と決まっている。

左衛門橋通りをずっと下る。
毎年、同じ時間にくるので、列の長さも同じくらい。
結局、一時間程度は、並んだのであろうか。


お参りをし、右側に下りると、
ご近所のうなぎや、やしまの、ご主人に声をかけられる。

ご主人は、睦(むつみ)といって、鳥越祭りを含めて、
町内の氏子代表、という役も勤めておられる。
境内には、各町から、神社のそろいの柄に、
それぞれの町名の入った半纏を着て、睦の役員さん達が、
そろっている。
毎年、当番で誰かがきているのであろう。

お神酒と、甘酒をいただく。
冷え切った身体に、甘酒が、うまい。
毎年買っている、神社カレンダーと、干支の縁起物を買う。

これは、土鈴。ねずみの顔が、心なしか、現代風。

寒い、寒い。一目散に、帰宅。

呑み直し。
今度は、鴨の脂とねぎだけで、鴨抜きを作る。
(そばやでいう、鴨なんばんの、そば抜き。)


三時頃、就寝。



今日はここまで。続きはまた明日。



断腸亭料理日記トップ | 2004リスト1 | 2004リスト2 | 2004リスト3 | 2004リスト4 |2004 リスト5 |

2004 リスト6 |2004 リスト7 | 2004 リスト8 | 2004 リスト9 |2004 リスト10 |

2004 リスト11 | 2004 リスト12 |2005 リスト13 |2005 リスト14 | 2005 リスト15

2005 リスト16 | 2005 リスト17 |2005 リスト18 | 2005 リスト19 | 2005 リスト20 |

2005 リスト21 | 2006 1月 | 2006 2月| 2006 3月 | 2006 4月| 2006 5月| 2006 6月

2006 7月 | 2006 8月 | 2006 9月 | 2006 10月 | 2006 11月 | 2006 12月

2007 1月 | 2007 2月 | 2007 3月 | 2007 4月 | 2007 5月 | 2007 6月 | 2007 7月

2007 8月 | 2007 9月 | 2007 10月 | 2007 11月 | 2007 12月 | 2008 1月




BACK | NEXT |

(C)DANCHOUTEI 2008